更新日:2014年9月20日(土)
ドル高円安の流れが急速に進み、ドル円は2008年8月28日以来6年1カ月ぶりの高値水準へ。円安加速に再びサポートされて上昇基調を強める日経平均も、ようやく年初来高値を更新。昨年末高値も超えて2007年以来の高値水準へ。これで円安株高水準は完全にリーマンショック前の水準を回復した形です。
しかし、日経平均をドルベースで見ると、まだまだ高値更新とはいきません。この週末時点での日経平均の終値は16,321.17円ですが、ドルベースでは149.75ドル。昨年末の154.95ドルはおろか、7月末の152.95ドルにも及ばない状況。8月以降の日経平均は、円ベースでは上昇傾向を強めているものの、ドルベースではむしろ下降気味。足元での円ベース日経平均急騰の理由は、円安効果というよりも、円安の結果、と言えます。
アベノミクス相場の高値を更新したことで、安倍トレード再開、第2幕などとも言われますが、6割以上とも言われる海外勢の買い意欲が高まらない限りは、日経平均のさらなる上昇は見込めそうにありません。物価上昇に追随しきれない賃金の低迷により、実質賃金低下、その結果消費は低迷し、円安否定論も噴出するような悪い流れからの脱却が求められます。不透明感漂う地方創生戦略への疑心暗鬼も高まります。
逆に言えば、この悪い流れをある程度払拭できれば、日本株買いの流れももう少し進むのかもしれません。ただし、日本買いが進み過ぎると為替の円安の流れが減速することにもつながりかねない為、そのバランスが重要ですが。
とりあえず表面的には、円安株高水準がリーマン前の水準に回復したことにより、日本の実体経済がリーマン前の水準に戻るかどうか、が今後の焦点の一つとなっていきます。
19日のNY市場、金相場は0.84%安となり3日続落。終値ベースでの年初来安値を更新し、昨年12月31日以来8カ月半ぶりの安値水準に。1,220ドル近辺での推移からNY時間には、軟調推移していたドルの持ち直しに伴い1,210ドル台半ばへと水準を切り下げ。1,200ドル前後の目標水準へと向かう流れが継続。レジスタンスラインは1,240ドル。
週間ベースでは-14.9ドル(-1.21%)、3週続落。
プラチナ相場は0.9%の大幅安で3日続落。金相場への連動推移状態が継続し、オーバーヒート状態にもかかわらず連日の年初来安値更新。ドル高円安の流れ一服→金の下落基調減速→プラチナの下げ止まり、の構図待ち状態。ようやくそのタイミングか。昨年12月19日終値1,318.4ドル近辺が下値警戒水準。
週間ベースでは-33.2ドル(-2.42%)で3週続落。
ドル円は0.28%高となり3日続伸。スコットランドの独立否決後は材料出尽くし感からの軟調推移。結局、朝方につけた109円45銭がこの日の高値となり、上値目標水準109円台半ば到達と同時に利益確定売りに伴う調整基調。108円60銭まで下げると再びドル買い意欲が強まり持ち直し。ここまでの年間値幅が8.7円となり過去10年での最低水準9.92円(平均は16円)に急速に近づいたこと、過熱感高騰状態が継続していること、短期目標水準に到達したことにより、調整局面入りの可能性が高まる状況。ただし、その先には2008年8月高値110円60銭台が意識される展開も。
週間ベースでは+1.61円(+1.5%)、8月11日の週から6週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/19終値とチャート
2014年9月20日(土)時点の相場
国内金:4,584 円 9/19(金) ▲22(0.48%)
国内プラチナ:5,040 円 9/19(金) ▲3(0.06%)
NY金:1,216.6 ドル 9/19(金) ▼10.3(0.84%)
NYプラチナ:1,337.3 ドル 9/19(金) ▼12.2(0.90%)
ドル円:108.99 円 9/19(金) ▲0.30(0.28%)
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