更新日:2013年10月4日(金)
政府機関の一部閉鎖が続くなか、債務上限引き上げへのリミットと見られる10月中旬に向けて、議会がまとまらず紛糾が続くことを懸念する米財務省は議会を牽制。債務上限引き上げに失敗した場合、デフォルトによって金融市場が混乱し、株価急落、ドル急落、金利上昇の悪影響が世界へ波及し、2008年のリーマンショックを超えるリセッションの恐れも、と警告しています。
2011年夏にも、債務上限引き上げを巡る混乱がありました。
その時は、期限ギリギリの8月2日に債務上限法案が可決。その後、5日には米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債を最上級の「AAA」から「AA+」へと格下げ。これが市場の混乱に拍車をかけた格好となり、株価の下落、円高進行のリスク回避傾向が進み、当時ドル円レートは70円台後半、4日には日本の政府・日銀は円売りドル買い介入に踏み切りました。
この時、金相場は1,600ドル台後半から1,700ドル台へと史上最高値を更新、そして1,800ドル、1,900ドルへと金バブルへとつながりました。
これまで何度も債務上限を引き上げてきた米国では、時折、2011年や今回のように、問題となる場合があります。最近ではチキンレースと揶揄されるケースも多いようですが、今回の債務上限協議に対し、S&Pは格付けへの影響は少ないという見解を9月末に示しています。行き詰まりが短期的なものなら、ソブリン格付けの変更はない、としています。
但し、政府が債務を返済できない状態となれば「SD(選択的デフォルト)」に引き下げる、ともしています。
米財務省の懸命の警告が、効果を発揮すれば良いですが。
NY市場、金相場は0.23%の小反落。好調維持となった新規失業保険申請件数の発表後に1,302ドルまで下げて反発、ISM非製造業景況指数が市場予想を下回った後には1,320ドル台まで上昇。シャットダウン継続に雇用統計発表見送り、とリスク回避的要素とテーパリング先送り連想により、金相場にとってのサポート地合いが続きます。しかし、短期的には直近サポートラインの1,320ドルが抵抗線となりつつあるようにも。下値目標1,220ドルまでのリスクはまだ継続。
プラチナは1.44%の反落。金の反発局面について行けずに軟調推移、リスク回避傾向はプラチナ相場の重しに。1.400ドル手前から1,360ドル台まで、直近目標値1,380ドル近辺を中心にやや乱高下気味。1,380ドル割れ後の下値警戒水準とした1,350ドルも視野に入る展開に。
ドル円は0.11%の3日続落。ISM非製造業景況指数の下振れをきっかけにドル売りが進むと一時96円90銭台へと目標水準に到達。
ドル売り地合いが強まる傾向にあるものの、今のところは97円ちょうど付近の底堅さも相変わらずで、97円台前半での推移が継続中。もう一度しっかりと97円台を割れる可能性も十分に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/3終値とチャート
国内、金価格は0.4%の小幅続伸。現在の水準は、直前のサポートライン4,300円、一度抜けたサポートラインはレジスタンスラインへと変わることもしばしば。ここを上抜けて以前の水準へと戻るなら、流れは改善傾向へ。4,150円付近までの下落リスクは継続中。
この1週間では-74円(-1.69%)と2週続落。
プラチナは0.7%下げて7日続落。NY市場とドル円の方向性が一致してしまったことで、9月10日から18日までの6日続落を超え、今年最長となる続落。目先、売られ過ぎからの反発の可能性は大。しかし足元では金への連動よりもリスク回避の流れに反応して売られやすい傾向に。
週間ベースでは-156円(-3.35%)の大幅続落。
※参考:金プラチナ国内価格10/4とチャート
2013年10月4日(金)時点の相場
国内金:4,299 円 10/4(金) ▲19(0.44%)
国内プラチナ:4,498 円 10/4(金) ▼33(0.73%)
NY金:1,317.6 ドル 10/3(木) ▼3.1(0.23%)
NYプラチナ:1,373.3 ドル 10/3(木) ▼20.1(1.44%)
ドル円:97.25 円 10/3(木) ▼0.11(0.11%)
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