金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

米GDPもADPも上振れでFRBは利下げ急がず

更新日:2025年7月31日(木)

雇用者数増減推移 NFP×ADP・3ヵ月移動平均 2025年7月7月ADP雇用と4-6月期GDP速報がいずれも予想を上回ってドル買いをサポート。この結果も踏まえ、外部からの利下げ圧力や内部の反対票にも負けず、利下げを急がない慎重姿勢となったFOMCとパウエルFRB議長会見を経てドルは一段高。これに呼応する形で金は急落。

米7月の民間雇用は予想を上回る10.4万人の増加。
2年3ヵ月ぶりのマイナス圏へと落ち込んだ6月(-2.3)からは4ヵ月ぶりの急反発となり、増加幅としては3月(+14.7)以来、4ヵ月ぶりの高水準。市場予想を上回るのも4ヵ月ぶり。
雇用増は、今年に入って純減を記録する教育・医療分野を除き、サービス分野の回復が牽引。
ADP雇用の3ヵ月平均は+3.7万人。4年10ヵ月ぶりの低水準となった6月から+1.5、8ヵ月ぶりの反発で2ヵ月ぶり高水準。
2012-2019平均+18.0万人を下回っての推移が2月以降、6ヵ月連続。
なお、雇用統計でのNFPは2012-19年平均+19.7万人を下回っての推移も2月以降、6月までで5ヵ月連続。ただし、6月時点の3ヵ月平均は+15.0万人となり、3ヵ月続伸で4ヵ月ぶり高水準と増加幅は拡大基調。
7月雇用統計でも増加幅拡大継続となるか、そして2012-19年平均に届くかどうか。あるいは、ADPと同様に2012-19平均割れが6ヵ月連続となるか。

NY金・日足+20日移動平均線 2025年7月30日30日のNY金は+28.8ドル、0.87%の続伸。12月限としては3380ドル台からスタートして小幅保ち合い、ロンドン序盤の3390ドル手前が高値となり、NY朝には7月ADP雇用の上振れ、4-6月期GDP速報の上振れを受けて3360ドル割れへと急落。NY午後には3350ドルを挟んでの保ち合いを経てNY引け後のFOMC、結果は予想通りの据え置きながら9月利下げの可能性も示唆せず。パウエルFRB議長のタカ派姿勢も下押し圧力となって安値では一時3320ドル割れ、その後は3330ドル回復トライへ。3310ドルの保ち合い下限は維持する形となって週末の雇用統計待ちへ。予想外の好結果などでドル高基調が一段と強まるようだと下押し圧力再燃、3310ドルを割れると3230ドル程度までを目安に一段安トライも。

NYプラチナ・日足+20日移動平均線 2025年7月30日NYプラチナは-44.7ドル、3.15%安で7日続落。7月7日(1373.3)以来、3週間ぶりの安値。7日続落は今年最長で2023年9月以来、1年10ヵ月ぶり。1410ドル台での小康状態で時間外を通過、ロンドン市場で1430ドル台へと上値トライも一時的となり、NY市場では金の軟調局面に追随。NY午前に1400ドルの大台を割れるとNY午後には1370ドル近辺まで下げて一服、NY引け後のFOMC後には一時1300ドルの大台割れへと急落し、自律反発では1320ドル回復トライへ。1450ドルの節目割れに伴う短期下値目安1360ドル近辺を目指す流れが急加速、目標水準オーバーランからいったんは戻りを試す展開に。

USDJPY・日足+20日移動平均線 2025年7月30日ドル円は+104銭、0.70%の反発で4月1日(149.62)以来、4ヵ月ぶりの高値。東京朝にはカムチャツカ半島沖の大規模地震により、太平洋沿岸を中心に津波警報が発令されたことで円が買われ、148円半ばから148円割れへ。安値は147円80銭近辺までにとどまり、欧州時間にかけては148円を挟んでの小幅保ち合いに。NY朝にはADP雇用とGDP速報の上振れを受けてドルが買われ、148円30銭近辺から149円台へと急騰。保ち合い水準を149円近辺からNY午後には148円後半へと若干切り下げ、FOMC結果を受けて149円30銭台へと急反発。共和党指名の理事、副議長2名の反対票があったものの、利下げに慎重姿勢を見せたパウエルFRB議長発言はタカ派姿勢とも受け止められ、NY終盤にかけては149円半ばで高止まり。148円90銭の節目上抜けに伴い、一段高トライへと向かいやすい状況となり、日銀動向と雇用統計結果で巻き戻しの流れとならなければ、短期上値目標は150円半ばまで、勢い余れば151円台へも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/30終値とチャート

31日の国内金価格は-126円、0.73%の反落で7月11日(17093)以来、3週間ぶりの安値。ゆるやかに下降する9日移動平均線(17417)の圧に押される格好となって軟調局面継続、上昇軌道を維持する21日移動平均線(17242)を3週間ぶりに下抜け。17270円の節目割れに伴う短期下値目安は17180円近辺まで。反発方向へは17360円の節目を上抜けると高値圏再トライへ、17480円辺りまでが短期上値目標に。
月間ベースでは+612円、3.68%の反発。

プラチナ価格は-336円、4.66%の大幅安で4日続落。7月10日(6831)以来、3週間ぶりの安値。4日続落は4月23日以来、3ヵ月ぶり。下落率としては今年の絶対値平均1.31%の3.56倍、今年3番めの急落。7240円の節目割れに伴う短期下値目安7120円近辺、ゆるやかな上昇軌道を維持する21日移動平均線(7121)も突き抜けての急落。4月の今年安値(4532)から7月の今年高値(7597)までの急騰に対する23.6%戻し(6874)を達成し、RSIも51.3%の中立に戻して一服感も。
月間ベースでは+74円、1.09%高とプラス圏を維持して3ヵ月続伸。
※参考:金プラチナ国内価格7/31とチャート

2025年7月31日(木)時点の相場
国内金17,230 円 7/31(木) ▼126(0.73%)
国内プラチナ6,874 円 7/31(木) ▼336(4.66%)
NY金3,352.8 ドル 7/30(水) ▲28.8(0.87%)
NYプラチナ1,374.9 ドル 7/30(水) ▼44.7(3.15%)
ドル円149.51 円 7/30(水) ▲1.04(0.70%)

7/30(水)のその他主要マーケット指標

PCEインフレも高止まり、利下げ観測も利上げ観測も後退 8/1(金)

米GDPもADPも上振れでFRBは利下げ急がず 7/31(木)

求人件数6月は予想下回るも下げ渋り、求人倍率も下げ渋り 7/30(水)

米主要地区連銀製造業、7月はダラス連銀も急回復 7/29(火)

期限迫る米関税協議は続々合意へ、関税リスクは巻き戻し 7/28(月)


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