更新日:2016年5月27日(金)
米商務省が発表した4月の耐久財受注は前月比+3.4%と市場予想+0.5%を大幅に上回り、1月の+3.7%以来の伸び率となりました。変動の激しい輸送機を除いた数値でも前月比+0.4%となり、市場予想の+0.3%を上回りました。
しかし、民間の設備投資の先行指標とされる、非国防資本財から航空機を除いた数値、いわゆるコア受注は前月比+0.4%の予想に対して-0.8%と落ち込みました。3月分は-0.8%から-0.1%へと上方修正されたものの、2月の-2.1%から3カ月連続での前月比マイナス。米国の製造業の低迷状態が続いていることを示す結果となっています。
また、6カ月平均での推移を見ると、5カ月連続でのマイナス圏で下降基調が続いています。過去にマイナス圏での推移が5カ月以上続いたのは、2012年の7カ月、それ以前では2008年後半からの10カ月。ここ10年間では3番目の低迷期となっています。
耐久財受注のコア受注の推移で見ると、リーマンショック級の落ち込みではないものの、2012年のユーロ債務危機の時期に次ぐレベルの景気減速期を迎えようとしている可能性は否定できません。
26日のNY金相場は0.28%の小幅安で半年ぶりの7日続落。終値では4月4日以来およそ8週間ぶりの安値水準、高値1230ドル台半ばは前日高値を超え、安値は1220ドル割れも前日安値を下回らず、下げ止まり感と売り圧力との交錯。前回の7日続落は昨年10月29日から11月6日。12月FOMCでの初回利上げを控えた時期で、当時のFedウォッチの12月利上げ確率は69.8%に達し、市場の織り込みもかなり進行。この間の下落幅は7日合計で88.4ドル、7.52%の下落率。今回も6-7月のFOMCを控えた時期となり、低過ぎた市場の利上げ織り込み度合いもFRBの努力でここに来て急騰、6月利上げこそ26.3%と低いものの7月利上げは合計56.1%(0.75%への利上げ45.5%+1.00%への利上げ10.6%)。今回のNY金の下落幅は7日間合計で56.5ドル、4.42%の下落率にとどまり、大きな流れが変わっていることを示す状況。ただし目先の下値警戒ラインとして1200ドル付近まで。
NYプラチナ相場は0.1%の小幅高で4日ぶりの反発。ロンドンでは1011ドルまで反発もNY市場では再び990ドル台前半まで下落、990ドル台でいったんは下げ止まった状態も売り圧力の強さもうかがえる状況。今晩の状況次第で次の目安970ドル付近に向けて一段安の展開も。
ドル円は0.37%のドル安円高で3日ぶりの反落。リスク選好の流れも株高一服とともに失速、相変わらず110円台前半での売り圧力も強く、109円前半までの小幅レンジでの揉み合い状態が継続。保ち合い長期化に伴い、ブレイク後の変動幅も拡大傾向へ。ドル高円安方向へのブレイクなら4月末高値111円後半を上抜けて112円台前半も。ドル安円高方向なら108円を割り込んで107円台半ば辺りまでが目安水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/26終値とチャート
27日の国内金価格は0.34%の小幅安。半年ぶりの7日続落で下値目安4610円台付近にほぼ到達。前回はNY金と同時期に8日続落し、合計211円、4.36%の下落率。今回は7日合計で170円、3.55%の下落率。前回と違い、ドル高円安が進行していない現状を考慮すると利上げへの耐性はかなり強化されてきた様子。ただし今晩のイエレン議長講演を受けて、前回と並ぶ8日続落となる可能性も。
週間ベースでは-136円(2.86%)となり、3週間ぶりの反落。
プラチナ価格は0.08%の小幅安で4日続落。下値目安3780円前後の水準をわずかに下抜けたところで、いったん下げ止まりの兆しも、やはり今晩のNY市場の動向への警戒感から3700円台前半までの行き過ぎも想定されそう。
週間では-83円(2.16%)の続落。
※参考:金プラチナ国内価格5/27とチャート
2016年5月27日(金)時点の相場
国内金:4,624 円 5/27(金) ▼16(0.34%)
国内プラチナ:3,762 円 5/27(金) ▼3(0.08%)
NY金:1,220.4 ドル 5/26(木) ▼3.4(0.28%)
NYプラチナ:995.8 ドル 5/26(木) ▲1.0(0.10%)
ドル円:109.76 円 5/26(木) ▼0.41(0.37%)
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