更新日:2014年8月23日(土)
イエレンFRB議長のジャクソンホール講演では、市場予想に比べてハト派寄りの度合いはやや低く、従来の慎重姿勢一辺倒からの脱却姿勢も見られました。
雇用は増加中ながらも労働市場は完全に回復したわけではなく、依然として「LABOR SLACK(労働市場のたるみ)」が見られる状況。しかし、雇用増の度合いを気にしていた時期は過ぎ去り、FOMCの関心は次のステップとも言える「LABOR SLACK(労働市場のたるみ)」の度合いを測る段階へと進行している。そして、FRBの2大責務である雇用とインフレは確実に目標に近づいていると言える状況。
しかしながら、「LABOR SLACK(労働市場のたるみ)」の度合いを測るのは非常に困難。研究によれば、リセッション以降の労働市場は、以前とは状況が変わってきており、LABOR SLACK(労働市場のたるみ)の一部は構造的、あるいは循環的なものであるとも考えられる。
・・・要は、利上げに向けて進んではいるけど、労働市場の細部を分析すると、利上げに耐えられない部分が見られるから、この状況の見極めをしようとしてるの。でもね、これって、歴史的に見ても以前の状況とは随分違うから、判断が難しいのよ。
という内容と解釈します。
イエレン・ダッシュボードの内容や、賃金上昇率も改善し、全ての数値がリセッション前の状態に回復すれば全く問題はないけれど、そこまで至らなくても、妥協点を見つけて利上げに踏み切る覚悟はできている。その部分の調整と見極めにもう少し時間が必要、ということでしょう。
少なくとも、今後のFOMCでは毎回、タカ派寄りの意見が拡大していくことになりそうです。
22日のNY市場、金相場は0.38%の小幅高となり6日ぶりの反発。イエレン議長の講演前から戻り基調で前日下抜けた1,280-1,320ドルのレンジ内下限付近に戻す流れから、講演開始後の乱高下を経て1,270ドル台前半まで下げた後には再び元の水準へと切り返す展開。ロシア・ウクライナ情勢懸念が下値を支えた可能性も。再び1,280ドル台に値を戻したことで、レンジ内推移へと回帰する可能性を残しながらも、流れは下方向へと傾斜中。下方向への目標水準は1,250ドル近辺。
週間ベースでは-26ドル(-1.99%)の続落。
プラチナ相場は0.06%の小幅安で今年最長を更新する8日続落。コンスタントに小幅下落が続いた流れから、やや減速感も漂い始めた様子。流れが変わった訳ではないので、下値警戒水準1,400ドル近辺まで値を下げる可能性も。
週間ベースでは-38.7ドル(-2.66%)の続落。
ドル円はわずかに0.03%の小幅上昇で5日続伸。ロシアから150台以上の支援物資トラックが無許可でウクライナ国境超え、との報道を受けて一時103円50銭まで円高進行、その後103円80銭近辺まで戻してイエレン議長の講演が始まると4月4日以来となる104円台へと上値を伸ばし、1月23日以来7カ月ぶりの高値水準となる104円18銭まで急騰。しかしイエレン議長の講演終了とともに下落基調となり、前日終値水準へと収束。104円60銭近辺の上値目標を目指す流れ継続。
週間ベースでは+1.54円(+1.5%)の大幅続伸。昨年7月1日からの週(+2.02%)以来の上昇率。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/22終値とチャート
2014年8月23日(土)時点の相場
国内金:4,578 円 8/22(金) ▼29(0.63%)
国内プラチナ:5,083 円 8/22(金) ▼1(0.02%)
NY金:1,280.2 ドル 8/22(金) ▲4.8(0.38%)
NYプラチナ:1,418.5 ドル 8/22(金) ▼0.8(0.06%)
ドル円:103.88 円 8/22(金) ▲0.03(0.03%)
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