QE縮小先送りのインパクト
更新日:2013年09月20日(金)
昨日のNY市場、金相場は4.72%の大幅上昇となりました。前日引け後の急騰以降はほぼ横ばい推移で、一時1,375ドルまで上昇後わずかに反落。短期的には下落トレンドを強制終了させる可能性もありそうです。上方向の節目は1,390ドル。
なお、1日の上昇率では2010年以降で最大、4%超も初。これまでの上昇率最大は、2011年8月9日の3.72%上昇。米国の債務上限問題でS&Pが米国債を格下げした直後、世界同時株安となり、金価格は史上最高値圏に向けて急上昇し始めた時期でした。奇しくも今回もまた、米債務上限が問題視されてはいますが、さすがに何度か経験すると市場の懸念事項としての優先順位は下げられます。
当時とは状況も背景も随分違いますが、前回のように危機感を煽る事象であれ、今回のように安堵感を促進するような事象であれ、始めて遭遇する事象、特に予想外の出来事が与えるインパクトは、人間にとっても、金相場にとっても相当大きなものになります。
リーマンショックから5年、史上初とも言える量的金融緩和策を続け、その政策の終了が始まろうという瞬間も史上初の体験。今回の先送りによって、縮小開始が3ヶ月後になろうと、来年になろうと、その時が来れば、市場は再び、それなりのインパクトを受けることになるのでしょう。
今回の先送りには、そのインパクト緩和の為のリハーサル、という目的もあったのかもしれません。
プラチナも3.35%の大幅上昇。8月8日の3.71%、7月1日の3.41%に次ぐ今年3番めの上昇率。金に連動して急騰したこと、市場規模が小さい為にもともと変動率が高いことなどから、反落率も金より大きめとなります。1,500ドルの節目を超えるほどの勢いは現時点ではまだ感じられません。
ドル円は1.5%の反発で昨日下落分を取り戻してさらに上昇、再び99円台を中心とした揉み合い相場に戻ってきた形。円高圧力は昨日早朝の97円70銭台でMAXだった可能性も。円安方向への節目は100円40銭。
※参考:
金プラチナ価格とドル円 NY市場9/19終値とチャート
国内、金価格は1.7%続伸。前日はNY金相場に、昨日はドル円の反発に支えられて連日の大幅上昇で1週間前の水準に。この1週間ほどで約250円の急落、急反発となる、行って来い。9月4日には4,700円付近まで上昇しており、9月に入って乱高下状態が続きます。目先の節目は上が4,640円、下は4,300円。急反発後、特に材料がなければ反落は必至。
週間ベースでは+113円(+2.55%)の反発。
プラチナは0.7%の続伸。上限4,990円、下限4,690円のほぼ中央まで反発してきた状態で失速気味。9月の下落トレンド中の戻り局面一服か、新たな流れ形成へと向かうか。
週間では+26円(+0.54%)と小幅反発。
※参考:
金プラチナ国内価格9/20とチャート
2013年09月20日(金)時点の相場
国内金:4,544 円 9/20(金)
▲76(
1.70%)
国内プラチナ:4,854 円 9/20(金)
▲36(
0.75%)
NY金:1,369.3 ドル 9/19(木)
▲61.7(
4.72%)
NYプラチナ:1,473.0 ドル 9/19(木)
▲47.8(
3.35%)
ドル円:99.43 円 9/19(木)
▲1.51(
1.54%)
9/19(木)のその他主要マーケット指標
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