更新日:2015年11月27日(金)
今週、WPIC(World Platinum Investment Council)からプラチナ需給に関する四半期レポートが公開されています。2015年第3四半期には前期比で供給が小幅減、需要も小幅減。季節的要因により自動車需要は減少、日本の地金増、南アフリカのETF増により投資需要は大幅増。リサイクルの減少もあり、トータルバランスでは供給不足の状態が続いている状況。
通年ベースでの国別産出量では、ジョンソン・マッセイ社のレポートと同様、2015年には181.8トンとなり、南アフリカの産出量が大幅回復しています。2016年見通しでも、全体量も若干の増加が見込まれています。
なお、南アフリカとロシアに続く世界3位のプラチナ産出国(地域)としては、ジンバブエと北米が競う状況が続いています。
需要面では、自動車、工業関連が小幅増加傾向で投資減をカバー、宝飾需要も2016年には増加見通しとなっています。
リサイクルは2014年の63.5tから2015年は58.8tに減少、2016年には65.2tへと増加見込み。なお、内訳としては、2014年分で自動車触媒からのリサイクルが39t、宝飾リサイクルは24.1t、工業関連からは0.3t、宝飾は小幅減少傾向、自動車触媒は増加傾向。需要量での自動車と宝飾との比率に対して、リサイクルの比率は圧倒的に自動車のほうが高くなっています。リサイクルされるサイクルが大きく違うことが表れています。
リサイクルを供給側に加算すると、総供給量は2014年から226.1t、204.4t、253.8t。需給バランスとしては、2014年-22.6t、2015年-9.3tと供給不足、2016年には0.2tの供給過多見込み。
また、別枠で地上在庫の量が掲載されており、2014年は85.2t、2015年は75.9t、2016年見込みは76t。供給不足分をこれでカバーし、供給過多分がこれに加算され、地上在庫が増加することになります。
プラチナ需給としては、大規模鉱山ストなどの突発的事象や需要急増などがない限り、ここ1-2年程度では、地上在庫の枯渇が懸念されるような供給不足に陥ることはなさそうです。
26日のNY市場はサンクス・ギビングデーで休場。為替市場も閑散で膠着状態。ドル円は0.11%の反落も122円60銭を中心に上下わずか25銭ほどの値動き。1日の値幅としては今年最小で昨年8月11日以来の小動き。121円台前半までの下押しリスクを抱えながらも週末を経て月末月初を迎えるまでは膠着状態継続も予想され、米経済指標の好結果が続くようならドル高方向へと動き出すことに。目先は123円に抵抗感、123円台後半に節目があり、これを超えると年初来高値更新トライへと向かう可能性も。
27日の国内金価格は前日から変わらず、今年安値圏での膠着状態が継続中。4500円付近までの下落余地を抱えながらも下押し圧力も緩和傾向。時間外で1070ドル付近のNY金も為替も月初の指標待ち状態となり、1週間後までには大きめの動き出しが見られる可能性も。下方向へと動き出したほうが比較的底堅く推移する可能性もあり、その場合には大幅反発も。当面の抵抗水準4580円台を超えることができれば4600円台半ばを目指す反発トレンドへ。
週間ベースでは-46円(1%)となり、6週続落。
国内プラチナ価格は1.14%の大幅続伸。時間外のNYプラチナが850ドル台へと反発していることにサポートされる状態。しかし、NYプラチナも国内価格も抵抗水準が近づきつつあり、目先はいったん減速の可能性も。3650円台を上抜けると3700円台へと反発基調継続へ。
週間ベースでは-14円(0.38%)の小幅安で5週続落。
※参考:金プラチナ国内価格11/27とチャート
2015年11月27日(金)時点の相場
国内金:4,535 円 11/27(金) +-0(0.00%)
国内プラチナ:3,623 円 11/27(金) ▲41(1.14%)
NY金:1,070.0 ドル 11/26(木) +-0.0(0.00%)
NYプラチナ:843.9 ドル 11/26(木) +-0.0(0.00%)
ドル円:122.56 円 11/26(木) ▼0.14(0.11%)
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