更新日:2013年8月3日(土)
事前予想と関係指標の好結果、米経済指標全般の好調を背景に、7月分の雇用統計ではそれなりの数値を期待する向きが多く、市場の流れも先行し過ぎたキライもありました。ハードルもやや上げ過ぎ。結局期待外れの結果に市場の流れは反転、QE縮小開始はそれでも9月、という見方も残るものの、力強さに欠ける米労働市場の回復状況には金の売り圧力も弱まります。
最近、連動性が高まっていたはずのADP雇用者数と非農業部門雇用者数(NFP)の関係も、ここに来て急低下中のようです。
以前は、民間会社のADPが発表する数値への信頼性はやや低かった面もありましたが、昨年11月に精度アップを図り、過去に遡って数値訂正したことにより、NFPとの連動性も高まりました。
両者の数値の該当月から過去1年間の範囲で相関係数を求めると、2012年11月までの1年間の相関係数は0.79台。一般的に0.7以上なら相関関係が強く、-0.7以下なら逆相関関係が強いとされるこの数値では、明らかに相関関係の強さを示していました。
2012年12月までの1年間では0.838台へとさらに上昇、2013年1月も0.808、相関関係の強い状態が続きました。
ところが、今年2月以降は0.64、0.66とやや低下し、6月には0.56台、今回7月分までの1年間の数値は0.497。相関関係が強いとは言えず、相関関係にあるかないか微妙なライン、という状況です。
昨年末から年初にかけてのADPとNFPの関係は、現在のドル円と日経平均の関係と同じくらい相関関係が強かったのが、今の関係は、7月までのドル円とNYダウとの関係と同程度、という状態まで関係が薄れてしまいました。
NY市場、金相場は-0.03%の4日続落。雇用統計を前に大きく売られ、サポートラインの一つと見られた1,300ドルをあっさり割り込み、2週間ぶりの1,280ドル台まで下落。節目となる1,270ドル台手前で下げ止まっていたことが雇用統計発表後の買い戻しの勢いに繋がったようで、1,310ドル台まで30ドルの急上昇。結局前日までの状態に戻った形で終値では横這い推移。しかし、一時的には前日比2.1%下落して元の水準に戻す乱高下状態。緩和縮小・継続観測にはまだまだ敏感に反応する金市場。1,350ドル台の上値目標を維持。
この週は-10.9ドル(-0.82%)で4週間ぶりの小反落。
プラチナのこの日は都合よく金に追随。レンジ下限の1,410ドル台まで下落した後に急騰。抵抗帯となりつつあった1,450ドルラインを一週間ぶりに突破。引き続き上値目標1,470ドルを目指す展開へ。
週間ベースでは+28.7ドル(+2.02%)の反発で金とは逆行。
ドル円は0.61%の反落。金とは完全に逆の流れで雇用統計前にフライングのドル買い進行で99円90銭台へ。発表後は「ジブリの呪い」で98円台まで急落、ドル高円安方向へと好転しかけていた流れに水を差す結果に。99円60銭が上方向の節目となり、下値メド97円台前半は継続。
週間では+71銭(+0.72%)の反発。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場8/2終値とチャート
なお、株式市場の週間騰落率は、NYダウが+0.64%、独DAXが+1.97%、英FTSEは+1.42%、日経平均が+2.38%と主要国は総じて上昇。
株高、ドル高、プラチナ高、金安、円安の1週間に。
2013年8月3日(土)時点の相場
国内金:4,347 円 8/2(金) ▲4(0.09%)
国内プラチナ:4,786 円 8/2(金) ▲64(1.36%)
NY金:1,310.6 ドル 8/2(金) ▼0.4(0.03%)
NYプラチナ:1,451.5 ドル 8/2(金) ▲7.7(0.53%)
ドル円:98.92 円 8/2(金) ▼0.61(0.61%)
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