更新日:2023年6月17日(土)
強弱混在となったミシガン大の6月速報。速報値の極端な結果は月末の確報値で是正される傾向が強いものの、消費センチメントの急回復は景気サポート材料、インフレ期待の急低下はインフレ鈍化と追加利上げ観測後退材料に。
市場反応は乱高下、米10年債利回りは急騰後に戻して指標発表前から変わらず、ドルインデックスは小幅上昇後に小反落、円安主導のゆるやかなドル高傾向を維持、NY金は上下に振れながらやや軟調局面継続。
消費者信頼感指数の6月速報値は63.9。市場予想の60.0を大幅に上回り、5月の59.2からは+4.7で4ヵ月ぶりの高水準。前月比では5ヵ月ぶりの急騰、前年比では+13.9で2年2ヵ月ぶりの急騰。
インフレ緩和や債務上限問題収束などから消費センチメントは改善。
しかし、依然として長期平均83.87を大きく下回る水準。歴史的低水準からは抜け出せない状況。
1年先のインフレ期待は3.3%。市場予想の4.1%、5月の4.2%も大幅に下回って2ヵ月連続の低下で2021年3月(3.1)以来、2年3ヵ月ぶりの低水準。
なお、前月比-0.9%は改定値でその差が縮小しなければ2008年12月(-1.2)以来、14年半ぶりの急低下。
ただし2017-19年の平均2.7%を0.6%上回る水準。
5年先のインフレ期待は3.0%。5月の3.1%から小幅低下で2ヵ月ぶり低水準。過去23ヵ月のうち、22ヵ月が2.9-3.1%の狭い範囲にとどまる状態。また、2017-19年の平均2.5%を0.5%上回る水準。
短期的にも長期的にも、インフレ期待は依然として歴史的高水準にあります。
16日のNY金は+0.5ドル、0.03%の小幅高で3日続伸。6月9日(1977.2)以来、1週間ぶり高値水準での小動き。利上げ休止も次回以降の追加利上げの可能性を示唆したFOMC後に水準を切り下げ、利上げ継続のECB理事会後にはドル安に連れて反発、日銀緩和維持による円安の影響は限定的となってほぼ横ばい推移。この日はロンドン・NY朝にかけて1980ドル近辺まで上昇後、NY市場ではミシガン大消費者信頼感指数の上ブレとインフレ期待の急低下を受けて乱高下となった場面でつけた安値も1960ドル台半ばまで。上ヒゲ陰線となって上値の重さを示唆しながらも、下げ止まった20日移動平均線(1971.0)超えもなんとか維持。主要3中銀の政策会合通過でブレイクも警戒された1950ドル台から1980ドルまでの保ち合いレンジは崩れず、延長戦へ。
週間ベースでは-6.0ドル、0.3%の小幅安で3週ぶりの反落。
NYプラチナは-4.6ドル、0.46%の反落。時間外での990ドル台前半を中心とした小幅保ち合い推移から、NY朝には1000ドル台へと上昇も大台超えは一時的にとどまり、戻り売りとなって急落するとNY午後には一時980ドル割れ。NY引けにかけて自律反発も990ドルには届かず、底打ち後の反発局面は続かず、ゆるやかに上昇する200日移動平均線(992.0)との攻防状態も継続。反発継続に向けては200日線突破は必須、その先の大台回復と90日移動平均線(1015.2)上抜けが重要ポイントに。下方向へ980ドルの節目を割れると下値トライ再開、960ドル程度までが短期目安。
週間ベースでは-25.5ドル、2.52%の反落。
ドル円は161銭のドル高円安、1.15%の大幅続伸で昨年11月21日(142.10)以来、7ヵ月ぶりの高値。東京朝には140円20銭近辺から139円80銭台まで下押し後に反発、日銀の現状維持発表には140円近辺から140円70銭台までの急騰で反応。揉み合いを経て欧州序盤には141円40銭台まで上昇、NY市場ではミシガン大消費者信頼感指数とインフレ期待の結果を受けての乱高下をはさんで上値トライ再開、NY午後には141円90銭近辺まで上昇。米欧日の金融政策動向を再確認する形となってユーロ高・ドル高・円安の流れが再加速、140円20銭の節目上抜けに伴う高値保ち合い上方ブレイクで当面の上値目標、10月高値から1月安値の61.8%戻し(142.49)近辺を目指す流れでもう少しの上昇余地。
週間ベースでは+2.52円、1.81%高で3週ぶりの反発。今年3番めの大幅高。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/16終値とチャート
2023年6月17日(土)時点の相場
国内金:9,646 円 6/16(金) ▲78(0.82%)
国内プラチナ:4,825 円 6/16(金) ▲35(0.73%)
NY金:1,971.2 ドル 6/16(金) ▲0.5(0.03%)
NYプラチナ:987.3 ドル 6/16(金) ▼4.6(0.46%)
ドル円:141.89 円 6/16(金) ▲1.61(1.15%)
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