週末を控えて過敏になる市場の感応度
更新日:2013年09月04日(水)
昨日夕方には、地中海でのミサイル発射に一瞬緊張が走り、円買い金買いが強まる「地政学リスク回避」の流れとなる場面もあり、夜間の
米ISM製造業景況指数では、
中国、欧州に続き米国での製造業の好調さも確認され、ドル買い円売り、金もやや売られる場面もありました。その後の米議会での軍事介入可決へ向けての動きなどにより、相変わらず「地政学リスク回避」的な流れへの警戒感はくすぶり続けます。今朝は関東地方の地震でも円買い株売りが進む場面もありました。
週末を控え、様々なイベントや指標、事象に対する市場の反応がやや過敏になってきたようです。
本日深夜には米ベージュブックで各地区連銀の経済報告の内容が明らかになり、QE縮小開始に向けての大きな判断材料に。
基本線としては、今月の縮小開始が予想されるものの、ISM製造業景況指数の構成要素の一つ、雇用指数はやや低下しており、不透明感も拭いきれません。
明日はADP雇用に失業保険申請件数と米雇用統計前の重要参考指標、非製造業の景況指数、英BOE・ECBの両理事会にG20も開催。
金曜夜のメインイベントとなる米雇用統計までに、シリア情勢絡みなどで動きがあると、より一層、ややこしいことにもなりかねません。
三連休明けのNY市場、金相場は3営業日ぶりの反発で1.14%上昇。一時1,370ドル台まで売り込まれた後に夕刻のミサイル騒動をきっかけに反発。共和党有力議員のシリアへの軍事介入支持報道も支援材料となった模様で、シリア情勢には敏感に反応する状態が継続。1,390-1,420ドル台でレンジ形成の様子もボラティリティが高まり、上下に振れやすい状態。
プラチナは続伸で0.73%上昇。8月9日に1,500ドル台到達以降、1,550ドル前後までのレンジ内推移が1ヶ月近く継続中。この間、終値ベースの価格では緩やかな上昇傾向も見られるのに対し、RSIは緩やかに低下する逆行現象(ダイバージェンシー)の兆しも見られ、反落注意の状態継続中。
ドル円は0.24%続伸。98円80銭付近の節目を上抜けたことで短期目標100円80銭近辺を目指す展開。100円手前では売り圧力がまだまだ強そうな状況に加え、シリア情勢の不安定さも。変動要因目白押しの今週、少なくとも現在の99円台半ばの水準以上を維持して終了することが重要。
※参考:
金プラチナ価格とドル円 NY市場9/3終値とチャート
国内、金価格は1.25%の大幅続伸。円安ドル高の流れに逆相関となり易いNY金相場の下落が意外と限定的となった恩恵を受けた形。目先の上値目標値4,720円近辺も目前。しかし、ここからは予想外の流れも起こり得る週後半。特に金曜朝までには、目標到達しておきたいところ・・・。サポートラインは4,560円。
プラチナは0.7%上昇で3日続伸。8月26日の5,096円を超え、5月15日以来となる5,100円台に到達。下方向へと傾きかけていた流れを持ち直し、5,210円辺りの上値目標を目指す展開へ。4,970-5,000円が当面のサポートライン。
※参考:
金プラチナ国内価格9/4とチャート
2013年09月04日(水)時点の相場
国内金:4,699 円 9/4(水)
▲58(
1.25%)
国内プラチナ:5,100 円 9/4(水)
▲36(
0.71%)
NY金:1,412.0 ドル 9/3(火)
▲15.9(
1.14%)
NYプラチナ:1,538.2 ドル 9/3(火)
▲11.1(
0.73%)
ドル円:99.56 円 9/3(火)
▲0.24(
0.24%)
9/3(火)のその他主要マーケット指標
米自動車産業の好調も緩和縮小への流れを支援 09/05(木)国内金価格は年内に4,900円の可能性も 09/03(火)2日新甫で荒れる?9月は株高にドル高円安、金は売りからスタート 09/02(月)金相場とドル円、夏の終わりの転換点 08/31(土)
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