更新日:2014年9月23日(火)
今朝発表された、HSBCによる中国製造業PMIは50.5となり、市場予想の50.0を上回り、好不況の節目となる50割れをなんとか回避した状況。米欧の材料消化後、東京市場休場のなか、注目度が高まりやすいタイミングで、ともすればリスク回避傾向の流れを引き起こしやすい指標のこの数値は、まずまずの結果と言えそうです。
ただし、決して好調とも言えず、このHSBC製造業PMIは年々上値を切り下げてきており、2012年以降は50を挟んで行ったり来たりの状況。来月50を割れたとしても全くおかしくないような推移が続いています。
週末のG20では中国の財務相が景気刺激策の導入に消極的な姿勢を示し、週明けの米株市場の重しとなったようです。
また、中国版ベージュブックによれば、中国経済は7-9月期も低速ギア状態が継続し、製造業や運輸業の改善傾向を不動産業の低迷が打ち消している、とのこと。
さらに、中国共産党幹部は景気刺激策よりも改革を優先しており、経済成長率が7.5%を下回ることを容認。李克強首相も、成長率維持よりも新規の雇用機会を作り出すことを優先する、と公言しています。
習近平国家主席が最近の中国経済の成長率鈍化をニューノーマルと表現する裏には、汚職や腐敗を撲滅しようとする改革への本気度がうかがえます。
中国経済の低迷は世界経済への影響度も大きく、今後の動向が懸念されるところではありますが、来年?数年後?改革の効果が表れ、再び中国経済の勢いが回復することになれば、欧州景気の低迷、日本の輸出鈍化などの解消にも貢献し、世界経済を牽引するパワーも増大することになるかもしれません。
そうなった時には、中国の金需要もさらに増大することになりそうです。
22日のNY金相場は4営業日ぶりの小反発となる0.11%上昇。ドル高一服の流れを受けて買い戻し優勢の展開も反発への勢いは弱く、いったん下げ止まったというレベル。ドル円の調整幅が限定的となったことにより金の反発も限定的に。日本時間朝方には1,208ドルの安値をつける場面もあり、1,200ドル前後の目標水準圏内にもほぼ到達した形。しかし下方向への流れは払拭出来ず、もう一度しっかりと下落する可能性は高く、1,200ドルの大台を割れることも十分に想定される状況。
プラチナ相場は0.53%安となり、4営業日続落。年初来安値更新が止まらず、昨年12月23日以来の安値水準へ。ドル高の流れが一服し、金は小反発となったものの、いずれも限定的なものにとどまったことで、プラチナの下げ止まりを誘引するまでには至らず。昨年12月19日の1,318.4ドル、6月26日の1,303.7ドルと合わせ、トリプルボトム形成も意識される水準となり、当面の警戒水準は1,310ドル近辺。
ドル円は0.14%の小幅安で4営業日ぶりの反落。先週末の109円台半ばの目標水準到達後の調整継続で108円60銭台が安値のピーク。109円割れでは相変わらずドル買い優勢、しかし終値ベースでは109円台に届かない状況が続き、109円ちょうどのラインがレジスタンス化の兆し。明確なサポートラインは107円、先週末以降の揉み合い水準のなかでは108円60銭付近がサポートライン状態、ここを割れると調整幅拡大の可能性も。逆に終値ベースで109円台に到達するようならドル高円安の流れが再加速する可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/22終値とチャート
2014年9月23日(火)時点の相場
国内金:4,567 円 9/22(月) ▼17(0.37%)
国内プラチナ:4,999 円 9/22(月) ▼41(0.81%)
NY金:1,217.9 ドル 9/22(月) ▲1.3(0.11%)
NYプラチナ:1,330.2 ドル 9/22(月) ▼7.1(0.53%)
ドル円:108.84 円 9/22(月) ▼0.15(0.14%)
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