寒波でマヒする経済指標、市場の流れは変化の兆しも
更新日:2014年02月15日(土)
大雪や低温、吹雪などにより、日本でも米国でも寒波の影響が市民生活にも、市場にも及ぶ今年の冬。猛烈な寒波によって、交通機関はマヒ、米経済指標もマヒ状態。昨日米FRBが発表した1月の鉱工業生産指数も前月比-0.3%と大きく低下。寒波の影響による製造業の伸び悩みが響いたようです。
米経済指標が発表されるたびに寒波による下振れが続く状況のなか、2月に入り市場の流れにも変化の兆しが見られるようです。
年初からの騰落率の推移をみると、年初からの堅調推移が続く金の上昇率が最も高く、プラチナもプラス圏を回復、株価とドル円はマイナス圏での低迷が継続、という構図。
そのなかで、1月後半に下落した株価は2月に入って持ち直しの兆しでNYダウは直近2週間は続伸。NASDAQも英FTSEも2週続伸、ドイツDAXは今週3.88%の大幅上昇と欧米株の回復傾向に対し、日経平均は年初から6週続落。経済指標の悪化を寒波の影響と割り切る欧米株に対し、
アベノミクス効果剥落の日経平均という構図も窺えます。
また、急落後の急回復を見せるプラチナも、足元では金に追随し始めたようにも見えますが、
1月半ば以降はNYダウとの連動性を急速に高め、30日間の相関係数は0.735台へと急上昇しています。
プラチナのリスク資産としての側面が強く現れつつあるのかもしれません。
日経平均との連動性が高いドル円は、軟調推移の日経平均とやはり相関性の高いNYダウの回復基調との狭間で、どっちつかずの揉み合い状態が続いているようです。
さらに、
逆相関関係にあるNY金の堅調推移がドル円相場の上値を重くしている要因のひとつとなっている可能性もありそうです。
逆に言えば、出遅れるドル円と日経平均に回復基調が見え始めた時、堅調推移を続ける金相場にも、変化の兆しが見え始めることに。
NY市場、金相場は1.42%の大幅上昇で8日続伸。10月31日以来、3ヶ月半ぶりの高値水準に。米ドルは円、ユーロ、ポンド、豪ドルなど主要通貨に対して売られる流れで、金に対しても同様の展開に。これで昨年末の1,202.3ドルから116.3ドル、9.7%の上昇。短期的には調整間近と思われるものの、次の視野に入るのは10月25日の1,352.5ドル。この水準を超えると、昨年6月末安値1,179.4ドルと12月末安値1,181.4ドルとのダブルボトム完成の可能性が高まることに。
週間ベースでは+55.7ドル(+4.41%)の大幅上昇で2週続伸。
プラチナ相場も0.95%の上昇で6日続伸。再び金に追随する流れに乗り、1月後半からの急落幅の61.8%戻しラインに到達。金の調整にも同調する可能性大。少し長めに見ると、100%戻しとなる1,460ドル台、10月末の1,480ドル近辺が上方向で意識されやすいポイントとなり、この近辺に到達すると、昨年6月末安値1,295.4ドルと12月安値1,311.7ドルとでダブルボトム形成へ。
週間では+50.9ドル(+3.69%)の大幅上昇で2週続伸。
ドル円は0.35%下落し、3日続落。102円台後半で上値を押さえられる戻り基調も目先の方向感は喪失気味。もう少しレンジ状態継続後、102円台後半の節目超えなら再び105円近辺を目指す上昇トレンド再開の可能性も。逆に100円90銭の節目を割れると100円割れの可能性大。
週間では-0.57円(-0.55%)の小幅反落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/14終値とチャート
2014年02月15日(土)時点の相場
国内金:4,447 円 2/14(金)
▲21(
0.47%)
国内プラチナ:4,813 円 2/14(金)
▲19(
0.40%)
NY金:1,318.6 ドル 2/14(金)
▲18.5(
1.42%)
NYプラチナ:1,430.1 ドル 2/14(金)
▲13.5(
0.95%)
ドル円:101.81 円 2/14(金)
▼0.36(
0.35%)
2/14(金)のその他主要マーケット指標
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