金プラチナ短期相場観

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FOMCは正しい方向への小さな一歩、来年は様子見から?

更新日:2025年12月11日(木)

FOMC・FF金利予想中央値の推移 2025年12月次期FRB議長への指名が有力視されるハセット米国家経済会議(NEC)委員長が「0.25%利下げなら、正しい方向への小さな一歩」と事前にけん制していた12月FOMCは、小さな一歩に。
従来から利下げに対して慎重姿勢を示唆してきたカンザスシティー連銀シュミッド総裁とシカゴ連銀グールズビー総裁が据え置きを支持し、大統領の刺客とされるミラン理事が0.50%利下げを支持して合計3票の反対票があったなか、3会合連続となる0.25%の利下げを決定。
市場予想どおり、ハセット氏の予想にも一致し、予定どおりとも言える結果発表後には、トランプ大統領も「利下げ幅は小さかった、もっと大きくできたはずだ」と不満を表明。
しかしパウエルFRB議長は会見で「政策金利は推定される中立金利のレンジ内にあり、今後の景気動向を見極めていく体制は整っている」と利下げ一時停止の可能性を示唆。さらに金融政策は「会合ごとに判断を下していく」従来通りの基本姿勢を強調。そして、現状を踏まえると「次の動きが利上げになる可能性は低い」とも。

来年以降の利下げ見通し中央値では、来年、2026年に0.25%×1回、2027年にも1回の利下げ。中央値では前回9月と全く同じ。ただし平均では2027年、28年はわずかに上昇。
さらに前回同様、FF金利予想ドットチャートにはバラつきが見られ、労働市場かインフレか、優先ポイントの見方も分かれ、FOMCメンバ内でも来年以降の利下げ見通しも積極派と慎重派とで分かれる状況に。
また、市場が予想する利下げ見通げ見通しもFOMC前も後も、来年は2回。FOMCと市場での見方も分かれる状況。
FRBの金融政策を巡っては、来年も波乱要因となりそうです。

NY金・日足+20日移動平均線 2025年12月10日10日のNY金は-11.5ドル、0.27%の反落。FOMCへの警戒感からか、時間外には4240ドル台から4220ドル近辺へと軟調推移。4220ドル台を中心に小幅保ち合い推移でロンドン・NY市場を通過するとNY引け後のFOMC結果には小幅乱高下、パウエル議長会見を経て一時4210ドル割れの安値をつけて切り返すと4260ドル台へと急反発。タカ派的な見通しを警戒しながらも、それほどでもなかった事実確認で巻き戻し、そしてさらに一段高となった格好。4210ドルから4250ドルまでの保ち合いレンジ内での乱高下から上抜けの兆しとなり、このまま4250ドル超を維持するようなら高値圏再トライへと向かう流れとなる可能性。短期上値目標は4350ドル付近まで。

NYプラチナ・日足+20日移動平均線 2025年12月10日NYプラチナは-53.3ドル、3.13%の大幅反落で11月26日(1586.2)以来、2週間ぶりの安値。時間外序盤には前日高値をわずかに上回って失速。1690ドルの節目突破に伴う短期上値目標1730ドル程度までを目指す流れは1710ドル台半ばまでにとどまって折り返し。1690ドル近辺では保ち合いとなって下げ渋るもNY市場では1650ドル近辺へと一段安、安値となった1640ドル付近で下げ渋るとNY引け後のFOMCを経て1670ドル近辺へと反発。1650ドルの節目割れに伴う短期下値目安1590ドル近辺を目指す可能性もわずかに残しながら、再度節目割れとならなければ1710ドルまでのレンジで保ち合い継続へ。1710ドル超へと抜け出した場合には今年高値更新トライへと向かう可能性も。

USDJPY・日足+20日移動平均線 2025年12月10日ドル円は-83銭、0.53%安で4日ぶりの反落。東京朝の156円90銭台が高値となり、前日高値と157円にはわずかに届かず、結果的に156円の節目突破に伴う短期上値目標157円台寸前までで上値トライを終了。午後には156円半ばへと水準を切り下げて保ち合いに、欧州時間には156円80銭台までの反発も戻り売り、NY市場では156円20銭台へと軟調推移。FOMC後には、156円60銭台までの小幅急反発を経て155円80銭近辺まで急反落。ややハト派的と受け止めた市場は米10年債利回り低下とともにドル安で反応、157円が目先の上限となり、155円までのレンジで保ち合いに。軟調局面がもう少し続き、155円の節目を割り込むようだと調整局面拡大へ、153円半ば辺りまでが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/10終値とチャート

11日の国内金価格は+14円、0.06%高で4日続伸。2日連続、今年46回めの最高値更新。相関性が高まるNY金とドル円の同時上昇後の同時反落も、その後のNY金の反発にサポートされた格好となり、23140円の節目突破に伴う短期上値目標23230円程度に到達後の一服状態に。9月以降の絶対値平均騰落値幅は237円、最近の平均的な値動きで予想される変動範囲は23000円近辺から23500円近辺まで。

プラチナ価格は-183円、1.99%安で4日ぶりの反落。最高値圏での保ち合いを上抜けての急騰から、巻き戻しとなって保ち合い圏へと回帰。NY金とNYプラチナとのFOMC後の反発の勢いの差が反映された形に。それでも9日移動平均線(9008)割れを回避して強気相場は維持、9220円超へと切り返すことができれば最高値更新と一段高トライへ、9300円台が次の上値目標に。ただし8890円の節目割れの場合には調整へ、短期下値目安は8700円近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格12/11とチャート

2025年12月11日(木)時点の相場
国内金23,252 円 12/11(木) ▲14(0.06%)
国内プラチナ9,028 円 12/11(木) ▼183(1.99%)
NY金4,224.7 ドル 12/10(水) ▼11.5(0.27%)
NYプラチナ1,647.2 ドル 12/10(水) ▼53.3(3.13%)
ドル円156.07 円 12/10(水) ▼0.83(0.53%)

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