更新日:2015年6月1日(月)
中国の国家統計局が発表する5月製造業PMI(購買担当者指数)は50.2と予想の50.3を下回り、HSBCの5月改定値は予想どおりの49.2、しかし節目の50割れ状態は3カ月連続。金融緩和による景気刺激策の効果として、製造業の現場レベルの景況感を示す重要指標であるPMIの回復基調も期待されましたが、改めて中国経済回復基調の鈍さが示される結果となっています。
中国経済鈍化の影響も多分に受ける、米国の製造業PMI関連指標も多数発表されていますが、今のところは芳しくありません。
NY連銀の5月PMI(製造業景気指数)は3.09と4月-1.19からは回復したものの、昨年秋にピークをつけての下落基調からは抜け切れていません。
フィラデルフィア連銀の製造業PMI(景気指数)は、5月は6.7と4月の7.5から低下。こちらも昨年後半のピークから急落した状態での横ばい推移が続いています。
先週末に発表された、シカゴ連銀の製造業PMI(シカゴ購買部協会景気指数)では、4月の52.3(好不況の節目は50)から、46.2へと予想外の大幅低下となり、2カ月ぶりの節目割れ。
これらはいずれも州レベルの状況ですが、全米レベルでも、マークイット発表の5月製造業PMI速報値(改定値は本日発表)は53.8と4月の54.1から低下。節目の50を上まわる状態は(2010年以降)継続中ながら、16カ月ぶりの低水準へと鈍化しています。
最も注目されるISM発表の製造業PMI(ISM製造業景況指数)は、4月分が51.5で5カ月連続低下、1年2カ月ぶりの低水準へと鈍化していました。本日発表の5月分への注目度は高まります。
米国の第1四半期の景気減速は寒波などの一時的要因であり、ノイズである、第2四半期以降は回復に向かうとの指摘は、少なくとも今のところの製造業PMI関連指標からは読み取れない状況となっています。
中国経済の鈍化も、下半期には落ち着く可能性との見通しも出始めています。米国経済の回復ペースの加速も、下半期までずれ込む可能性もあるのかもしれません。
1日の国内金価格は前週末から27円、0.53%上昇し3営業日続伸。2月6日以来およそ4カ月ぶりの高値水準。円安サポートを受けての堅調推移が続き、上値目標5100円台にもあとわずか。急速な円安進行への警戒感も高まりつつあること、水準的にも5100円付近には今年の高値から安値の61.8%ライン(5114円)もあり抵抗水準となりやすいことなどから、タッチするかしないかの水準で反落することも十分にあり得る状況。
プラチナは17円、0.36%の反落となり、ゆるやかな下落基調が継続、半月前の水準に。下落基調の90日移動平均線がきれいな抵抗線となって中期的にも上値の重い状態が継続中。短期下値目標4710円台付近を維持。
※参考:金プラチナ国内価格6/1とチャート
2015年6月1日(月)時点の相場
国内金:5,087 円 6/1(月) ▲27(0.53%)
国内プラチナ:4,761 円 6/1(月) ▼17(0.36%)
NY金:1,189.4 ドル 5/29(金) ▲1.3(0.11%)
NYプラチナ:1,111.5 ドル 5/29(金) ▼4.8(0.43%)
ドル円:124.12 円 5/29(金) ▲0.18(0.15%)
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