更新日：2025年9月10日(水)
米労働統計局が発表した雇用者数の年次ベンチマーク改定の速報値は今年3月までの1年間で91.1万人の下方改定。
市場予想の-70万人程度を大幅に超える下方改定。下方改定幅としては、過去最大。
2024年4月から2025年3月までの合計値としては、現時点での発表値合計が+175.8万人。これが+84.6万人程度へ、半分以下へと下方改定されることに。
期間が異なる為、単純比較はできないものの、少なくとも2004年以降では、マイナスとなったコロナ禍の2020年、世界金融危機の2008－2009年を除けば最少。
月換算では変更前の+14.65万人から+7.05万人へと半減。もちろん、これも2004年以降でプラス圏となったなかでは最低。
雇用者数の伸びとしては、危機的な状況となっている可能性。
9日のNY金は+4.8ドル、0.13％の小幅高で3日続伸。3日連続、今年32回めの最高値更新。アジア時間に3670ドル台から3690ドル台へと水準を切り上げ、前日最高値を上回っての保ち合い推移。NY朝には米10年債利回り低下に連れて3700ドルの大台トライ、米雇用者数の年次改定暫定値が予想以上の下方改定となったタイミングでは3710ドル台半ばまで急騰。これで失速するとドル安の巻き戻しにも連れて3680ドル近辺へと急反落、NY引け後には3670ドル割れへと一段安。3640ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標3680ドル程度に到達後の一段高でようやく一服となり、巻き戻しの流れへ。上ヒゲを残しての調整の動きも、目先はインフレ指標確認なども意識され、3600ドルを下限に高値保ち合いの様相にも。
NYプラチナは-13.6ドル、0.98％の続落で8月29日（1370.5）以来、10日ぶりの安値。時間外には1390ドル近辺からの反発で1400ドルの大台回復トライ、ロンドン市場で1400ドル台半ばまで上昇。これが高値となって失速するとNY市場では1390ドル割れ、安値では一時1360ドル付近まで急落し、NY午後には1370ドル台で下げ渋り。1400ドル超では上値の重い状態が続きながら、1370ドル近辺では下値の堅さも。引き続き1330ドルから1460ドルまでのレンジ内で、1370ドルへと下限切り上げトライも継続。
ドル円は-8銭、0.49％の小反落。東京朝の147円半ばが高値となり、147円台前半での小幅保ち合い推移から、欧州時間には日銀が政治混迷でも年内利上げの可能性を排除しない、との報道を受けて円高の流れが急伸。147円30銭台から146円60銭台へと急落し、146円30銭台の安値をつけて下げ渋って反発へ。146円90銭台を回復したNY朝には雇用統計の年次改定の結果を受けて146円50銭台まで急反落。ただし一時的にとどまって切り返すと米10年債利回り上昇にも連れてドル高の流れへ、NY終盤には147円40銭台まで上昇。結果的に下へ行って来いとなり、90日移動平均線（146.22）にもサポートされる形で下ヒゲを残して下げ渋り、146円90銭の保ち合い下限も維持。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場9/9終値とチャート
10日の国内金価格は-35円、0.19％安で4日ぶりの反落。3日ぶりの最高値更新ストップ。過熱感高騰からの調整も限定的となり、RSIは96.4％と高止まり。もう一段の調整局面継続となれば、8月安値（17221）から9月最高値（18836）までの23.6％戻し（18455）辺りまでが目安にも。逆に18840円超へと最高値更新なら次の上値目安は18930円辺りまで。
プラチナ価格は-55円、0.76％の反落で9月1日（7058）以来の安値。9日移動平均線（7200）を割り込んで強気のパーフェクトオーダーが崩れ、失速感も強まる状況に。8月安値（6748）から9月高値（7386）の38.2％戻し（7142）を達成して一服、となるかどうか。半値戻し（7067）程度までで下げ渋り、21日移動平均線（7034）割れを回避できれば上値トライ再開へのチャンスをうかがう展開にも。
※参考：金プラチナ国内価格9/10とチャート
2025年9月10日(水)時点の相場
国内金：18,801 円 9/10(水) ▼35(0.19％)
国内プラチナ：7,136 円 9/10(水) ▼55(0.76％)
NY金：3,682.2 ﾄﾞﾙ 9/9(火) ▲4.8(0.13％)
NYプラチナ：1,372.1 ﾄﾞﾙ 9/9(火) ▼13.6(0.98％)
ドル円：147.43 円 9/9(火) ▼0.08(0.05％)