更新日:2015年4月29日(水)
バーナンキ前FRB議長も重要視していたコンファレンス・ボードの4月消費者信頼感指数は95.2となり、前月の101.4から低下し、事前予想も下回り昨年12月以来の低水準となりました。その構成指数となる現況指数も低下、期待指数は昨年9月以来となる87.5へと低下しました。
昨日発表された指標では、ケース・シラー住宅価格指数こそ予想以上の伸びとなったものの、これは2月の指標。それ以外の3月分の指標では低迷状態が続きます。
4月以降は回復傾向へ、と期待されるなか、各地区連銀が発表する製造業の景気指数などの4月分が続々と発表されています。
4月15日に発表されたベージュブックでは、3月までの米国経済の状況としてアトランタとカンザスシティーの2地区のみが横ばい傾向で、その他10地区はペースの違いこそあれ、拡大傾向とされていました。
その後発表された4月の景況感関連の指数としては、
昨日発表されたリッチモンド連銀の製造業指数は-3。3月の-8に続き2カ月連続のマイナス。2カ月連続マイナスとなるのは1年ぶり。
27日にはダラス連銀の製造業活動指数が発表され、-16。3月の-17.4からは上昇も4カ月連続のマイナス。
16日に発表されたフィラデルフィア連銀の製造業景気指数は、3月の5.0から7.5へと上昇。昨年11月の高値から急落後、ようやく反発傾向を示し、唯一、持ち直し傾向と言えそうです。
15日のニューヨーク連銀製造業景気指数では3月の6.9からまさかのマイナス圏となる-1.19へと急落。
3月まで拡大傾向にあったはずの地区の4月は、現場の景況感で見る限りは、回復傾向どころか悪化傾向、もしくは低迷状態から抜け出せない状況が続くケースが優勢となっています。
23日発表のマークイットの製造業PMI速報値も3月の55.7から54.2へと低下し、1月以来の低水準となっており、米国全体でも鈍化傾向が見られます。
6月利上げの可能性は限りなく0に近づいているのではないかと思われます。
しかし、今回のFOMC声明文で6月の利上げはおそらくないだろう、と明確に表現する可能性もかなり低いのではないか、と予想します。
ただし、内容的にはハト派寄りの印象となるような結果を想定しますが。
28日のNY金相場は0.89%の続伸。米4月の消費者信頼感指数が予想外の低下となったことを受けて1200ドル台前半から1210ドル台へと上昇。高値では3週間ぶりの水準となる1214.9ドルまで上昇し、目先の上値メド1220ドルも目前。終値での90日移動平均線超えは4月6日以来。その時も2月中旬以来1ヶ月半ぶり、しかし、わずか1日で反落しており、上抜け状態を維持して堅調推移への転換に向けて2度めのトライ。FOMC声明文がハト派寄りと受け止められるようなら2度めのトライ成功となり、上値を伸ばす展開へ。その場合の上値目標水準は1260ドル台辺りも。
プラチナ相場も0.45%続伸。金に比べて上げ幅は限定的となったものの上値余地1160ドルにはなんとか到達。イベントがなければ一服感も出やすい状況に。金が上昇するパターンとなれば連れ高となって水準を引き上げられる可能性。抵抗水準となりやすい1160ドル台半ばを超えると3月高値圏1190ドル付近が次の抵抗水準に。
ドル円相場は0.14%の小幅反落も重要なサポートラインとなっていた118円90銭ラインをわずかに下回り、終値ベースでは2月25日以来2カ月ぶりの安値水準。今朝も118円80銭台での小康状態が続き、ドル安円高方向へのスタンバイ状態。米経済指標の低迷が続き、ドル売り圧力優勢へ。FOMCでよほどタカ派寄りの声明が見られない限り下値トライの可能性大。目標水準は116円台後半へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/28終値とチャート
2015年4月29日(水)時点の相場
国内金:4,919 円 4/28(火) ▲84(1.74%)
国内プラチナ:4,675 円 4/28(火) ▲79(1.72%)
NY金:1,213.9 ドル 4/28(火) ▲10.7(0.89%)
NYプラチナ:1,158.6 ドル 4/28(火) ▲5.2(0.45%)
ドル円:118.86 円 4/28(火) ▼0.17(0.14%)
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