更新日:2015年5月19日(火)
1ドル=119円から120円近辺での推移が続く為替・ドル円相場は近年まれに見る膠着状態となっています。
今年ここまでの年間変動値幅は6.16円。高値は122円02銭、安値は115円86銭。変動率にして5.1%は2002年以降で最小、飛び抜けて小動きの状態。年足チャートを見るとその落差は一目瞭然です。
たしか昨年も、一昨年も、さらにその前の年も年前半、もしくは半ばに小動きの状態が続き、その後大きく上昇し、値幅は拡大しました。
月単位の変動値幅を見ると、今年5月は119円30銭台でスタートし、高値120円50銭、安値118円80銭台とわずか1.62円の間に収まっています。今のところ、月間変動率では1.36%。4月の月間変動率も1.94%と2%を下回っており、2カ月連続での小動き状態となっています。
2014年から今年4月までの平均月間変動率は3.4%。過去10年間で月間変動率が2%を下回ったのは昨年、2014年6月の1.53%と7月の1.98%、2011年12月の1.68%、2007年4月の1.97%とわずか4回しかありませんでした。
2013年で最も小動きとなったのは10月の2.47%、2012年は8月の2.24%。いずれもその後は値幅が拡大、特にここ3年間は、強い上昇トレンドが再開する流れとなってきました。
ドルインデックスは3月半ばに100.72まで上昇し、足元では94まで低下しています。ユーロ安ドル高の流れが大きく巻き戻されたことによって、行き過ぎたドル高の流れはかなり解消されています。
CFTC(全米先物取引委員会)公表のシカゴ投機筋のポジションでも、ここ3年ほど続いた大幅円売りポジションが解消され、ほぼニュートラルに近い状態となり、新たな円売りも入りやすい状況となってきました。
今すぐに、という訳にはいかないかもしれませんが、再びドル買い円売りの流れが、ある程度強まる可能性は十分にあり、状況的にはその準備が着々と進められているようにも見えます。
18日のNY市場、NYダウが3月2日以来2カ月半ぶりの最高値更新、S&P500も連日の最高値更新と株高の流れとなるなか、金相場も0.19%の小幅高で5日続伸。シカゴ連銀エバンズ総裁の「2016年初めまでは利上げ見送りが望ましい」発言などもサポート材料に。高値では2月17日以来、3カ月ぶり高値水準となる1232ドルまで上昇し、短期目標水準1230ドル台に到達。達成感とドル高の流れに押される形で今年の高安50%ライン1224.7ドル近辺に収束。いったんは調整局面入りも。
プラチナ相場も5日続伸となる0.8%高。4月6日以来6週間ぶりの高値水準に達し、一時上値目標1180ドル台寸前となる1179.9ドルまで上昇。今年の高安50%ライン1188.5ドルも目前の水準で、2月5日以来3カ月半ぶりに90日移動平均線(1176.7)を超えたところで今朝にかけては1170ドル近辺へ。金と同様に達成感が出やすい状況に。
ドル円は0.48%のドル高円安で3日続伸。欧州時間以降のコンスタントなドル買いの流れで一時120円台にタッチ。しかし、再びレンジ上限トライに向かうにもやや材料不足。118円80銭から120円20銭までのレンジ内推移はまだしばらく続きそうな状況。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/18終値とチャート
19日の国内金価格は0.48%の上昇となり5日続伸。5000円台を維持して3日め、上昇トレンドの勢いを強め、2月12日以来3カ月ぶりの高値水準に到達。過熱感はないものの、NY金の一服感とドル円のレンジ内推移の状況からすると続伸継続は難しいところ。水準的には今年の高値から安値の50%戻しライン5057円近辺が上値の目安に。
プラチナも0.81%の上昇で5日続伸。4月13日以来5週間ぶりの高値水準となり、3カ月ぶりに90日移動平均線(4841)にぶつかったことで一服感も出やすいところ。一方的な流れがもう少しだけ続くようなら、4月高値4860円と3月高値4903円の中間点、今年の高安50%ライン4885円辺りが目安に。
※参考:金プラチナ国内価格5/19とチャート
2015年5月19日(火)時点の相場
国内金:5,039 円 5/19(火) ▲24(0.48%)
国内プラチナ:4,842 円 5/19(火) ▲39(0.81%)
NY金:1,227.6 ドル 5/18(月) ▲2.3(0.19%)
NYプラチナ:1,178.5 ドル 5/18(月) ▲9.4(0.80%)
ドル円:119.98 円 5/18(月) ▲0.58(0.48%)
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