クリミア住民投票を控え警戒感高まるなか弱さ際立つ日経平均
更新日:2014年03月15日(土)
ロシアにはウクライナ南東部を侵攻する計画はない、とのロシア・ラブロフ外相発言も警戒感の緩和にはつながらず、クリミアでのロシア編入の是非を問う住民投票は国際法に違反するものではなく、国連憲章にものっとっていると主張するプーチン大統領。米国やEU他国際社会がその結果を認めないと主張するクリミア住民投票は16日、予定通り実施されることになりそうです。
突発的な異常事態が発生する可能性は低いと思われるものの、緊張感が持続的にじわじわと高まり、市場もリスク回避傾向がゆっくりと進行するような状況が続きます。
この1週間はNYダウが5日続落、ドル円も5日続落の円高、欧米主要株も下落基調が続き、主要国債は買われ続けて金利は下落、金も買われ続ける状況が継続。主要株価の週間騰落率を見ると、NYダウ-2.35%、NASDAQ-2.09%、ドイツDAX-3.15%、英FTSE-2.75%。軒並み2-3%の大幅下落となっています。しかし、さらに下落幅が大きいのが香港ハンセンの-5.11%、もっと上回るのが日経平均の-6.20%。(※
主要株の騰落率推移)当事国のロシアを除くと日経平均の下落率は際立ちます。
対ロシア貿易などの経済的な結びつきが弱い米国の影響度が小さく、地理的に近い欧州株の影響は大きくなっています。そして中国経済への懸念も高まる香港ハンセンの下落率も高まっています。
では、日経平均は?
景気敏感株だから、消費増税による景気後退が懸念されるから、円高傾向だから、アベノミクスの効果が薄れ、成長戦略への期待も後退したから、日銀の追加緩和がないから、経常赤字が拡大中だから・・・様々な理由がささやかれます。3月の世論調査で内閣支持率が48.1%へと低下したという報道もあるようです。政治不信による外国人投資家離れも懸念されるところです。
とりあえず2月4日につけた今年安値14,000円辺りまでの下落は避けられそうにないような状況に見えます。流れが好転するとすれば、ウクライナを巡る緊張感が少しづつ緩和に向かい、消費増税後の国内景気落ち込みから少しづつ回復に向かい、米国景気回復状況が鮮明となる可能性も高まる夏場以降でしょうか?
NY市場、金相場は0.48%上昇し5日続伸。一時1,388ドルまで買われ、
直近の目標水準1,380ドル台に到達。ここから上、1,420ドル台までのレンジは過去に節目となったり揉み合いを形成したり、流れが止まりやすい水準。逆に言えば1,420ドル台までの上昇余地の可能性も。リスク回避ムード継続ならその可能性も高まるものの、既にリスク回避を背景とした急騰がここまで続いてきたことにより、リスク緩和で急落のリスクも抱える状態。価格上昇に対してRSIの低下傾向が続くダイバージェンス状態にも警戒。
週間ベースでは+40.8ドル(+3.05%)の大幅続伸。
プラチナ相場は3日ぶりに0.66%の反落。1,460ドル台から1,490ドルまでの高値揉み合い水準のなか、上限付近となる1,487ドルまで上昇して反落、9日移動平均線も割れてやや減速感も。勢いが衰えない金には追随し切れない様子で価格差は90.6ドルまで縮小。1,460ドル台の節目割れなら少なくとも1,440ドル付近までの下落余地拡大へ。
週間では-14ドル(-0.94%)となり3週間ぶりの反落。
ドル円は0.47%安の5日続落で2月3日以来の安値水準。リスク回避に伴う円全面高の流れが静かに進行中。下方向への節目101円40銭台をわずかに割れた状態。一時的な行き過ぎで、すぐに元のレンジ水準を回復できなければ円高リスクは拡大。当面の下落メドとして、99円50銭程度までの可能性も。
週間では-1.92円(-1.86%)の反落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/14終値とチャート
2014年03月15日(土)時点の相場
国内金:4,686 円 3/14(金)
▼13(
0.28%)
国内プラチナ:5,011 円 3/14(金)
▼16(
0.32%)
NY金:1,379.0 ドル 3/14(金)
▲6.6(
0.48%)
NYプラチナ:1,469.6 ドル 3/14(金)
▼9.8(
0.66%)
ドル円:101.36 円 3/14(金)
▼0.48(
0.47%)
3/14(金)のその他主要マーケット指標
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