更新日:2014年9月22日(月)
6年ぶりの円安水準に到達したことで、あちこちの新聞紙上、テレビ報道などでもドル円相場の水準が取り上げられています。一般のニュース、マスコミでも騒がれ始めたことにより、円安ドル高の流れはいったんクライマックスを迎える可能性が高まります。
1週間前、長期チャートから見たドル円相場の上値メドを考察した際、「年末にかけて110円近辺」の可能性を想定しましたが、その4日後に109円台半ばまで上昇。長期的な上値抵抗線にもぶつかる110円近辺に早くも到達してしまったことが、2つめの理由。
さらに、9月に入って急激に値幅が拡大したことも、3つめの理由になりそうです。
1カ月で7円もの円安が進行したドル円の9月の値幅は5.36円。前月末比での変動率は5.15%へと跳ね上がっています。2012年から今年8月までの平均変動率3.92%を大きく上回りました。過去には変動率が6%を超えるような時期もありましたが、長続きはせず、4%付近にむけて収束しやすくなります。ちなみに今月高値をさらに更新し、110円40銭辺りまで円安が進行した場合、月間変動率は6%を超えます。
長期的に見た場合には、日米の金融政策の違いなどによるドル高円安地合いはまだしばらく続くものと見ますが、足元の急速な円安の流れは、いったん小康状態となる可能性が高いのではないか、と予想します。
これに対し、史上最高値更新が続く米株の流れは、というと2012年以降の平均変動率4.81%に対して、9月は2.42%。NYダウの高値更新の勢いが減速してきていることを示している可能性がありそうです。
ドル円と同様に変動率が上昇している金相場は、2012年以降の平均7.6%に対して9月は5.96%。方向性はドル円とは逆で下落傾向を強めていますが、長期的に見ると2013年春の暴落以降、変動率は縮小傾向にあります。金相場の流れは、ある程度落ち着き始めているのではないか、と見ることもできそうです。
プラチナは、2012年以降の平均8.89%に対して9月は6.75%。平均的に金を上回る変動率のプラチナは、今年に限って金よりも低い変動率での推移が続きましたが、8月以降、ようやく金を上回っています。しかし、長期トレンドとしては金と同様に縮小傾向を示し、このトレンドが続くなら、値幅は縮小方向へ、つまり、いったん下げ止まる可能性が高まることになりそうです。
22日の国内金価格は4営業日ぶりに0.37%の反落。円安一服により反発の流れも続かず、4,500円前後までの下値余地が意識される、ゆるやかな下落トレンドも継続。徐々に上値を切り下げる流れが続くものの、下値は一方的に下落している訳でもなく、少し長めのスパンで見れば、むしろ下値も切り上がる状況。1週間ほど前の安値4,549円、水平状態の90日移動平均4,555円付近までで下値が支えられるようなら、レンジ縮小傾向を強め、その後のレンジブレイクで大きく動き出す可能性も。もちろん、上方向への反発とは限らないが・・・。
プラチナも4営業日ぶりの反落で0.81%安。5月12日以来4カ月ぶりの5,000円台割れとなり、目標水準4,990円台に到達。下方バイアスが再び強まってきた感もあり、目標水準到達に伴う一服となる可能性よりも、若干の行き過ぎ傾向となる可能性にも警戒。目先の警戒水準としては4月の安値水準4,940円台。当面のレジスタンスラインは5,100円台。
※参考:金プラチナ国内価格9/22とチャート
2014年9月22日(月)時点の相場
国内金:4,567 円 9/22(月) ▼17(0.37%)
国内プラチナ:4,999 円 9/22(月) ▼41(0.81%)
NY金:1,216.6 ドル 9/19(金) ▼10.3(0.84%)
NYプラチナ:1,337.3 ドル 9/19(金) ▼12.2(0.90%)
ドル円:108.99 円 9/19(金) ▲0.30(0.28%)
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