更新日:2016年7月26日(火)
エコノミスト誌が発表した2016年7月のビッグマック指数によると、米国での平均ビッグマック価格は今年1月の4.93ドルから7月には5.04ドルへと上昇しています。1年前の4.79ドルと比較すると、上昇率は5.2%。1月時点では前年比+2.9%と、ビッグマック価格だけを見れば米国の物価動向はインフレ目標2%をクリアしています。
それに対し、円ベースでの日本のビッグマック価格は2014年7月以降370円で据え置きとなっており、インフレ率0%の状態が続いています。なお、ドルベースでは1月の3.12ドルから7月には3.47ドルへと上昇、昨年7月の2.99ドルからは年率4.3%の上昇。それでも米国人が日本でビッグマックを食べる場合には、かなりのお得感があります。
世界で最もビッグマックが高いのはここ数年連続でスイスの6.59ドル。米国よりも高いのはノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧勢、スイスと合わせて主要国では4カ国のみ。日本は前回から変わらず世界では32番め。同水準の価格帯にあるのはUAE、トルコ、チリ、エストニア、タイ、ベネズエラなど。
アジア圏ではシンガポールが4.01ドルで20位、韓国が3.86ドルで23位、中国は2.79ドルで44位、ベトナムが2.69ドルで45位、インドは2.41ドルで49位など。
最も安かったのはウクライナの1.57ドル。
英国はブレグジット前後で価格が急変し、1月には4.22ドルで12位だったのが7月には3.94ドルに下落して22位へ。
逆に高インフレで急上昇したのはブラジルで、1月の3.35ドルでの27位から7月には4.78ドルで米国に次ぐ6位。リオではビッグマックを食べるのにも躊躇しそうです。
ビッグマック指数に基づくドル円為替レートを算出すると、昨年7月の77.24円から今年1月には75.05円、7月には73.41円。この1年間で4.96%の円高が進行しています。
実際の為替レートでは、昨年7月の123.31円、1月には118.65円、7月には106.73円(※いずれもこの指数発表時点の為替レートと推定)。この1年間では13.4%もの円高となっています。
デフレ懸念も高まる日本の物価が上昇しない為、両者の水準はかなり乖離してはいますが、足下で再び一段と円高が進行している現状を見ると、購買力平価を基に算出した為替レートと比較すると、局面的にはかなり行き過ぎた円高とも言えます。
25日のNY金相場は0.29%の小幅続落。今回のFOMCでは利上げ見送りが確実視されるなか、次回以降の利上げ見通しを前倒しするような内容が示される可能性への警戒感もあり、ゆっくりと小幅調整フェーズが進行。時間外では一時1311ドルまで売られて下げ幅拡大の可能性も高まった状態からNY市場にかけては株価の調整売りに合わせて1320ドル台へと買い戻し。足下では1310ドル台半ばから1330ドル台半ばまでの小幅レンジを形成し、下放れの場合には1300ドルの心理的節目ではサポートされず、1290ドル前後までは比較的短時間で水準を切り下げる可能性。上放れの場合には短期上昇トレンド再開の可能性が高まり、今年高値圏となる1370ドル付近を目指す展開へ。
NYプラチナ相場は前週末から変わらず。金に連れて時間外には1070ドル台前半まで水準を切り下げ、調整フェーズ急進の展開かとも思われた状態から、NY市場では株安金高の流れに連れて急反発。一時1090ドル台半ばまで上昇する相変わらずのしぶとさ。しかし、終値ベースでは1090ドルをわずかに割り込み、流れとしては調整フェーズ進行中。当面の下値目安は1040ドル台、流れが巻き戻される展開となった場合には高値更新で加速、1160ドル台辺りが上値目標に。
ドル円は0.35%のドル安円高となって週末の反発分を相殺し105円台へ。このところ軟調推移が続く原油相場が3カ月ぶりの安値水準となる43ドル台まで下落し、米株も調整安の展開でNYダウが一時100ドル超の下落、日米金融会合直前というタイミングも重なり調整の動きに。「財政支出6兆円」報道を巡る思惑も交錯し、乱高下する場面もあったものの、実際には数年分の予算額とのことで期待はずれ感が早くも高まる様子も。105円後半から106円前半の小幅保ち合いをいったん形成した状態から既に下方ブレイクの動きがスタートしており、今朝には一時105円割れ、目先の下値目安としては104円台半ば。その水準で下げ止まらない場合には102円台前半まで下げ幅拡大も。106円台半ば以上へ切り返すような展開となった場合には107円台後半まで上昇も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/25終値とチャート
26日の国内金価格は1.22%の大幅続落。イベント前に早くも失望の円高リスク再燃の動きで大幅調整へ。ただし事実で買い戻される可能性と、事実確認で金の反発の可能性もあり、若干振り回されるような展開も。下方向優勢へと流れが変わりつつある状態となり、目先のサポート水準としては4720円。ここを割れると4660円前後までは下げ幅拡大となりやすく、4860円が当面の抵抗水準に。
プラチナ価格は0.08%の小反発。調整幅拡大の兆しからまたも下げ渋り。しかし、目先は円高による一段安が警戒される状態となり、6月末からの上昇幅に対する23.6%戻しとなる3850円程度までは下落しやすく、38.2%ライン3780円前後までが次の下値目安水準に。その一方でNYプラチナ急騰の可能性もまだ残され、そうなれば高値更新で4000円の大台トライの展開も。
※参考:金プラチナ国内価格7/26とチャート
2016年7月26日(火)時点の相場
国内金:4,770 円 7/26(火) ▼59(1.22%)
国内プラチナ:3,909 円 7/26(火) ▲3(0.08%)
NY金:1,319.5 ドル 7/25(月) ▼3.9(0.29%)
NYプラチナ:1,088.4 ドル 7/25(月) +-0.0(0.00%)
ドル円:105.81 円 7/25(月) ▼0.37(0.35%)
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