金プラチナ短期相場観

米輸入はトランプ2.0以前、中国からの輸入は16年超ぶり低水準
更新日:2025年8月6日(水)
米貿易赤字、6月は縮小、輸入はトランプ2.0以前の水準へ。
米6月の貿易収支は-601.8億ドル。赤字幅は市場予想の-613億ドルを下回り、 前月からは16.0%縮小、2023年9月(-595.7)以来1年9ヵ月ぶりの低水準。
輸出は2773.0億ドル。前月から-0.5%、2ヵ月連続の減少で5ヵ月ぶりの低水準。
輸入は3374.8億ドル。前月から-3.7%、3ヵ月連続の減少で2024年3月(3319.0)以来、1年3ヵ月ぶりの低水準。
輸入はトランプ2次政権スタートと同時に関税を警戒して駆け込みで急増した2024年秋以前の水準以下へと減少。
前年比では輸出が+3.3%で1年10ヵ月連続プラス。輸入は-1.4%となり、2023年10月(-2.4%)以来、1年8ヵ月ぶりの前年割れ。
国別のモノの貿易では、中国からの輸入が189.5億ドルとなり、2009年2月(188.5)以来、16年4ヵ月ぶり低水準。
輸出が3ヵ月ぶり高水準へと増加したことにより、対中国の貿易赤字幅は-95.1億ドル。2004年2月(-83.4)以来、21年4カ月ぶりの低水準。
ドイツからの輸入も110.8億ドルで3年4ヵ月ぶりの低水準。赤字幅は-37.6億ドルで5年1ヵ月ぶりの小幅赤字に縮小。
貿易赤字の縮小はともかく、米国の輸出入はトランプ関税の影響により、従来のゆるやかな拡大基調が崩れた混乱期が続きます。
5日のNY金は+8.3ドル、0.24%高で3日続伸。7月22日(3443.7)以来、2週間ぶり高値圏での堅調推移。時間外には3430ドル近辺から軟調気味に推移、ロンドン・NY朝にかけては3410ドル割れへと一段安。3400ドル手前が安値となって下げ渋ると金利低下とドル安基調に連れて反発、米7月ISM非製造業景況指数が予想を下回ったことで流れは加速、高値では3440ドル台まで上昇。NY午後には3430ドル台へと戻して小康状態に。下ヒゲ陽線となって高値圏再トライに向けた流れを維持も、3450ドルの節目手前ではやや失速感も。強めの抵抗水準となりうる節目水準を突破できれば最高値更新トライへ、短期上値目標は3500ドル台後半も。
NYプラチナは-10.2ドル、0.76%安で3日ぶりの反落。アジア時間序盤には一時1350ドル超え、これが高値となって失速するとロンドン序盤には1330ドル台での保ち合いから1330ドル割れへ、NY朝には安値で一時1310ドル付近まで下落。その後はNY金の反発局面に追随し、NY午後には1330ドル近辺へ。過去の推移からもレジスタンス化が警戒される1350ドル近辺への抵抗感が増す前に早期上抜けできるかどうかが目先のポイントに。1290ドルの節目割れなら1250ドル近辺までを目安に下値トライ再開へ。
ドル円は+50銭、0.34%高で3日ぶりの反発。前日までの軟調局面の余波で東京朝には146円60銭台まで下落、7月24日(145.85)以来2週間ぶり安値をつけて切り返すと午後には147円20銭台まで反発。欧州時間には米10年債利回り上昇にも連れて147円70銭台まで上昇。147円60銭台を中心に小幅揉み合い推移となったNY朝にかけて147円80銭台の高値をつけた後、ISM非製造業景況指数の下振れを受けて147円30銭台まで急反落、しかし下値も堅くNY午後には147円半ばを回復。目先、下値サポートを147円ラインに切り上げ、これを割り込んだ場合には145円半ばを目安に下値トライへ。上方向には引き続き20日移動平均線(147.82)が攻防ラインに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/5終値とチャート
6日の国内金価格は+109円、0.63%の続伸で過去最高値となった7月23日(17683)以来、2週間ぶりの高値。上昇に転じた9日移動平均線(17368)が上昇基調の21日移動平均線(17349)割れを回避した勢いにもサポートされ、17410円の節目突破に伴う短期上値目標17500円近辺に到達。短期的には一服感も、この水準で反落へと向かった場合には6月高値(17508)と合わせて三尊天井形成の可能性を残す形に。目先のサポート17370円を維持して高値保ち合い傾向を維持できるかどうか、割れると17250円程度までを目安に一段安トライへ。
プラチナ価格は-44円、0.64%の反落。9日移動平均線(7035)が21日移動平均線(7103)をデッドクロスした圧に屈して反発局面は続かず、6820円から6880円までのレンジで小幅保ち合いを形成して耐える形に。耐え切れず、下限割れなら6730円近辺までが短期下値目安に。耐えて6880円超へと切り返すことができれば7000円の大台回復トライ、と同時に9日線上抜けトライへ。
※参考:金プラチナ国内価格8/6とチャート
- 2025年8月6日(水)時点の相場
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国内金 : 17,521 円 8/6(水) ▲109(0.63%) 国内プラチナ : 6,834 円 8/6(水) ▼44(0.64%) NY金 : 3,434.7 ドル 8/5(火) ▲8.3(0.24%) NYプラチナ : 1,330.6 ドル 8/5(火) ▼10.2(0.76%) ドル円 : 147.56 円 8/5(火) ▲0.50(0.34%)
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PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン



