更新日:2016年5月26日(木)
NYプラチナ相場を月間ベースで見ると、3月時点で一時的に、5カ月ぶりとなる1000ドルの大台に到達しました。そして翌4月には、昨年8月以来8カ月ぶりに終値でも1000ドルの大台超えを果たしていました。
さらに、5月には安値でも1000ドルの大台以上を維持し、昨年6月以来、11カ月ぶりとなる1000ドルの大台への完全回復も期待されましたが、月末のこの時期に来て調整局面が加速、あえなく大台定着トライに失敗。結局、月間安値では昨年7月以降、11カ月連続で1000ドルの大台割れとなる状態が続くことになりました。
月末までの残り4日で1000ドルの大台を回復して6月を迎えることが出来なければ、NYプラチナの月間安値1000ドルの大台割れ状態は、1年間継続することになってしまいます。
NYプラチナ相場の月間平均推移を見ると、10カ月ぶりの1000ドルの大台回復は既に当確状態にあり、既に近年では大底を打って流れも変わり始めている可能性は極めて高いとは言えます。
しかし、年足チャートで見ると、過去3年間の平均変動率から算出する今年の予想変動幅は276.3ドルとなり、今年ここまでの変動幅は既にこれを超えています。年末までは今年高値1092.3ドルから今年安値811.4ドルの範囲内で推移する可能性もかなり高くなりそうです。可能性は低いとは思われますが、もし年間終値が3桁となるようなことがあれば、2年連続の1000ドルの大台割れとなり、2005年以前の状態に逆戻りとなります。
とりあえず1000ドルの大台への完全回復には、もう少し時間を要する状況となってきました。
25日のNYプラチナ相場は0.94%安となり3日続落。1000ドルの大台付近での攻防状態もNY市場で力尽きて4月18日以来、5週間ぶりの大台割れ。第1段階の下値目安に到達したことにより、週末まではこの近辺での水準を維持する可能性も。金の下落がもう一段進行するようならプラチナも連れ安となって次の目安970ドル付近まで値を下げるような展開も。
NY金相場は0.44%安となり、半年ぶりの6日続落で4月6日以来7週間ぶり安値水準へ。7カ月ぶり高値で50ドル台回復も目前に迫る原油とともに欧米株も堅調推移が続くリスク選好地合いとなり、金は上値の重い状態が継続。それでも短期的な調整目安水準に到達したこと、3月から4月初旬にかけての保ち合い安値水準に位置することなどから一服感も漂う状態。週末にかけては伊勢志摩サミットよりもイエレンFRB議長講演を控えて小康状態となる可能性、発言内容次第で一段安の可能も。38.2%ライン1206.5ドル前後が当面の下値警戒ラインに。
ドル円は0.16%の小幅続伸。原油高に連れてリスク選好気味の展開となった為替市場は資源国通貨などの買い優勢でややドル安の展開、ドル円では日本株高に連れての円安傾向。しかし110円台前半から半ば付近では上値も重く、マークイット社発表の米5月非製造業PMIの下振れなどもあって失速。結局20日高値110円50銭台を超えられずに反落し、今朝には再び109円台へ。このまま行くと小さなダブルトップを形成しての反落局面入りも警戒される。週末までは109円前半から110円前半のレンジ内推移継続か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/25終値とチャート
26日の国内金価格は0.3%の小幅安となり、半年ぶりの6日続落。当面の下値目安4610円台に向けた軟調推移が継続。NY金の節目付近到達と為替の保ち合い状態から変動幅は縮小傾向となりそうな状況も週末のイベントを経て、週明けには若干の変動幅拡大の可能性も。急反発の展開となる可能性よりは、多少の行き過ぎとなる可能性のほうがやや優勢か。
プラチナ価格は0.94%安となり3日続落。下値目安3780円前後の水準に到達したことでいったんは小康状態となる可能性も、NY市場の週末一段安への警戒感も。週明けに向けての下値警戒水準としては、今年の上げ幅に対する38.2%戻しとなる3715円から90日移動平均の3705円辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格5/26とチャート
2016年5月26日(木)時点の相場
国内金:4,640 円 5/26(木) ▼14(0.30%)
国内プラチナ:3,765 円 5/26(木) ▼34(0.89%)
NY金:1,223.8 ドル 5/25(水) ▼5.4(0.44%)
NYプラチナ:994.8 ドル 5/25(水) ▼9.4(0.94%)
ドル円:110.17 円 5/25(水) ▲0.18(0.16%)
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