更新日:2024年6月10日(月)
9日に行われた欧州議会選挙では独仏与党勢力が大敗。ドイツでは、ショルツ首相の与党・社会民主党(SPD)が歴史的大敗で3位転落となり、フランスではマクロン大統領の与党連合がルペン氏の極右・国民連合(RN)に惨敗。これを受けてマクロン大統領は国民議会(下院)の解散・選挙を表明。パリ五輪直前のフランス国内には政局不安リスクも。民主主義主要国はどこも、政権与党存続の危機に瀕しているようです。
それよりも市場の注目は今週の重要イベント・ウィーク。サプライズとなった先週末の米雇用統計を経て、年内利下げ見通し後退を示唆するものと予想されるFOMCがメイン・イベント。その結果公表の5時間半前には5月CPIの発表もあり、波乱要因にも。これらを通過して夏場の方向性がある程度固まるかと思いきや、週末には日銀会合で方向感の軌道修正を余儀なくされる、といった事態も警戒される一週間。
この期間を経てドル円は三角保合いを上抜けて一段高トライ、もしくはブレイク失敗で保ち合い継続か、あるいは巻き戻しの流れが加速して下方ブレイクにも。いずれにしても重要な分岐点を今週、迎えることにもなりそうです。
三角保合い上抜けに失敗して巻き戻しの流れとなったNY金の動向により、国内金価格には三尊天井形成リスクも。
週明け時間外のNY金は2310ドル台前半、週末からわずかに上昇しての小動き。ドル円は週末の156円70銭台から156円90銭近辺へと堅調方向へ。
10日の国内金価格は先週末から-360円、2.76%の大幅安で3日ぶりの反落。5月9日(12646)以来、1ヵ月ぶりの安値。週末の雇用統計通過に伴う急変動で反発局面から巻き戻しの流れへと反転。12940円の節目突破に伴う短期上値目標13080円近辺に対しては13050円付近までにとどまって折り返し、今年の絶対値平均騰落率0.64%の4.3倍、今年最大で2022年6月14日(-275円、3.10%)以来、2年ぶりの急落。12740円の節目割れに伴う短期下値目安12600円割れトライに向けて、もう一段の下げ余地も。
一目均衡表では基準線(12999)を下抜けた転換線(12886)を下回り、遅行線も26日前価格(12732)を下抜けて二役逆転。目先のサポート候補となる雲の上限(12560)は週末には12600円台へと上昇し、これが目先の攻防ラインにも。また、4月以降の高値保ち合い局面では三尊天井を形成しつつあり、5月8日の12630円がネックライン。これを完全に下抜けるうようだと三尊天井完成で短中期的には一段安へと向かう可能性も。三尊天井の値幅(738円)分下落した場合には11892円。雲の下限と90日移動平均線も次週、11800円台へと上昇。1週間後に下値トライとなっていた場合には格好のターゲット、かつ強めのサポート帯となる可能性も。
NYプラチナは970ドル台半ばで小康状態、週末からはわずかに上昇。
国内プラチナ価格は-159円、2.90%の大幅安で3日ぶりの反落。5月10日(5326)以来、1ヵ月ぶりの安値。反発局面は限定的となって戻り売りで安値更新、というパターンが繰り返される展開となり、下落トレンドを形成。5380円の節目割れに伴う短期下値目安としては、4月末安値(4905)から5月高値(5877)の61.8%戻し(5276)近辺まで。
一目均衡表では転換線(5578)、基準線(5510)を大きく下回って一役逆転。今年高値圏で形成した三角保合いを下方ブレイクしての急落から、さらに一段安となり、3月以降の上昇チャネルを突き抜けての急騰局面からの巻き戻しとなって上昇チャネル内に回帰してきた格好にも。5200円台前半を通過する上昇チャネル下限ライン、同水準で急騰する雲の上限ラインなどが目先のサポート候補にも。
※参考:金プラチナ国内価格6/10とチャート
2024年6月10日(月)時点の相場
国内金:12,689 円 6/10(月) ▼360(2.76%)
国内プラチナ:5,328 円 6/10(月) ▼159(2.90%)
NY金:2,325.0 ドル 6/7(金) ▼65.9(2.76%)
NYプラチナ:971.1 ドル 6/7(金) ▼40.5(4.00%)
ドル円:156.76 円 6/7(金) ▲1.11(0.71%)
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