更新日:2014年3月22日(土)
ウクライナ情勢を巡る警戒感は、やや落ち着き始めた様子もある反面、米国によるロシアへの経済制裁措置に対してロシア側からも報復措置が発動され、制裁合戦の様相も見せ始めています。今年第1四半期のここまで、市場の警戒感や不安感がどのように推移してきたのか、VIX指数の推移で振り返ります。
VIX指数は、年明け1月10日には今年安値となる12.14まで低下し、平穏無事な年明けを迎えていました。
これが1月24日には17.88へと跳ね上がります。前日のアルゼンチンペソ急落に伴う新興国リスクへの懸念が急速に高まりました。
新興国懸念がくすぶり続けるなか、2月1日、VIX指数は21.44へとさらに急騰、昨年高値20.49を上回り、今年高値となる21.44を記録。
きっかけは米1月のISM製造業景気指数の大幅な低下でした。米経済の失速懸念が台頭することになります。
その後は2月中旬にかけてVIX指数は13台まで低下。市場に落ち着きが戻り始めた後、2月19日には15.5へと上昇。
中国HSBC製造業PMIの2ヶ月連続の下振れなど、中国の景気減速への懸念が高まります。
ウクライナの首都キエフで3ヶ月以上続いていた反政府デモが23日に収束すると、25日には13.67へとVIX指数も低下。しかし、これが新たなウクライナ情勢不安の始まりであったことに、市場はすぐに気がつくことになりました。
ウクライナ南部のクリミア半島へのロシア軍の介入により、3月3日には16へと急反発。その後VIX指数はいったん14台前半へと低下するも、14日には17.82へと再び急騰。
16日に控えたクリミアの住民投票への警戒感の高まりが市場の不安感を煽りました。
そした今週は、ロシアによるクリミア併合への動きが続くなか、VIX指数は落ち着き始めた様子も見えるものの、14台後半から15付近。
年初の12台から比較すると、水準を切り上げ、高止まりの状態。まだまだウクライナ情勢への不透明感、警戒感がくすぶる状況が続いていることを示します。
もちろん、過去の危機的な状況とはレベルは違いますが。
NY市場、金相場は5日ぶりに0.41%の小反発。米国の利上げ前倒し懸念による急落も今後の動向への慎重姿勢と、継続するウクライナ情勢懸念なども背景にいったん下げ止まり。しかし、3月前半のサポートラインとなっていた1,330ドル台近辺での推移が続き、安値では3日連続1,320ドル台の節目割れを試す展開となっており、依然1,300ドル前後までの下方リスクを抱える状態。
週間ベースでは-43ドル(-3.12%)の大幅安となり、3週間ぶりの反落。
プラチナ相場もわずかに0.08%上昇で6日ぶりの下げ止まり。南アの一部労組が賃金交渉成立でスト解除も、大手3社は依然スト継続中とのことで警戒感も継続。しかし今年高値からの短期下落トレンドも継続中。下値目標水準は1,400ドル近辺。
週間では-33.6ドル(-2.29%)で2週続落。
ドル円は0.19%の反落。102円台前半での小動きが継続。米経済指標の発表もなく材料難のなか、米株の軟調推移と反発し切れない米10年債利回りや日米金利差動向に影響されるように上値が押さえられる状況。101円30銭台から103円30銭台のレンジ内で方向感を見極める状況に。
週間では+0.83円(+0.82%)の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/21終値とチャート
2014年3月22日(土)時点の相場
国内金:4,563 円 3/20(木) ▼51(1.11%)
国内プラチナ:4,940 円 3/20(木) ▲3(0.06%)
NY金:1,336.0 ドル 3/21(金) ▲5.5(0.41%)
NYプラチナ:1,436.0 ドル 3/21(金) ▲1.2(0.08%)
ドル円:102.19 円 3/21(金) ▼0.19(0.19%)
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