金プラチナ短期相場観

NY連銀製造業6月は予想外に低調、インフレ緩和で期待は急騰
更新日:2025年6月17日(火)
NY連銀の製造業、6月は予想外に低調。
NY連銀製造業景況指数は-16.0。市場予想の-7.0を大きく下回り、5月(-9.2)からも-6.8ポイントの急低下で続落、3ヵ月ぶりの低水準。4ヵ月連続マイナス圏推移と低調。
新規受注が-14.2と5月の7.0から急低下で3ヵ月ぶり低水準となったほか、出荷も3ヵ月ぶり低水準でマイナス圏へと急反落。受注残もマイナス圏へと急反落で半年ぶり低水準。
ただし、その一方で仕入れ価格は2年10ヵ月ぶり高水準となった5月の59.0から6月は46.8へと急低下。販売価格も5月からは小幅上昇も2年8ヵ月ぶり低水準となった4月(28.7)を2.1ポイント下回る水準で上げ渋り。
雇用者数も4.7と5ヵ月ぶりのプラス圏回復で2年半ぶりの高水準。
インフレ警戒感の緩和などから期待指数も5月の-2.0から6月は21.2へと急騰。23年7ヵ月ぶり低水準となった4月(-7.4)からは続伸でプラス圏を回復し、4ヵ月ぶりの高水準。
期待指数の前月比+23.2ポイントはコロナ禍の2020年6月(+24.5)以来、5年ぶりの急騰。
NY連銀の6月の業況としては落ち込みが目立つものの、トランプ関税の影響緩和で今後の見通しは楽観方向へ、急回復への期待と可能性を示唆。
16日のNY金は-35.5ドル、1.03%安で4日ぶりの反落。週明け時間外に3470ドル台後半まで急騰して失速、最高値となった4月22日(3509.9)以来、2ヵ月ぶり高値をつけて反落するとロンドン序盤にかけて3430ドル台まで軟調推移。イランの敵対行為緩和の動きなどから中東リスクへの警戒感後退への思惑でリスク回避の巻き戻しの流れが進行。結果的に3400ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標3480ドル近辺に到達したところで上値トライも一服、反落に転じた格好に。NY朝には原油価格の急落局面にも連れて3400ドル近辺までの一段安も、大台近辺で下げ渋るとNY午後には3420ドル台へと反発、ただNY引け後には大台維持をかけた攻防に。3400ドルの大台維持に成功し、これが目先のサポートとなれば3460ドルまでを主要レンジに高値保ち合いの様相に。3460ドル超へと抜け出すようなら最高値圏3500ドル近辺トライへ。3400ドルを維持できない場合には3340ドルが当面の下限に。
NYプラチナは+41.3ドル、3.41%の反発。時間外スタート時点の1200ドル台が安値となり、1230ドル台へと急騰後に1220ドル近辺まで反落、この水準で下げ渋るとロンドン序盤にかけて1240ドル台へと堅調推移。NY市場では1260ドル台へと一段高、高値で1270ドル付近まで上昇したところでリスク回避の巻き戻しの流れは一服。NY午後には1250ドル台、NY引け後には1240ドル近辺へと失速。1210ドルから1280ドルまでが目先の主要レンジとなって高値保ち合い形成へ、上抜けると1300ドルの大台再トライへ、下抜けると1180ドル程度までの下値切り下げへ。
ドル円は+61銭、0.42%の続伸。週末の144円10銭近辺から144円70銭台まで急騰後に144円10銭台へと失速、午後には144円半ばまで反発後に144円近辺まで反落。徐々に上値を切り下げる流れが続き、NY朝にはNY原油の急落局面に連れてドル安の流れが強まり143円60銭台まで下落。しかしこの水準で下げ渋るとNY午後には10年債利回り上昇とドル高の流れで144円80銭台へと反発。引き続き143円半ばから145円までのレンジで保ち合い継続、145円超へと抜け出すことができれば鍋底からの反発トライへ、148円近辺までを目指す流れとなる可能性も。下限割れへと反落の場合には底割れで下値トライ再開、今年安値圏140円近辺を目指す流れへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/16終値とチャート
17日の国内金価格は-201円、1.15%安で6日ぶりの反落。前日の上昇値幅の半分強を巻き戻し、リスク回避の流れも半分程度はいったん巻き戻したような格好にも。ただしイラン、イスラエル情勢は対立緩和への動きと攻撃継続の思惑なども交錯し、事態の極端な悪化もなければ早期収束も難しい状況か。この状況を反映するかのように金価格もさらに高騰が続くような勢いは失速も、巻き戻しの流れが一段と加速するような状況もまだ、といった状況か。目先、17510円超へと最高値更新なら17600円台へと一段高も、9日移動平均線(17059)から17000円辺りまでが下値サポート候補。
プラチナ価格は+31円、0.50%の反発。急騰局面一服とリスク回避の流れで調整局面形成も、やや限定的となった様子も。足下のプラチナの買いトレンドの勢いの強さを示唆している可能性も。6210円から6430円までのレンジで高値保ち合いを形成、下限を維持できなければ6150円程度までの下値切り下げへ。6430円超へと高値更新なら6470円程度までが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格6/17とチャート
- 2025年6月17日(火)時点の相場
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国内金 : 17,307 円 6/17(火) ▼201(1.15%) 国内プラチナ : 6,243 円 6/17(火) ▲31(0.50%) NY金 : 3,417.3 ドル 6/16(月) ▼35.5(1.03%) NYプラチナ : 1,253.2 ドル 6/16(月) ▲41.3(3.41%) ドル円 : 144.74 円 6/16(月) ▲0.61(0.42%)
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