更新日:2014年8月25日(月)
最近、国内プラチナ価格は下落傾向、為替はドル高円安傾向が強まっていますが、円安になると国内プラチナ価格は下落するのでしょうか?
通常、NY市場のプラチナ相場が一定の時、為替が円安方向へ動けば国内プラチナ価格は上昇します。逆に円高方向へと動いた場合、プラチナ価格は下落します。
現状では、為替が1円の円安なら、国内プラチナ価格は46円上昇し、円高方向に1円動くと国内プラチナ価格は46円下落します。※変動幅は日々変わります。
では、なぜ今、円安進行にもかかわらず国内プラチナ価格は下落しているのか?
NY市場のプラチナ相場が大きく下落しているからです。現状、為替相場が一定なら、NYプラチナ相場が10ドル変動すると、国内プラチナ価格は33円変動する計算になります。
この夏、ウクライナ情勢を巡るロシアと欧州との経済制裁合戦の影響などもあり、欧州経済の停滞懸念が高まっています。ディーゼル車の主要市場である欧州経済の停滞は、自動車触媒需要減少懸念となってプラチナ相場の押し下げ要因になります。これに対して米国経済の好調さと、近い将来の米ドル金利引き上げ観測に伴い、為替はドル高円安方向へと動き始めています。
この結果、ドル円相場とNYプラチナ相場の方向性は逆向きとなり、両者の関係性は強い逆相関関係を示し始めています。
しかし、ドル円が7月安値101.17円から現在の104円台前半まで約3円の円安に対して、プラチナ相場は7月高値1,517ドルから現在の1,420ドル近辺まで約100ドルの下落。
1円の円安で46円上昇する計算の国内プラチナ価格は3円分なので138円の上昇。しかし、NYプラチナが10ドル下がれば国内プラチナ価格は33円下落するので100ドルでは330円の下落。
両方合わせると、138円上昇して330円の下落、相殺して約200円の下落。この結果が現在のドル円と国内プラチナ価格の関係性に反映されています。両者の関係は、緩やかな逆相関関係となっています。
もっとも、この関係性が今後も当分続くとは限りません。NYプラチナ相場は、足元ではいったん下げ止まりやすい局面にもあり、もう少し下落する可能性は残るものの、下げ止まり易い水準も続きます。欧州経済の停滞も、いつまでも続くとは限りません。ECBの量的緩和導入などの緩和政策による景気支援も予想されます。
一方、為替動向としては、円高方向よりは円安方向へと進む可能性が高まり、その期間も日米の金融政策の方向性が逆方向である限り、しばらく続く公算が高まります。
近い将来、円安になると国内プラチナ価格が上昇する、時期が訪れる可能性が高まります。
25日の国内金価格は0.22%の反発。前週末に下抜けた重要な節目4,580円台を回復し、短期下落トレンド開始への動きはダマシに終わる可能性も。しかし、今後の動き次第、現状では4,520円台を下値目標水準として下方向への圧力がやや高まった状態が継続。
プラチナは+13円、0.26%の上昇で、7営業日ぶりの反発。週明けのドル円相場が前週末比30銭、円安方向に窓を開けてスタートしたことでようやく下げ止まった格好。もし、ドル円が前週末比変わらずで103円90銭付近だったと仮定すると、46円*0.3=13.8円、プラチナ価格は前週末からほぼ変わらずの状態だったことに。ほぼ下げ止まりの状態で、下値余地はせいぜい5,070円程度まで、現場の水準近辺でいったん揉み合い傾向となって新たな短期トレンド模索へ。
※参考:金プラチナ国内価格8/25とチャート
2014年8月25日(月)時点の相場
国内金:4,588 円 8/25(月) ▲10(0.22%)
国内プラチナ:5,096 円 8/25(月) ▲13(0.26%)
NY金:1,280.2 ドル 8/22(金) ▲4.8(0.38%)
NYプラチナ:1,418.5 ドル 8/22(金) ▼0.8(0.06%)
ドル円:103.88 円 8/22(金) ▲0.03(0.03%)
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