金プラチナ短期相場観
12月中旬から続いた国内金価格の上昇トレンドに失速の危機
更新日:2024年2月19日(月)
年末にかけてはNY金の上昇、年初からはドル高円安基調にサポートされ、コンスタントに水準を切り上げてきた国内金価格。
12月初旬に記録した過去最高値に迫ろうかというところにきて、その上昇トレンドにも失速リスクが高まりつつありそうです。
インフレ高止まり懸念とともに早期利下げ観測後退となってNY金が軟調推移を余儀なくされる一方で、昨年高値圏に迫るドル円にはピークアウト警戒感とともに為替介入懸念なども払拭し切れず。
また、国内金価格のチャートでは、価格水準がゆっくりと水準を切り上げてきた流れのなかで、RSIやモメンタムなどのオシレータ系指標はピーク水準を切り下げる逆行状態となり、上昇圧力枯渇による反落への可能性も示唆。
なお、先週15日までの3日続落で-137円、1.3%の下落でその反落局面を終えたのか、もしくはその始まりか。今週はその見極めフェーズということにもなりそうです。
週末の続伸で2020ドル台半ばを回復していたNY金は週明け時間外に2030ドルトライ、150円10銭台へと反発していたドル円は週明け東京朝には150円割れ。
19日の国内金価格は+67円、0.63%の続伸で今年高値となった2月9日(10691)以来、10日ぶりの高値。2月5日の10642円とほぼ同水準となり、ここから反落するようだと小さな三尊天井形成リスクも。ただし水平状態の9日移動平均線(10605)を再び上抜けて強気相場再開への可能性も再浮上。そうなって今年高値更新へ、10690円台の節目上抜けとなれば上昇トレンド再開へ、短期的な上昇余地は10770円程度まで。反落方向へは10550円が当面の下値サポート、これを割り込むようだと10460円程度までを目安に一段安トライへ。
一目均衡表では基準線(10534)を上回る推移が続き、揉み合っていた転換線(10623)も今朝には上抜け。雲の上限(10391)も大きく上回っての推移も続き、遅行線も26日前価格(10381)を上回る状態が続く三役好転。12月半ばから続く上昇チャネルは目先、12月初旬の過去最高値を起点に2月高値(10691)を経由する右肩下がりの抵抗線候補(10600円台後半を下降中)との攻防へ。これをしっかり突破できれば最高値更新トライへと向かう可能性も、ここで上値を押さえられるようだと、このラインが当面のレジスタンスラインとして存在感を強める可能性も。
NYプラチナは週末にかけて3日続伸で910ドル台半ばまで上昇し、週明け時間外も同水準で一服状態。
国内プラチナ価格は+56円、1.19%高で3日続伸。1月30日(4757)以来、3週間ぶりの高値水準に。4660円の節目上抜けに伴う短期上値目標4710円台到達後の勢いのまま一段高。中期三角保合い中間ライン4700円近辺も一気に上抜け、久々の保ち合い上半分の領域再トライ。前回1月30日にはこの水準で反落しており、重要な攻防水準。これをしっかり突破できれば4800円近辺へと切り下がる中期保ち合い上限ラインとの攻防も視野に。短期的には一服感も生じやすいものの、勢いのままに中期保ち合い上限ラインも上抜けるようだと4900円超へ、さらに一段高へと向かうような展開にも。
一目均衡表では基準線と転換線(ともに4671)を今朝時点で上抜け、雲の下限(4722)、上限(4734)も今朝、上抜け。遅行線も26日前の価格(4662)を今朝、上抜けて三役好転。これが強気相場の始まりか、それとも強気と弱気の狭間で上下動を繰り返す保ち合い推移のなかでの一時的な上振れか。この見極めも、明日以降。
※参考:金プラチナ国内価格2/19とチャート
- 2024年2月19日(月)時点の相場
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国内金 : 10,644 円 2/19(月) ▲67(0.63%) 国内プラチナ : 4,757 円 2/19(月) ▲56(1.19%) NY金 : 2,024.1 ドル 2/16(金) ▲9.2(0.46%) NYプラチナ : 913.5 ドル 2/16(金) ▲8.3(0.92%) ドル円 : 150.17 円 2/16(金) ▲0.23(0.15%)
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