更新日:2013年9月28日(土)
そんなはずはない、と思いながらも米国10月からの新年度予算をめぐる攻防への市場の警戒感は高まります。10月中に訪れる債務上限問題の決着も含め、リスク回避傾向の流れが強まり、円高、株安の流れが優勢となりつつあります。
そんな9月末、ここまで非常に連動性の高かった金とプラチナの相場動向も、FOMCでのQE3縮小先送り決定以降、やや変化の兆しが見え始めているようです。
8月以降の騰落率推移を見ると、その特徴が現れ始めています。
9月末にかけて金相場は保ち合いからやや上昇方向へと動き出しそうな兆しもあるのに対し、プラチナは下落傾向が強まっています。この傾向はNYダウ、ドル円にも当てはまり、同じような下降線を描き始めています。米国の政治リスクが景気への不安と共に高まり、米国要因によるリスク回避の流れとなっています。このことはVIX指数の上昇にも表れ、金にとってのサポート材料となります。
上昇率で独歩高となっている日経平均は、米国要因もやや警戒しながらも、日本の要因重視で10月1日の消費増税と景気刺激策への期待が勝っている状況のようです。
それぞれの思惑で、それぞれの道を進み始めた感もある9月末、その勢いが助長されるか、反転するか、次週、その方向性が見えてくる可能性は高そうです。
なお、米国では、予算が決まらずに行政が数週間ストップしたことは、過去10数年以上遡れば、何回もあった出来事のようです。
NY市場、金相場は1.14%の反発。シカゴ連銀のエバンス総裁による、緩和縮小は12月以降との発言をきっかけに10ドルほど急騰。FRB関係者の発言に敏感に反応する状況は続き、今週は狭いレンジでの上下動を続け、週末はレンジ上限、節目の1,340ドルやや手前で月末を迎えることに。レンジ下限は1,320ドルへと切り上がり、週明けとなる月末月初にも、米議会動向などをきっかけに、金相場も方向性を指し示すことになる可能性大。
週間では+6.7ドル(+0.50%)で2週続伸。
プラチナはわずかに0.3%の反発。上昇局面での値幅も金を下回る傾向が強まり、金との価格差は75.7ドルまで縮小。安値では1,400ドルの大台割れとなる場面もあり、目標地点1,380ドルに向けての動きも。一時的にでも1,400ドルを割れたのは7月12日以来、2ヶ月半ぶり。
週間ベースでは-17.7ドル(-1.24%)となり5週続落。
ドル円はまたも98円台前半へと0.8%の反落。米債務上限問題などを懸念するリスク回避優勢の流れで99円台付近から98円10銭台までゆっくりと、しかしほぼ一方的に下落の流れ。9月に入って低下傾向が続く米10年債金利にも連動し、ドル円も下押し圧力優勢の展開。目先は9月末の米議会動向と財政問題、そして10月1日の日本の消費増税最終判断に大きく左右される展開待ち。テクニカル的には97円割れまで下落の可能性が高まる状況。
週間ベースでは-1円16銭(-1.17%)の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/27終値とチャート
2013年9月28日(土)時点の相場
国内金:4,373 円 9/27(金) ▼22(0.50%)
国内プラチナ:4,654 円 9/27(金) ▼49(1.04%)
NY金:1,339.2 ドル 9/27(金) ▲15.1(1.14%)
NYプラチナ:1,414.9 ドル 9/27(金) ▲4.2(0.30%)
ドル円:98.18 円 9/27(金) ▼0.79(0.80%)
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