更新日:2014年5月22日(木)
ジョンソン・マッセイから20日に発表されたプラチナ需給レポートによると、2014年の南アフリカのプラチナ産出量は123トンと見込まれます。2013年の130.9トンからは7.9トン(6%)の減少。長引く鉱山ストによる減産の影響が見込まれています。
それでも世界シェア71.1%を占める南アフリカとロシアの23.5トン、シェア13.6%を合わせると84.7%。
ロシアの減少傾向はそれほどでもありませんが、ウクライナ情勢悪化に伴う経済制裁のエスカレートによる影響も懸念されるところです。
世界全体のプラチナ供給量は、2011年の201.7トンから2012年には176.3トンへと減少し、2013年には181.3トンへと少し持ち直し、2014年には再び173トンまで減少見込み。
これに対して需要は2011年の251.8トン、2012年250.2トンから2013年の272.9トンへと増加し、2014年には279.2トンとさらに増加が見込まれます。
この差分を毎年60トンほどのリサイクルで穴埋めする形ですが、2012年以降はリサイクルを含めても供給不足の状態が続き、2014年には景気回復を背景に増加する自動車触媒需要とコンスタントに増加する宝飾品需要によって、投資需要の減少分を補う形でさらに増加。
供給不足を在庫分で補う状態が続いている現状では、それでなくとも減産傾向の南アフリカでの鉱山ストが収束したとしても、供給不足の状態から脱することは、簡単ではなさそうです。
21日のNY市場、金相場は0.5%安で3日ぶりの反落。4月末のFOMC議事要旨では出口戦略に向けての議論がスタートしていることが分かり、1,282ドルまで下落。しかし当面の低金利継続への思惑に影響を与えるものではなく、今朝にかけては1,290ドル台へと切り返す展開。1,280ドルのサポートラインでの底堅さは相変わらず。
プラチナ相場は0.41%の反発。高値では今年最高値圏となる1,480ドル台を試すものの、この水準ではここ数日間上値を押さえられる展開が継続、徐々に抵抗線を形成しつつあるようにも。逆に安値では1,460ドル台で切り返す日々が続き、サポートラインを形成中。1,530ドル近辺の上値目標を目指す上昇トレンド継続も、まずは1,480ドル台後半の今年高値上抜けが目先の関門に。
ドル円は0.03%高でわずかながらも6日ぶりの反発。黒田日銀総裁の会見と同時に仕掛け的な売りが強まったようで、一気に101円台を割れて目標水準の100円90銭近辺に到達。結局100円80銭台で下げ止まって反発すると米長期金利上昇に伴って101円台半ばまで持ち直す展開。このまま米10年債利回りの反発とともに円高局面脱出へと向かうという流れも想定し難い状況。102円台前半の節目を超えるようなら大きく流れが変わる可能性も、しばらくは100円台への再トライリスクも継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/21終値とチャート
国内金価格は0.18%下げて5日続落。じわじわと下げる展開が続き、下方バイアスが強まる状況でレンジ下限の4,500円も目前。右肩上がりの90日移動平均線もちょうど4,500円に位置し、この近辺で下げ止まるかどうか。NY金もサポートライン付近に位置し、ドル円の急反発があまり見込めない状況なだけに同時にサポートラインを下抜けるようなことがあると大幅下落の可能性も。
プラチナは0.31%反発。勢いはそれほど強くはないものの、しっかりとした上昇トレンドを形成中。まずは1週間前につけた今年高値5,148円がポイント。高値更新できれば目標水準となっていた5,160円到達もすぐ。
※参考:金プラチナ国内価格5/22とチャート
2014年5月22日(木)時点の相場
国内金:4,508 円 5/22(木) ▼8(0.18%)
国内プラチナ:5,118 円 5/22(木) ▲16(0.31%)
NY金:1,288.1 ドル 5/21(水) ▼6.5(0.50%)
NYプラチナ:1,474.9 ドル 5/21(水) ▲6.0(0.41%)
ドル円:101.36 円 5/21(水) ▲0.03(0.03%)
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