金プラチナ短期相場観

ISM製造業景況指数4月は予想ほど悪化せず、でも輸出入は低調
更新日:2025年5月2日(金)
米4月のISM製造業景況指数は警戒されたほどは悪化せず、ドル高で反応。
ISM製造業景況指数は48.7。市場予想の47.9を上回り、3月(49.0)からは-0.3と小幅低下。それでも3ヵ月続落で5ヵ月ぶりの低水準となり、2ヵ月連続の節目50割れ。
構成指数では、生産が44.0。前月から-4.3の急低下で3ヵ月続落、2ヵ月連続50割れで約5年ぶりの低水準。コロナ後最低となったものの、新規受注は47.2で7ヵ月ぶり低水準の3月からは+2.0。ただし3ヵ月連続の50割れ。受注残も43.7、低水準での続落で5ヵ月ぶり低水準。
雇用は46.5で半年ぶり低水準の3月からは+1.8。ただし3ヵ月連続50割れ。価格指数も69.8で前月からは+0.4の小幅上昇、2年10ヵ月ぶり高水準で高止まり。
また、輸入が47.1となって前月から-3.0の急低下、4ヵ月ぶりの50割れで1年4ヵ月ぶりの低水準。
輸出は43.1で前月からは-6.5の急低下、2020年5月以来ほぼ5年ぶり低水準、コロナ後最低。輸出入は、低調。
トランプ関税の影響が徐々に表れ始めている様子も。市場反応は過少評価の表れ?
1日のNY金は-96.9ドル、2.92%の大幅安で3日続落。下落率は今年の絶対値平均0.97%の3倍、今年2番めの急落で調整局面は3日めに急拡大。アジア時間序盤に3300ドルの高値から急低下、3290ドルの節目を割れると3230ドル近辺まで一段安。ロンドン序盤には下げ渋るもNY朝にはドル高の流れにも連れて3220ドル近辺へと水準を切り下げ、安値では一時3210ドル割れ。NY引け後には3230ドル台へと自律反発。リスク回避の巻き戻しの流れとともに保ち合い下方ブレイクとなっての一段安、3290ドルの節目割れに伴う短期下値目安3170ドル近辺まで、もう一段の下げ余地を残して雇用統計待ちへ。
NYプラチナは-2.3ドル、0.24%安で3日続落。アジア時間には970ドル付近から960ドル台前半へと小幅に軟調推移、ロンドン序盤には970ドル台へと反発も、NY市場にかけては970ドルをはさんでの上下動。NY朝には一時960ドル割れの安値をつけて切り返すと970ドル台半ばの高値へと急反発、NY午後には960ドル台後半での小幅揉み合い推移、NY引け後には再び970ドル台へと反発トライ。あらためて970ドルの節目割れをかけた攻防状態となり、現状では節目割れに伴う短期下値目安920ドル近辺を目指す流れが進行しやすい状況。ただし970ドル超を安定的に維持できれば1000ドルの上限までのレンジで保ち合い継続へ。
ドル円は+229銭、1.60%高で3日続伸。4月9日(147.73)以来、3週間ぶりの高値。上昇率は今年の絶対値平均騰落率0.54%の2.96倍、今年最大で昨年12月以来、4ヵ月半ぶりの急騰。東京朝の142円80銭台が安値となって143円を回復後、日銀の現状維持発表を受けて143円後半へと急騰。展望レポートでの経済成長率や物価見通し下方修正もあり、追加利上げ観測後退となって円安の流れは止まらず、東京市場終了後には144円70銭台まで上昇。欧州時間には144円前半へと調整後に下げ渋り、NY市場ではISM製造業景況指数が予想ほど悪化しなかったことを好感して144円半ばから145円トライ、NY午後には145円60銭台、NY終盤には70銭台まで上昇。143円80銭の節目突破に伴う短期上値目標145円台に到達して雇用統計待ちへ。結果次第で上値トライ一服後の調整か、あるいは一段高か。多少の行き過ぎなら今年高値(158.87)から今年安値(139.89)の38.2%戻し(147.14)近辺も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/1終値とチャート
2日の国内金価格は+214円、1.31%の大幅高で4日ぶりの反発。前日の下げ幅の大半を取り戻し、16710円の節目割れに伴う短期下値目安16590円近辺へと急回復。ゆるやかに上昇する21日移動平均線(16319)にもサポートされ、4月安値(15235)から最高値(16990)の38.2%戻し(16320)手前で折り返し。16360円から16880円までが目先の主要レンジとなり、下抜けると16270円近辺までが短期下値目安に、上抜けなら17030円近辺までが短期上値目標に。
週間ベースでは-297円、1.76%安で4週ぶりの反落。2月24日からの週(-333円、2.15%)以来9週ぶり、今年2番めの大幅安。
プラチナ価格は+88円、1.83%高で4日ぶりの反発。4月3日(5005)以来、1ヵ月ぶりの高値。3日間の調整分を取り戻し、反発局面腰折れを回避しての急反発。4810円から4910円までが目先の主要レンジとなり、これをしっかり上抜けると反発局面再開、4950円辺りまでが短期上値目標に。4810円割れへと反落なら下値トライへ、4750円程度までが下値目安に。
週間ベースでは+3円、0.06%の小幅高で3週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格5/2とチャート
- 2025年5月2日(金)時点の相場
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国内金 : 16,577 円 5/2(金) ▲214(1.31%) 国内プラチナ : 4,904 円 5/2(金) ▲88(1.83%) NY金 : 3,222.2 ドル 5/1(木) ▼96.9(2.92%) NYプラチナ : 967.1 ドル 5/1(木) ▼2.3(0.24%) ドル円 : 145.35 円 5/1(木) ▲2.29(1.60%)
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