更新日:2020年7月2日(木)
IHSマークイットが発表した6月のユーロ圏製造業PMIは47.4。過去最低となった4月の33.4から5月には39.4へと6ポイント上昇、6月にはさらに8ポイント上昇する急回復局面を形成し、急落直前の今年2月(49.2)以来、4ヵ月ぶりの高水準。ただし、節目の50には届かず、17ヵ月連続の50割れ。
直近12ヵ月では3番目の高水準となり、PMIの数値としてはコロナショックによる急落前の水準をほぼ回復した状態と言えそうです。
実体経済の回復基調はスタートしたばかりですが、期待感だけが先行する形で数値を押し上げ、PMIはここまで株価のV字回復と同じような軌道となっています。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2020年6月>
1:フランス=52.3=前月比+11.7、1年9ヵ月ぶり高水準、5ヵ月ぶり50超、3月6位、4月5位、5月3位。
2:アイルランド=51.0=前月比+11.8、4ヵ月ぶり高水準、4ヵ月ぶり50超、4月2位、5月6位。
3:ギリシャ=49.4=前月比+8.3、4ヵ月ぶり高水準、4ヵ月連続50割れ、2年3ヵ月ぶり最下位となった4月から5月は2位。
4:スペイン=49.0=前月比+10.7、4ヵ月ぶり高水準、4ヵ月連続50割れ、4-5月7位。
5:イタリア=47.5=前月比+2.1、4ヵ月ぶり高水準、21ヵ月連続50割れ、3月最下位、4月6位、5月1位。
6:オーストリア=46.5=前月比+6.1、4ヵ月ぶり高水準、4ヵ月連続50割れ、3月2位、4月4位、5月5位。
7:オランダ=45.2=前月比+4.7、3ヵ月ぶり高水準、3ヵ月連続50割れ、3-4月1位、5月4位。
8:ドイツ=45.2=前月比+8.6、3ヵ月ぶり高水準、18ヵ月連続50割れ、3月4位、4月3位、5月から連続最下位。
急落がスタートした3月以降、急回復局面にあるここまで目まぐるしく順位は変動し、熾烈な争いが繰り広げられています。
そんななかでこの6月に5月から順位變動がなかった唯一の国は、ドイツ。
自動車産業の低迷などから最下位が続いていたコロナ前の状態に、ドイツだけが戻ってきたような状態です。
ドイツのIFO経済研究所は、コロナ禍からの回復ペースは予想以上に遅れる可能性もある、と警戒感を示しています。
IFOが示した回復基調となる2021年のGDP成長率見通しは+6.4%としていますが、1ヵ月前の予想値+10%からは大幅下方修正されています。
IMFが6月に発表した世界経済見通しでのユーロ圏主要国の2021年の成長率見通しでも、ドイツの+5.4%に対して、フランスは+7.3%、イタリアは+6.3%、スペインも+6.3%となっていました。
6月の製造業PMIランキングと同じ序列です。
1日のNY金相場は-20.6ドル、1.14%安で4日ぶりの反落。1800ドルの大台到達と短期上値目標達成後の一服感からの利食い売りで調整の日。時間外には1800ドル付近で下げ渋る展開となり、東京午後の時間帯には一時前日高値を上回る1807ドルまで上昇。2011年9月以来、8年9ヵ月ぶり高値をつけて反落の展開へ、欧州時間に1800ドルの大台を割れるとNY朝にかけては1790ドル割れ、NY朝に発表されたADP雇用リポートでは6月分こそ予想を下回ったものの、5月分が-276万人から+306.5万人へとデータの信憑性が疑われるような大幅上方改定、ともかく雇用急回復が好感されて株高と長期金利上昇の流れとなって一段安。一時1770ドル割れもこのサポート水準では底堅く、NY午後には1780ドル付近を回復。目先は1770ドルから1800ドルまでを主要レンジに高値保ち合いの様相。雇用統計のポジティブ・サプライズなどで1770ドルのサポートを割れると、6月後半の急騰前の保ち合い高値圏で20日移動平均(1747.7)付近、1740ドル台辺りまでが下値目安に。逆に1800ドルの高値再更新となった場合には1830ドル程度までが上値目標に。
NYプラチナは-16.8ドル、1.97%の大幅安で4日ぶりの反落。ナスダックは最高値更新ながらダウは伸び悩んで反落、金も調整、パラジウムも反落となった流れに連れ、またしても保ち合いレンジブレイクはダマシに。上値トライへの流れは巻き戻されてレンジを拡大する逆ペナント型の保ち合いを上方向に再拡大しての保ち合い回帰。時間外には一時865ドルまで上昇し、3週間ぶり高値をつけた後は金の急反落に追随、NY午前には前日安値を下回る820ドル付近まで、40ドル超の大幅反落。目先は上下両睨みの展開で850ドル台の上限を再度上抜けると6月高値圏、910ドル前後まで上値を伸ばす可能性も。下方向には800ドルラインが当面の下値サポート、これを下回ると大幅安の展開で4月後半安値圏750ドル前後までが下値目安に。
ドル円は50銭超、0.5%のドル安円高となって6日ぶりの反落。東京時間朝には株高の流れにも連れて一時6月9日(108.42)以来、3週間ぶり高値となる108円20銭付近まで上昇。108円台半ばの上値目標を目指した流れはここまででいったん力尽きた格好となり、戻り売りの展開へ。108円割れへと急落すると東京午後にかけて107円50銭台、欧州・NY時間にかけては107円30銭台まで下落。ADP雇用、ISM製造業景況指数などの好結果、ワクチン開発関連報道などによる株高局面などにも反応は限定的となり、107円台前半での小康状態に。目先、108円が抵抗水準となって106円台半ばまでが主要レンジに。雇用統計後に上値トライ再開となって108円超へと抜け出すことができれば、109円付近を目指す流れにも。下方向に106円台半ばのサポートを割り込むようだと一段安の展開へ、105円前後までが当面の下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/1終値とチャート
2日の国内金価格は-73円、1.08%安となって9日ぶりの反落。NY金が1800ドルの大台と短期上値目標に到達し、国内金価格も6700円の大台と短期上値目標を同時達成、調整必至の状態からの調整幅としてはむしろ控えめ。米独立記念日の振替休日の関係で本日発表される雇用統計では先月に続いて波乱の展開も予想され、米国内では感染再拡大の地域も増え、経済活動再開一時停止と景気回復鈍化懸念なども交錯し始めるなか、波乱の週末への警戒感も。調整継続の場合の下値サポート候補としては、6月安値(6473)から最高値(6734)までの38.2%戻し(6634)から61.8%戻し(6573)辺りまで。高値再更新へと向かうようなら5月高値(6603)から5月末安値(6428)までの200%戻し(6778)近辺までが次の上値目標に。
プラチナ価格は-8円、0.26%安で5日ぶりの反落。NYプラチナと同様にレンジを拡大する逆ペナント型の保ち合いを形成し、金価格も調整となったことによって上値を押さえられた格好ながら、流れが大きく巻き戻されるまでには至らず、可能性としては上値トライへの望みも。波乱の週末となってNYプラチナが再度上値トライへと向かうことを条件に、3180円近辺を目標に上値トライ継続へ。下方向へと大きく巻き戻され、3010円台の節目を割れるようなことがあれば、3月安値(2422)から5月高値(3227)までの38.2%戻し(2919)近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格7/2とチャート
2020年7月2日(木)時点の相場
国内金:6,661 円 7/2(木) ▼73(1.08%)
国内プラチナ:3,090 円 7/2(木) ▼8(0.26%)
NY金:1,779.9 ドル 7/1(水) ▼20.6(1.14%)
NYプラチナ:834.4 ドル 7/1(水) ▼16.8(1.97%)
ドル円:107.44 円 7/1(水) ▼0.54(0.50%)
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