更新日:2014年5月27日(火)
ブラジルがBRICsとして世界経済を牽引する新興国の一角としてもてはやされた時代に開催が決定していた、サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会がいよいよ来月開催されます。昨年にはフラジャイル・ファイブの一角という不名誉な称号を与えられ、ブラジル経済復活が急務となっている現在、W杯の成功はそのきっかけとしても重要イベントとして位置付けられます。
各地でW杯開催反対デモが行われ、インフラ整備の遅れも目立ち、開催都市での治安問題なども不安視されるなか、世界一のサッカー超大国としてのプライドをかけても、大会の成功と地元開催での優勝という絶対的使命が、ブラジル経済とルセフ政権、セレソン(ブラジル代表)に強烈なプレッシャーとなります。
日本代表のベースキャンプ地の宿舎が未完成とのことも懸念材料ですが、1994年米国大会優勝時のブラジル代表エースで現在国会議員のロマーリオ氏が、ブラジルW杯抗議運動を推進する側に回っていることも驚きです。
空港や交通機関など大規模投資プロジェクトの多くが完成していないことも影響し、W杯によるブラジル経済への押し上げ効果は非常に限定的という見方も多いようです。
ブラジル中銀の見通しでは、今年の成長率見通しは1.7%。4年前の7.5%から大きく縮小している今、インフレだけは進み、4月には政策金利は11%まで引き上げられました。この1年間では3.5ポイントも引き上げられています。その結果、家賃が数年前の2倍にも高騰し、家を追われてテント暮らしをするホームレスの住民も増え続けているのだそう。
ルセフ政権の支持率も低下の一途で、10月の大統領選挙に向けても黄色信号。
ブラジルの格付けも最近は引き下げ傾向にあり、主要3社のうち2社が投資適格水準の最低ランク。まさに瀬戸際の状態で迎える今回のW杯。
もし、ブラジル代表が優勝を逃すようなことにでもなれば、ルセフ政権にとっても、ブラジル経済にとっても大打撃は必至の状況です。
ドル円は0.01%の小幅安で4日ぶりの反落。英バンクホリデー、米メモリアルデーでロンドン、NY市場が休場だったこともあり、上下20銭ほどの小動きに終始。5月15日以来の高値水準となる102円05銭まで上昇する場面もあったものの、材料不足と101円割れからの反発上昇が3日続いていたことによる息切れ、さらには102円30銭近辺のレンジ上限手前での抵抗感による一服。101円30銭のレンジ下限との間で保ち合い相場を形成し、方向感を探る状態に。
国内金価格は前日から変わらず。NY休場で電子取引でも横ばい、ドル円も横ばい推移とあっては動きようなし。4,500-4,580円のレンジ内推移で方向感はニュートラル。上下どちらでも動き出し可能な状況。
プラチナは0.14%の小幅反発。先週末に到達した目標水準5,160円近辺での一服感。上昇トレンドは維持しているものの、次の目標水準5,250円近辺を目指すためには再び今年高値水準を上抜ける必要。上抜けできない状態が長く続く場合には反落の可能性が徐々に高まることに。サポートライン5,090円台を下抜けた場合には短期トレンド転換の可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格5/27とチャート
2014年5月27日(火)時点の相場
国内金:4,538 円 5/27(火) +-0(0.00%)
国内プラチナ:5,161 円 5/27(火) ▲7(0.14%)
NY金:1,291.7 ドル 5/23(金) ▼3.3(0.25%)
NYプラチナ:1,472.8 ドル 5/23(金) ▼20.3(1.36%)
ドル円:101.93 円 5/23(金) ▼0.01(0.01%)
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