更新日:2020年7月1日(水)
米主要地区連銀の製造業景況感(PMI)はほぼ4月に過去最低レベルの低水準へと急低下。そして5月以降は経済活動の順次再開とともにPMIも急回復。ほとんどの地区連銀で景況感はV字回復の勢いとなっています。
フィラデルフィア連銀は4月の-56.6から5月に-43.1、6月は+27.5へと4ヵ月ぶりのプラス圏回復。V字回復を牽引。
カンザスシティ連銀も過去最低となった4月の-30から、5月には-19、6月は+1となって4ヵ月ぶりのプラス圏回復。
リッチモンド連銀も過去最低となった4月の-53.0から5月には-27.0、そして6月には+-0.0。3月の+2.0以来3ヵ月ぶりのマイナス圏脱出。
NY連銀も過去最低の4月、-78.2から5月は-48.5、6月には-0.2へ。プラス圏目前まで急回復も、3月以降4ヵ月連続マイナス圏維持。
ダラス連銀は3月-70.1、4月-74.0と連続の過去最低更新後、5月は-49.2、6月には-6.1まで急回復。4ヵ月連続のマイナス圏。
この日発表されたシカゴPMIは、4月の35.4(節目は50)から、5月は32.3、38年ぶり低水準。6月は36.6と反発は控えめに。市場予想の45.0程度を大きく下回り、節目の50割れは10ヵ月連続。出遅れ感は際立ちます。自動車大手の生産拠点があることも影響している可能性も。
また、ダラス連銀の管轄地区、テキサス州では感染者数が再び増加に転じたことを受け、5月以降順次再開してきたバーに対して6月26日時点で州知事が再閉鎖命令を発動しており、この影響は7月以降のPMIに表れる可能性もありそうです。
その他のエリアでもレストランなどの再閉鎖に踏み切るところなどもあり、南部から徐々に感染第2派が拡大している米国の景況感は、このままV字回復を続けるかどうかには疑問も残ります。
30日のNY金相場は+19.3ドル、1.08%高となって3日続伸。2011年9月以来、8年9ヵ月ぶり高値で1800ドル台に到達。タイミング的には週明け早々に一度上値トライに失敗していたことで、そのチャンスは雇用統計後まで先送りか、との思惑も裏切られての早期再トライに成功。週明け以降は概ね1780ドル台を維持し、1780ドル後半から1790ドルに壁を感じながらも下値は1780ドル割れでの押し目買い圧力も強く、この日も時間外は1780ドル台での小幅もみ合い推移。ジョンソン英首相が経済立て直しに向けて「英国版ニューディール戦略」と呼ぶ50億ポンド規模のインフラ投資計画を発表したことなども好感され、NY朝にはポンド高主導でドル安の流れが急速に進行。一時的に1780ドルを割れて押し目買いが入ったNY金は上値再トライへ、1780ドル半ばの節目を超えると一段高となって短期上値目標1800ドル台へと急上昇。これで目標到達に伴う一服感からの調整は入りやすく、雇用統計で好結果となれば大幅調整の可能性も。ただし、大台を一度超えたことの意味は大きく、この1800ドルラインは2011年11月に最後に超えてから、2012年10月までは何度トライしてもわずかに届かなかった歴史的上限ライン。ここから上の水準で推移したのは一時的だった2011年11月をのぞけば2011年8-9月の2ヵ月のみ。今回反落した場合でも、いずれまたこの歴史的最高値圏へと水準を切り上げる機会は訪れるものと予想。目先の下値サポート目安は1770ドルまで。これを割り込んだ場合には1750ドル前後まで調整拡大へ。
月間ベースでは+48.8ドル、2.79%高で4ヵ月続伸。
NYプラチナは+23.0ドル、2.78%の大幅高で3日続伸。株高と金高、そしてパラジウムも急騰したNY午前に830ドルから850ドルまで、20ドルの急騰。20日移動平均線(835.3)を超え、850ドルの節目もわずかに上抜け。レンジを拡大する逆ペナント型の保ち合いを上方向に再拡大しただけか、それともレンジブレイクかはこの後の展開を確認するまではわからない乱高下状態。NY金が大台到達から調整となれば、それに追随する可能性も否定できないものの、5月後半以降の下落トレンドの抵抗線を上抜けた形にもなっていることから、可能性としては900ドルの大台付近を当面の上値目標として上値トライへも。
月間では-23.4ドル、2.68%安で3ヵ月ぶりの反落。
ドル円は40銭弱、0.36%のドル高円安となって5日続伸。5日続伸以上は3月後半以来、3ヵ月ぶりで今年2度め。東京時間には堅調な日経平均にも連れ、月末、期末の五十日で仲値に向けたドル買いもあってか107円70銭台へと水準を切り上げると、欧州時間までは107円70銭をはさんでの小幅もみ合い推移。NY朝にポンド高ドル安が進行した場面ではドル円も下振れて一時107円50銭付近まで下落も、米6月消費者信頼感指数が予想を大幅に上回る好結果となったことで107円90銭台まで急反発。その後は戻り売り圧力に押される場面もありながら株高基調にも連れて108円付近まで上昇。今朝の東京市場では株高とともに一時108円10銭台まで上昇も、株価の失速とともに108円割れへと軟調推移。107円台半ばの節目を上抜け、90日移動平均線(107.63)も上抜けて一段高の状態にあり、短期上値目標108円台半ばまでの上昇余地はありか。
月間では+16銭、0.15%の小幅続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/30終値とチャート
1日の国内金価格は+64円、0.96%高となって8日続伸。6日連続で過去最高値を更新。8日続伸以上は2月末以来、4ヵ月半ぶりで今年2度め。今年の平均騰落値幅56円を超えたのは連騰初日、6月22日(+94)以来で短期上値目標6710円台にも到達。NY金が1800ドルの大台到達後、今朝の時間外でも1790ドル台後半で下げ渋る状態に下支えされ、円安とのダブルサポートで目標水準を突き抜けた状態に。5月高値(6603)から5月末安値(6428)までの161.8%戻し(6711)を超え、176.4%戻し(6737)にもほぼ到達しており、さらに行き過ぎの展開となった場合の想定可能な水準としては200%戻し(6778)近辺。サポート候補としては6月安値(6473)から6734円までの38.2%戻し(6634)から50%戻し(6604)辺りまで。
プラチナ価格は+38円、1.24%高で4日続伸。6月16日(3118)以来、2週間ぶりの高値となり、反発基調に向けた分岐点となりうる3090円の節目を突破。通常なら上値トライの展開へと向かいやすく、当面の上値目標は3180円近辺。しかし、NYプラチナと同様にレンジを拡大する逆ペナント型の保ち合いを形成していること、NY金も国内金価格も目標水準到達後の一服となりやすいことなどが重石にも。
※参考:金プラチナ国内価格7/1とチャート
2020年7月1日(水)時点の相場
国内金:6,734 円 7/1(水) ▲64(0.96%)
国内プラチナ:3,098 円 7/1(水) ▲38(1.24%)
NY金:1,800.5 ドル 6/30(火) ▲19.3(1.08%)
NYプラチナ:851.2 ドル 6/30(火) ▲23.0(2.78%)
ドル円:107.98 円 6/30(火) ▲0.39(0.36%)
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