更新日:2024年7月6日(土)
米6月の雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)の伸びが市場予想を上回ったものの、よく見ればFRBが期待する流れが確認できた結果。これを受けて米10年債利回りは低下、ドル安基調で株高、NY金も上昇。
非農業部門雇用者数は前月比+20.6万人。市場予想の+19.0万人を上回ったものの、5月分と4月分は2ヵ月合計で11.1万人の下方修正。
この結果、3ヵ月平均では+17.7万人となり、3ヵ月連続の低下で2021年1月(14.1)以来、3年5ヵ月ぶりの低水準。3ヵ月平均では2020年7月以降、コロナショック以降の4年間では2番めの低水準。また、+20万人を割れたのも、2019年平均(+19.7)を下回ったのも、この4年間では2度め。
失業率は4.1%。3ヵ月続伸で2021年11月(4.1)以来、2年7ヵ月ぶりの高水準。
失業期間半年超となる、長期失業者の割合は22.2%。前月から+1.5ポイントの急騰で4ヵ月続伸、2年1ヵ月ぶりの高水準。
平均時給は前年比+3.86%。市場予想の+3.9%にほぼ一致、5月からは0.19%低下して2021年5月(2.25)以来、3年1ヵ月ぶりの低水準。
3ヵ月平均では+3.94%、4ヵ月続落で2年11ヵ月ぶりの低水準。ほぼ3年ぶりに3%台突入となって長期平均3.04%もようやく視界に。
利下げへのハードルはゆっくりと、しかし着実に低下。
5日のNY金は+28.3ドル、1.19%の続伸で5月21日(2425.9)以来、1ヵ月半ぶりの高値。2360ドル台後半での小幅揉み合い推移で祝日の時間外を通過後、2370ドル台前半へと小幅に水準を切り上げて週末のNY市場へ。強弱混在のようにも見えた米6月雇用統計には乱高下の反応、一時2350ドル台半ばまで20ドル程の急落後に切り返すと2380ドル台へと急反発。その後も米長期金利低下とドル安基調にも連れてNY午後には2390ドル台へ、高値では一時2400ドル超え。6月後半高値2380ドル近辺も突破して雇用情勢の減速と賃金上昇鈍化も確認し、9月利下げ観測も強まる状況にもサポートされ、2340ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2410ドル近辺にも急接近。次週、2400ドルの大台が抵抗水準とならなければ若干の上昇余地も。
週間ベースでは+58.3ドル、2.48%の続伸。
NYプラチナは+32.6ドル、3.22%の大幅高で3日続伸。5月29日(1047.9)以来、5週間ぶりの高値。上昇率では今年の絶対値平均騰落率1.42%の2.3倍、今年5番めの急騰。祝日の時間外には1010ドル台から1030ドル付近までの行って来い。金曜アジア時間には再トライ、ロンドン・NY朝にかけて1020ドルの節目を上抜け、雇用統計後には乱高下を挟んで1030ドル台へと浮上、その後も堅調推移となって1040ドル台へと一段高、NY午後につけた高値では一時1050ドル付近まで上昇。NY引け後も1040ドル台を維持、1020ドルの節目上抜けに伴う上値目標1040ドル台に到達した状態で一服。
週間ベースでは+31.9ドル、3.15%高で3週続伸。
ドル円は-45銭、0.28%の続落で6月27日(160.76)以来、1週間ぶりの安値。東京朝には161円10銭台から40銭近辺まで上昇、この日の高値をつけて失速すると戻り売り。週末の雇用統計への警戒感もあり、午後には160円50銭台まで下落。160円80銭近辺までの小幅レンジで揉み合い推移となって欧州時間を通過、NY市場では雇用統計の結果を受けて乱高下、のち反発。160円80銭台から30銭台まで急落する場面もあったものの、その後の反発局面では161円30銭台まで上昇。しかしこれも一時的となってNY午後には160円80銭近辺に収束。利下げ観測優勢となる流れで売り圧力も強まるなか、押し目買い圧力も健在の様子も。次週、CPIの鈍化傾向が強まれば押し目買い圧力減退へも。159円50銭から161円80銭までが目先の主要レンジとなり、下抜けると158円近辺までを目安に調整へ、上抜けるようなら162円台後半を目安に一段高トライへも。
週間ベースではわずかに-8銭、0.05%の小幅安で4週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/5終値とチャート
2024年7月6日(土)時点の相場
国内金:13,358 円 7/5(金) ▼21(0.16%)
国内プラチナ:5,634 円 7/5(金) ▼9(0.16%)
NY金:2,397.7 ドル 7/5(金) ▲28.3(1.19%)
NYプラチナ:1,046.0 ドル 7/5(金) ▲32.6(3.22%)
ドル円:160.81 円 7/5(金) ▼0.45(0.28%)
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