金プラチナ短期相場観

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米8月ADPも下振れ、相関性高まるNFPとADPの3ヵ月平均

更新日:2025年9月5日(金)

雇用者数増減推移 NFP×ADP+3ヵ月移動平均 2025年8月今週は8月ISN製造業景況指数、7月求人件数に続き、8月ADP雇用も市場予想を下回り、週間新規失業保険申請件数も市場予想よりも悪化傾向に。ただし8月ISM非製造業景況指数が予想を上回ったことでドル売りは限定的に。

7月までの雇用統計では、改定値も含めて非農業部門雇用者数(NFP)の伸びが急減速したことが問題視され、利下げ観測と大統領の不満が急上昇。
あろうことか米労働統計局(BLS)のトップは解任。
別に委縮した訳ではないものと推測されるものの、この日発表された8月のADP雇用も低調。
前月比+6.8万人予想に対して結果は+5.4万人。7月の+10.6万人からは半減。
ADPの3ヵ月平均は+4.6万件。7月から+0.9、4年10ヵ月ぶり低水準となった6月(2.2)からは続伸で3ヵ月ぶり高水準。
しかし、2012年から2019年までの平均+18.0万人を大きく下回る水準での推移が続く状況。

ただ、3ヵ月移動平均で見た場合のNFPとADPの24カ月相関係数は、昨年6月の0.9ポイント台から今年2-3月にはマイナス圏まで急低下後、7月には0.5ポイント台まで急回復。
トレンド的にはNFPとADPの相関性は急上昇。
7月時点でNFPの3ヵ月平均は3.5まで低下し、2020年6月以来5年1ヵ月ぶりでコロナ後最低水準。
ADPに連動する形で8月は下げ渋りとなるかどうか、米労働統計局の新局長就任後初の雇用統計、緊張感も漂う週末の重要イベントの結果は如何に。

NY金・日足+20日移動平均線 2025年9月4日4日のNY金は-28.8ドル、0.79%安となって7日ぶりの反落。4日ぶりの最高値更新ストップで雇用統計前に調整。前日NY引け後の最高値から利益確定売りへ、アジア時間の3620ドル台が高値とって3570ドル台まで急落。急騰前の8月20日安値(3353.4)から最高値(3640.1)の23.6%戻し(3572.4)を達成して切り返すと3580ドル台で下げ渋り、ロンドン・NY市場にかけては3590ドル台から3600ドルの大台回復トライへ。ADP雇用下振れなどを受けたドル安局面では3610ドル台まで上昇も、ISN非製造業景況指数が予想を上回ったことで上値も限定的に。一定の調整をこなして下ヒゲを残して下げ渋り、雇用統計後にドル高の流れが強まるようだと38.2%戻し(3530.6)辺りを目指す流れにも。逆に3640ドル超へと最高値更新なら3680ドル程度までが短期上値目標に。

NYプラチナ・日足+20日移動平均線 2025年9月4日NYプラチナは-78.5ドル、5.39%の大幅安で5日ぶりの反落。8月29日(1370.5)以来、1週間ぶりの安値。下落率は今年の絶対値平均1.59%の3.39倍、今年2番めの急落。アジア時間の1440ドル台半ばが高値となって軟調推移、ロンドン序盤に1430ドルを割れるとNY朝には1400ドルの大台割れへと急落。NY市場では1370ドル台で下げ渋り、急騰前の保ち合い上限付近でサポートされた格好。1370ドルの節目突破に伴う短期上値目標1480ドル近辺に対しては3日高値1465.0ドルまでで力尽きてしまった形に。1370ドル近辺が目先のサポートとならない場合には1330ドルがサポート候補。当面の上限1460ドル超へと切り返すことができれば1500ドルの大台トライへの可能性も。

USDJPY・日足+200日移動平均線 2025年9月4日ドル円は+35銭、0.24%の反発で7月31日(150.80)以来、5週間ぶりの高値。東京朝には148円を挟んでの揉み合いとなり、147円80銭近辺の安値をつけて切り返すと午後には148円20銭台での保ち合いに。欧州時間には148円30銭台へと保ち合いレンジを微妙に切り上げ、NY市場では米8月ADP雇用結果を受けて小幅に急落も148円近辺で切り返すと148円40銭台へと反発、ISM非製造業景況指数の上振れを受けて148円後半へ、NY午後には高値で148円70銭台まで上昇。引き続き147円80銭の節目突破に伴う短期上値目標152円台を目指す流れがゆっくりと進行、ただし雇用統計次第で加速か巻き戻しか。当面のレジスタンスにもなりうる200日移動平均線(148.82)を突破できれば加速へ、底堅さを増しつつある148円近辺を割れると146円90銭の節目が目先のサポート、これを割り込むようだと流れは逆転、142円近辺を目指す流れへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/4終値とチャート

5日の国内金価格は+6円、0.03%の小反発。前日の小幅下落分だけ戻して3日の過去最高値へと戻し、高止まり。日柄調整も進まず、RSIも90%付近で高止まり。金が買われやすい地合いとドル安円高圧力も強まり難い状況を象徴するような状態に。今年の絶対値平均騰落値幅119円分さらに上昇するとは18618円、下方向へは18380円。足下の急騰局面、8月後半安値(17221)から最高値18499)の23.6%戻し(18197)近辺も調整目安に。
週間ベースでは+882円5.01%高で3週続伸。2024年4月8日からの週(+653円、5.37%)以来、1年5ヵ月ぶりの大幅高。

プラチナ価格は-190円、2.58%の大幅続落で週初の9月1日(7058)以来の安値水準へと巻き戻し。8月安値(6748)から9月高値(7386)の23.6%戻し(7235)を達成し、38.2%戻し(7142)にも急接近。7390円超へと切り返すことができれば高値圏再トライへ、7480円近辺までが短期上値目標に。
週間ベースでは+189円、2.7%高。横ばいを挟んで3週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格9/5とチャート

2025年9月5日(金)時点の相場
国内金18,499 円 9/5(金) ▲6(0.03%)
国内プラチナ7,179 円 9/5(金) ▼190(2.58%)
NY金3,606.7 ドル 9/4(木) ▼28.8(0.79%)
NYプラチナ1,376.6 ドル 9/4(木) ▼78.5(5.39%)
ドル円148.45 円 9/4(木) ▲0.35(0.24%)

9/4(木)のその他主要マーケット指標

雇用統計は8月も、8月は雇用統計も予想以上に低調 9/6(土)

米8月ADPも下振れ、相関性高まるNFPとADPの3ヵ月平均 9/5(金)

米求人件数は予想外に減少、4年超ぶりに失業者数が逆転 9/4(木)

ISM製造業景況指数は8月まで6ヵ月連続の節目50割れ 9/3(水)

ユーロ圏製造業PMI、回復基調は8月に加速 9/2(火)


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