更新日:2014年4月15日(火)
ウクライナをめぐる情勢不安懸念がとまりません。東部のドネツクなどで政府庁舎を占拠した親ロシア派勢力に対して「大規模な対テロ作戦を実施する」と表明したウクライナ政府のその後の動向も今のところは伝わらず、不透明感漂う状況に。
ロシア側が裏で関与しているとしてウクライナへの介入を非難する米国と、これを否定するロシア側との対立の構図だけが鮮明に。
経済的な結びつきも強いEUとロシアの関係もあり、強気になりきれない米国のジレンマに対して、これを見透かしたプーチン大統領の老練さとしたたかさが垣間見えるようです。
それでも、歴史的背景もロシア系住民の比率も別格のクリミアとは違い、ロシア系住民の比率も低いウクライナ東部をも併合しようとまでプーチン大統領が考えているとも思えません。しかし、5月25日に予定されるウクライナ大統領選挙が無事行われるのかどうか、さらにその後のウクライナ動向にも不透明感が漂います。
ロシアへの経済制裁懸念の高まりにより、商品市況も高騰しています。世界第2位のプラチナ産出国でもあり、世界有数の金の産出国でもあるロシアをとりまく懸念も、金やプラチナ相場を押し上げる要因の一つとなっています。
そして、ウクライナを巡る情勢不安は、武力衝突などの極端な事態の悪化は想定されず、しかし解決の糸口も見いだせず、不安定な状況が長期化しそうな様相に。不謹慎ながら、そんな中途半端な不安感や不透明感が適度なリスク感を醸成し、金相場にとっての適度なサポート材料となり、今のところ急騰も急落もしない程良い状況、ゴルディロックス状態となっているようです。
NY市場、金相場は0.64%の反発。高値では3月24日以来3週間ぶりの1,330ドル台にタッチ。しかし今週の最重要ポイントとなる1,335ドルにはまだ及ばず。綺麗な上昇トレンドを描き始めて3週めに突入したものの、大陰線となった3週間前の始値1,335ドルを今週終値で上回ることができなければ週足の下げ三法で反落の可能性が高まることに。3月後半の下落幅の半値戻しラインとも重なる1,335ドルをしっかりと超えことができれば、もう一段の上値余地拡大へ。
プラチナ相場は0.33%の小幅上昇で3営業日続伸。3月17日以来、約1ヶ月ぶりの高値水準に到達。9日移動平均線は3月の下落局面でも90日移動平均線を下抜けることなく切り返し、21日移動平均線をゴールデンクロス。地合いの強さを感じさせる状況で上値目標水準1,510ドル近辺を目指す展開へ。
ドル円は0.17%の小幅続伸。この日の安値は朝方の101円40銭台。3日連続で101円台前半での防戦買いに敗れてジリジリと円安方向へ。米3月の小売売上高の好結果には102円台まで上昇。しかしこの102円ちょうど付近が軽めの抵抗線でもあり、上値を押さえられやすいところ。依然、流れは円高方向で100円80銭近辺が目標水準。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/14終値とチャート
国内金価格は0.3%の小幅続伸。4,620円台の節目を明確に上抜けて上方視界は良好。上値目標水準4,730円近辺を目指す展開。サポートラインは4,580円。4,608円まで上昇してきた9日移動平均線もサポートラインに。
プラチナは0.28%の小幅上昇で2日続伸。5,100円前後の長期レジスタンス水準に到達していることで徐々に減速感も。4月7日につけた今年高値5,116円を上抜けると上値目標水準5,180円近辺も目前に。
※参考:金プラチナ国内価格4/15とチャート
2014年4月15日(火)時点の相場
国内金:4,641 円 4/15(火) ▲14(0.30%)
国内プラチナ:5,103 円 4/15(火) ▲14(0.28%)
NY金:1,327.5 ドル 4/14(月) ▲8.5(0.64%)
NYプラチナ:1,467.4 ドル 4/14(月) ▲4.8(0.33%)
ドル円:101.84 円 4/14(月) ▲0.17(0.17%)
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