更新日:2013年10月3日(木)
9月のFOMCでのテーパリング(QE縮小)先送り決定以降、その理由とされた労働市場改善の勢い低下や財政問題などの影響が、そのとおりに市場動向に反映された形となってきています。
株価と為替、金やプラチナの相場推移を見ると、その流れが顕著に表れています。騰落率の推移では、9月18日頃の乱高下以降、現在までNYダウ、ドル円、プラチナは同じような下降線で推移しています。
日経平均だけは、アベノミクスによる独自路線を歩もうかという兆しもあったものの、消費増税に伴う経済対策への期待感がやや肩透かしとなった格好で、急速にNYダウへの連動性を高めつつあります。
このリスク回避傾向の流れを助長するように米政府機関の一部が閉鎖となり、この状態が10月中旬の債務上限問題の決着まで続くのではないか、という疑心暗鬼な噂も出始めています。昨日のADP雇用の内容ももう一つで、バーナンキFRB議長の懸念が現実となりつつあるような流れです。
しかし、米国議会の紛糾も、最終的にはデフォルト回避に向けて落ち着くことでしょうし、ドル安の流れも、リスク回避傾向もいつまでも続くとも考えられません。9月の雇用統計が遅れて発表された時には、実は内容が良かった、ということもあり得なくもありません。
そんな疑心暗鬼な思惑が、金相場の乱高下に現れているようにも見えます。
NY市場、米政府機関の一部閉鎖から1日おいて、株安・円高・金上昇というリスク回避の安全資産買いの流れに。金相場は2.69%の急反発。予想を下回るADP雇用統計の結果に反応して1,300ドル台へジャンプアップ、その後も買われて1,320ドル台まで上昇。前日急落分の8割以上の値幅を回復し、これまでのレンジ下限まで一度は戻した格好。乱高下状態から、現状水準を維持できるなら流れが変わる可能性も。しかし、一度大きく下方ブレイクしたことにより現時点では下値目標1,220ドルを維持。レジスタンスラインは1,340ドル。
プラチナは0.58%の反発。1,380ドルの下落目標水準到達直後であることと、金の大幅反発に連れて少し持ち直した形。相場価格が下落傾向にありながら、RSI(14)が上昇傾向となるダイバージェンスを示しており、基本的には目先の安値を一旦はつけた可能性も。但し、金が再度売られる展開となれば、警戒水準として1,350ドル近辺も。レジスタンスは1,470ドル台。
ドル円は0.65%の続落。ゆっくりと円高方向へと軟調推移、ADP雇用の下振れに反応して一時97円10銭台まで円高進行もこの近辺では底堅さも。それでも主要通貨に対するドル売り地合いが継続中。ユーロやポンドに対しても売られる米ドルは、対円でも徐々に水準を切り下げて今や97円台前半が主戦場。もう一段のドル売りで目標水準97円割れ、96円台後半辺りまでの下落は濃厚か。レジスタンスラインは99円ちょうど。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/2終値とチャート
国内、金価格は1.8%の大幅反発。しかし昨日急落分の半値戻しにも届かず、元のレンジ下限4,300円にも達せず。一応、4,150円辺りまでの下落余地への警戒感も残るところ。
プラチナは6日続落となったものの、昨日の下値目標4,600円、第2目標4,560円同時達成+アルファの行き過ぎに伴い、ほぼ横ばい推移。売られ過ぎ圏にもあり、一服感が出始めても良い頃。
※参考:金プラチナ国内価格10/3とチャート
2013年10月3日(木)時点の相場
国内金:4,280 円 10/3(木) ▲77(1.83%)
国内プラチナ:4,531 円 10/3(木) ▼1(0.02%)
NY金:1,320.7 ドル 10/2(水) ▲34.6(2.69%)
NYプラチナ:1,393.4 ドル 10/2(水) ▲8.1(0.58%)
ドル円:97.36 円 10/2(水) ▼0.64(0.65%)
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