金プラチナ短期相場観

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インフレ期待急上昇、ミシガン大長期予想は12年ぶり高水準

更新日:2023年11月11日(土)

ミシガン大・1年期待インフレ 2023年11月速報ミシガン大のインフレ期待は11月速報で急上昇。
1年先のインフレ期待は4.4%。市場予想の4.0%を大幅に上回り、10月の4.2%からも上昇し、4月(4.7)以来、7ヵ月ぶりの高水準。2年半ぶり低水準となった9月の3.2%からは続伸で急騰局面を形成。2017年から2019年までの平均2.7%、レンジでは2.3%から3.0%辺りを大きく上回る水準に。
さらに長期のインフレ予想となる5-10年先のインフレ期待は3.2%。市場予想の3.0%を上回り、10月の3.0%からも上昇。1年ぶり低水準となった9月の2.8%からは急騰局面を形成。2017年から2019年までの平均2.5%を大きく上回り、2011年3月(3.2)以来、12年8ヵ月ぶりの高水準。
ガソリン価格は足下で下落しているものの、ガザ紛争の影響なども懸念され、今後のエネルギー価格上昇への警戒感などが影響した可能性も。

これに伴い、消費センチメントも悪化。
消費者信頼感指数は60.4。市場予想の63.8を大幅に下回り、10月の63.8からは-3.4ポイントの急低下。1年9ヵ月ぶり高水準となった7月(71.5)からは4ヵ月続落となって半年ぶりの低水準。
現況も期待も半年ぶり低水準となり、急激な悪化局面を形成。
市場の楽観ムードに水を差すような、パウエルFRB議長のタカ派発言を見越していたかのようなインフレ期待上ブレに、NY金は軟調局面再加速。

NY金・日足チャート 2023/10/9 - 11/1010日のNY金は-32.1ドル、1.63%の大幅反落となって10月17日(1935.7)以来、3週間ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均12.1ドルの2.7倍、4月以来7ヵ月ぶりで今年5番めの急落。前日NY引け後のパウエルFRB議長のタカ派発言を受けての売り圧力が継続。アジア時間こそ1960ドル台で下げ渋るも、ロンドン市場にかけて徐々に上値を切り下げて1960ドルを割れると急落となってNY朝には1950ドル付近へ。さらに11月のミシガン大インフレ期待が予想外に上振れたこともあり、米長期金利上昇とドル高の流れにも押されて一段安、NY午後には安値で1940ドル割れ。NY引け後には自律反発で1940ドル台を回復。3週間ぶりに200-90日移動平均線(1948.0-1946.4)を割り込み、1950ドルのサポート割れに伴う一段安の目安1930ドル台に到達したことで一服感も、次週米10月CPIの結果次第の展開に。一段安となれば10月安値(1823.5)から高値(2019.7)の半値戻し(1921.6)、勢い余れば61.4%戻し(1898.4)付近、1900ドルの大台近辺までが意識される可能性も。反発方向へは1970ドルが当面の抵抗水準、これを上抜けると2000ドルの大台付近を目指す流れにも。
週間ベースでは-61.5ドル、3.08%安で5週ぶりの反落。6週ぶりで今年2番めの大幅安。

NYプラチナ・日足チャート 2023/10/9 - 11/10NYプラチナは-17.2ドル、1.99%安となって5日続落。今年安値を更新して昨年9月6日(833.9)以来、1年2ヵ月ぶりの安値。5日続落は2ヵ月ぶりで今年5度め。前日までの軟調な流れがそのまま続き、時間外序盤の860ドル台半ばが高値となり、ロンドン市場で850ドル近辺まで下落。NY朝の反発局面では860ドルに届かず、戻り売りの勢いで850ドルを割れるとNY午後には840ドル台半ばで落ち着く状態に。結果的に短中期下値候補、10月安値圏850ドル近辺をCPI前に下抜けてしまった格好となり、二番底崩れとなってサポート感も剥落、もう一段の下値トライにも向かいやすい状況に。CPIきっかけなどで下押し圧力が再度強まれば昨年安値圏800ドル近辺までが一段安の目安に。
週間ベースでは-98.7ドル、10.45%安で5週ぶりの反落。コロナショックの2020年3月16日からの週(-121.4ドル、16.32%)以来、3年8ヵ月ぶりの急落。

ドル円・日足チャート 2023/10/9 - 11/10ドル円は17銭のドル高円安、0.11%高で5日続伸。33年4ヵ月ぶり高値となった10月31日(151.70)以来の高値水準で、徐々に上げ幅を縮小しながらもゆっくりと堅調推移。東京市場午前の時間帯での151円20銭台が安値となり、欧州時間には151円40銭台へ、NY市場では151円30銭付近までの下押しを挟み、ミシガン大のインフレ期待上ブレをきっかけに一段高。NY午後には151円50銭台、高値では60銭近辺まで上昇。この日の変動値幅は37銭にとどまり、今年の平均126銭の30%弱、今年4番めの小動き。次週、CPI後に151円80銭超へと高値更新となれば変動幅も拡大しての一段高となる可能性も、短期上値目標は153円台後半まで。
週間ベースでは+2.13円、1.43%高で3週ぶりの反発。8月以来、3ヵ月ぶりの大幅高。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/10終値とチャート

2023年11月11日(土)時点の相場
国内金10,431 円 11/10(金) ▲78(0.75%)
国内プラチナ4,569 円 11/10(金) ▼35(0.76%)
NY金1,937.7 ドル 11/10(金) ▼32.1(1.63%)
NYプラチナ845.6 ドル 11/10(金) ▼17.2(1.99%)
ドル円151.52 円 11/10(金) ▲0.17(0.11%)

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