QE縮小幅に伴う金相場とドル円の相場動向は
更新日:2013年09月18日(水)
本日深夜、明朝3時にQE3の縮小幅が明確になります。多くの金融大手からの予想では国債とMBSを合わせて100億ドル~150億ドル程度、というのが主流のように見えます。上は200億ドル、下は100億ドル、金額を明示せずに「小規模」と予想するケースも。100億ドル程度までを「小規模」とするなら、「合計100億ドルの縮小」が市場予想の平均、というところでしょうか。
可能性はかなり低いと思われますが、「縮小幅0」、つまり先送りの可能性も全くない訳ではないと思われます。
さらに、声明文やバーナンキ議長の会見を含めて今後の見通し、先々の金利動向に関する
フォワードガイダンスで失業率目標引き下げの有無なども大きく影響しますが、結果による金相場、プラチナ相場、ドル円の予想される影響を整理しておきます。
1)100億ドル以下の縮小→NY金:下落、ドル円:多少のドル高円安方向へ。
2)100億ドル超の縮小→NY金:さらに下落、ドル円:ドル高円安方向へ。
3)先送り→NY金:上昇、ドル円:ドル安円高方向へ。
※上記1・2いずれの場合でも緩和終了時期の先送り観測、金利引き上げ先送り観測が成り立つようならドル高は減速、場合によっては逆方向へも。
なお、プラチナ相場の現状は、金に連動する流れとなっており、例え株が上昇しようと、金が下がればプラチナも下落、と金に追随するものと予想されます。
また、1のケースで緩和終了時期の先送り感が高まるようならドル安円高方向へと傾く可能性が高まり、国内の金・プラチナ価格は大幅下落も予想されます。
NY市場、金相場は0.6%の反落。米8月CPIが前年同月比で1.5%と予想を下回り、目安とされる2%からは大きく鈍化した結果に売り反応。1,320ドル台から10ドル程下落する展開。それでも3日連続で安値は1,300ドル台で踏みとどまる底堅さも。
ここまでは大台ラインがサポートラインとなった形。
プラチナは-1.3%としっかり続落となったことで、下値目標1,420ドル近辺に再度しっかり到達。これで8月末以降の下落トレンドにも一区切りとなる可能性は大。売りの過熱感も高まり、
通常なら一度反発、もしくは揉み合い傾向への動きとなってもおかしくないところ。
ドル円は99円台前半で上下38銭の値幅内に収まる小動き。FOMC睨みで身動きが取れない状態が継続。方向性としてはやや円高方向優勢の流れに傾きつつあり、下値は98円割れ辺りまで振れやすく、上方向には100円40銭がレジスタンス。QE縮小の規模が小幅にとどまり、緩和終了までのメドが長引くような内容なら円高方向へ。逆の内容でも円安方向への振れ幅は当面限定的か。
※参考:
金プラチナ価格とドル円 NY市場9/17終値とチャート
国内、金価格は1.4%の下落となり、6日続落。昨日の目標到達で下げ止まることなく、ややオーバーラン。警戒感からFOMC後の流れを先取りするような流れ。今朝時点でNY市場が一時1,300ドル割れと下値模索への動きを見せていることが影響。FOMCでQE縮小幅が限定的なら、場合によってはNY金の下落に加えてドル円も円高方向となる可能性もあり得ることに警戒。
プラチナも6日続落で1.8%の大幅下落。もう少し時間を要するのでは?という予想に反して下落メド4,730円をあっさり突破。FOMC前に突破してしまったことで、さらなる下値への警戒感は高まるところ。現在の4,700円前後の水準は、7月から8月前半にかけてレンジ相場を形成した価格帯でもあり、一度下げ止まるには好都合のタイミングですが・・・。
※参考:
金プラチナ国内価格9/18とチャート
2013年09月18日(水)時点の相場
国内金:4,302 円 9/18(水)
▼63(
1.44%)
国内プラチナ:4,691 円 9/18(水)
▼88(
1.84%)
NY金:1,309.4 ドル 9/17(火)
▼8.4(
0.64%)
NYプラチナ:1,422.4 ドル 9/17(火)
▼18.8(
1.30%)
ドル円:99.12 円 9/17(火)
▲0.06(
0.06%)
9/17(火)のその他主要マーケット指標
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