更新日:2015年5月11日(月)
雇用統計発表直後には、その結果に市場は大きく反応し、時には乱高下となる場合もありますが、その日のNY終値で見ると、ほとんどの場合、為替のドル円相場と金相場の値動きは逆方向となります。日々の動きでも、ドル買い材料なら金には売り材料、ドル売り材料は金の買い材料となり、逆方向への動きとなるケースが多くなりますが、ときには同じ方向へと動く場合もあります。
しかし、その反応が顕著になりやすい雇用統計発表日に限っては、かなりの高確率で逆方向へと動きます。
ところが、今回に限っては、NY金相場は+0.57%、ドル円も小幅ながら+0.04%と、同じ方向へと動きました。
過去の雇用統計発表日の為替と金相場のレート一覧を見ると、
雇用統計発表当日のレートが同じ方向へ動いたのは、昨年2月以来、15カ月ぶり。
この時の雇用統計の結果としては、非農業部門雇用者数が市場予想の+18.0万人を大幅に下回る+11.3万人とネガティブな結果。
当時金相場は2014年高値をつける3月に向けて年初から上昇トレンドが続いていた時期でもありました。これに対して当時のドル円相場は、2014年前半の長期レンジ相場に入り始めていた時期。
結果的に金相場は指標に素直に反応し、ドル円相場は底堅く推移した、ということになります。今回と同じようなパターンとなっていました。
当日の値動きでも、発表前にドル買いが進行し、ネガティブな結果に急落、というパターンも今回と同じでした。
当然のことながら、NY金相場が上昇し、ドル円相場も多少なりとも円安方向に動けば、国内金価格は大きく上昇します。
ドル円相場が長期レンジ相場入りしている現在、利上げへの警戒感から上値が重い金相場も、その利上げ時期が年後半から年末へと後ずれ観測優勢となるにつれ、若干の上昇余地が生じる可能性もありそうです。
長くは続かないかもしれませんが、国内金価格はやや上昇しやすい状況がしばらくは継続する可能性も出てきそうです。
11日の国内金価格は0.61%の反発。ほぼ事前予想どおりとも言える雇用統計の結果にも、利上げ時期の前倒し観測後退との見方が優勢となり、NY金相場が小幅に上昇、為替も終値ベースでは小動きにとどまったことによって国内金価格を押し上げた形。NY金相場も為替もレンジ色が強まるトレンドレス状態にあり、国内価格だけが一方的な動きとなる可能性は低い状況。しかし、テクニカル的には4900円の軽めの抵抗水準を上抜けたことで上値を伸ばす可能性が浮上。目標水準としては4980円台。4月半ば以降のゆるやかな下落トレンド中、9日移動平均線を超えたのは今回で3回め。前2回はいずれも1日だけの上抜けで反落しており、今回も同じパターンならレンジ相場再開へ。
プラチナも0.86%の反発。4670円台で切り返し、1月以降の下落トレンドの上値抵抗線付近まで上昇。下押し圧力優勢の状態から、ほぼニュートラルまで戻してきた状態にあり、4720円台の抵抗水準を超えることができれば、短期トレンドが上向く可能性が高まり、上値余地は4800円付近まで拡大。ただし、4670円台を維持できなければ再び4600円近辺までの反落余地も。
※参考:金プラチナ国内価格5/11とチャート
2015年5月11日(月)時点の相場
国内金:4,909 円 5/11(月) ▲30(0.61%)
国内プラチナ:4,711 円 5/11(月) ▲40(0.86%)
NY金:1,188.9 ドル 5/8(金) ▲6.7(0.57%)
NYプラチナ:1,143.5 ドル 5/8(金) ▲12.1(1.07%)
ドル円:119.78 円 5/8(金) ▲0.05(0.04%)
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