金プラチナ短期相場観
米12月PPI、コアPPIも予想を下回るも上昇局面継続
更新日:2025年1月15日(水)
2024年末のPPIは予想された程は上昇せず。
米労働省が発表した12月の生産者物価指数、PPIは前年比+3.31%。市場予想の+3.5%を下回り、前月からは+0.31%、4ヵ月続伸となって1年10ヵ月ぶりの高水準。
2023年6月の前年比+0.26%で底打ちし、上下動を繰り返しながらも上昇局面が継続。2019年までの長期平均+1.70%を上回る水準での推移は10ヵ月連続。
食品とエネルギーを除いたコア指数、コアPPIは前年比+3.55%。市場予想の+3.5%を下回り、前月からは+0.07%の小幅高で5ヵ月続伸。1年10ヵ月ぶりの高水準。
2023年12月の+1.79%で底打ち、上昇局面が継続。2019年までの長期平均+1.80%を上回る水準での推移は12ヵ月連続。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数、コアPPI2は前年比+3.31%。1年8ヵ月ぶり高水準となった前月から-0.24%、3ヵ月ぶりの反落で3ヵ月ぶりの低水準。
2023年11月の+2.52%で底打ち、上昇傾向となって9ヵ月連続+3%台で高止まり。2019年までの長期平均+1.72%を上回る水準での推移は4年連続。
PPIの前年比伸び率では、2024年末に市場予想こそ下回ったものの、上昇局面は続きます。
14日のNY金は+3.7ドル、0.14%の小幅反発。2680ドル台での小幅保ち合い推移でアジア時間を通過するとロンドン市場では2680ドル割れトライ、NY朝には米12月PPIが予想を上回ったことを受けてやや乱高下の反応。2680ドル台後半へと急騰後には2670ドル台前半へと反落、これが安値となって下げ渋るとNY午後にはドル安基調にも連れて2680ドル台へと反発。NY引け後には2690ドル台へ。90日移動平均線(2664.4)手前で下げ渋る格好となり、CPI確認後にも90日線にサポートされる状態が続くかどうか。割れると軟調方向への傾斜も予想され、2640ドルの節目との攻防にも。これも割れると2610ドル近辺を目安に下値トライへ。2720ドル超へと切り返すことができれば2740ドル程度までの上値切り上げも。
NYプラチナは-25.7ドル、2.64%の続落。1月6日(942.8)以来、1週間ぶり安値圏での一段安。アジア時間には970ドル台前半での小幅揉み合い推移、高値も970ドル台半ばまでにとどまってロンドン市場では軟調推移。970ドルを割れるとNY市場では960ドル割れ、NY午後には950ドル割れをかけた攻防となり、安値となった940ドル台後半では下げ渋る展開にも。少し行き過ぎた上値トライの巻き戻しの流れが加速する格好にもなり、再び90日移動平均線(974.1)がレジスタンスに切り替わる形にも。90日線との攻防が上値トライ再開に向けた重要ポイントに。下方向には940ドルの節目を割れると900ドルの大台近辺までを目安に一段安トライへ。
ドル円は+44銭、0.28%高で4日ぶりの反発。1月9日(158.12)以来の高値。東京朝には157円前半での保ち合いから、氷見野日銀副総裁発言への警戒感で乱高下。「次週1月会合で利上げの可否を議論」するとの意向から157円ちょうど付近までの急落後には158円近辺までの急反発も。157円半ばでの保ち合いとなって東京市場終了後には158円再トライへ。NY朝には米12月PPIの下振れを受けて157円30銭台まで50銭程の急落も、米10年債利回りが下げ渋った流れに追随して巻き戻し、NY午後には再び158円近辺へ、高値では158円20銭付近まで上昇。上昇軌道の20日移動平均線(157.21)にもサポートされ、高値保ち合い下限を157円50銭に切り上げ、158円40銭までのレンジでCPI確認待ちへ。CPIも鈍化となって下限を割れると調整圧力拡大、155円半ば辺りまでが短期下値目安に。想定以上に高止まりとなって上方ブレイクなら160円付近を目指して一段高トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/14終値とチャート
15日の国内金価格は+89円、0.60%の反発。最高値となった10月31日(15025)以来、2ヵ月半ぶりの高値。右肩上がりの9日移動平均線(14686)にサポートされて12月以降の短期上昇トレンドが継続。前日の下げを取り戻し、14830円の節目もわずかながらも突破。一段高トライへと向かいやすい状況となり、短期上値目標は14900円の大台回復。下方向には14740円の節目を割れると調整へ、14650円程度までが短期下値目安に。
プラチナ価格は-77円、1.48%の続落で1月6日(5122)以来の安値。上昇軌道だった9日移動平均線(5178)を維持し切れず、これを下抜けて9日線自体も下向きへと押し下げてしまい、堅調局面は崩れて12月の底打ち反発の流れは一服。目先、5120円の節目を維持できれば保ち合い傾向へも、維持できないようなら調整局面拡大、5030円辺りまでが下値目安に。もし5270円超へと切り返すようなことがあれば上値トライ再開へ、5370円辺りまでが次の上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格1/15とチャート
- 2025年1月15日(水)時点の相場
-
国内金 : 14,831 円 1/15(水) ▲89(0.60%) 国内プラチナ : 5,131 円 1/15(水) ▼77(1.48%) NY金 : 2,682.3 ドル 1/14(火) ▲3.7(0.14%) NYプラチナ : 949.4 ドル 1/14(火) ▼25.7(2.64%) ドル円 : 157.96 円 1/14(火) ▲0.44(0.28%)
サービス価格と住宅価格の鈍化継続でコアCPIは予想外に鈍化 1/16(木)
米12月PPI、コアPPIも予想を下回るも上昇局面継続 1/15(水)
ミシガン大もNY連銀も、インフレ期待は下げ渋り、反発傾向へ 1/14(火)
予想外の雇用大幅増、失業率も低下で追加利下げ観測も後退へ 1/11(土)
雇用統計直前の関連指数、雇用は低調、賃金は下げ渋り 1/10(金)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン