4者会談とジュネーブ声明でウクライナ情勢は進展するか
更新日:2014年04月18日(金)
スイスのジュネーブで行われたウクライナとロシア、米・EUの外相による4者会談では、「全ての参加者は暴力、脅迫を控えるべき。憲法上の進展は包括的、透明であるべき」との共同声明で合意しました。今後の協議継続でも一致し、米欧側とロシアの歩み寄りとなる最初の一歩に。
しかし、これでウクライナ情勢が安定に向かうのかどうかはまだまだグレーな状況です。
ケリー米国務長官は、今回のジュネーブ声明にもとづき、今週末から週明け早々までにロシアがウクライナ東部の緊張緩和へと直ちに着手しなければ追加制裁を、と警告しています。オバマ大統領も同様の発言。ロシアのプーチン大統領は、軍隊を派遣する必要がないことを望むとの発言も。
しかし米国の追加制裁も限定的な範囲を超えられないものと予想され、プーチン大統領の紳士的な態度を望むだけ、といった構図も見え隠れ。
そもそも、親ロ政権崩壊後の暫定ウクライナ政権をロシア側が認めているはずもなく、連邦制導入を支持。欧米側としても、ロシアによるクリミア併合が暗黙の了解状態となりつつあることに危機感を感じながらの交渉。
一触即発といった危険な状況にこそないものの、どうもスッキリしない、不安定な状態がまだまだ続きそうな状況のようです。
NY市場、金相場は0.74%の反落で2週間ぶりの安値水準。
新規失業保険申請件数の好結果にやや売られるも1,300ドル台を維持、その後フィラデルフィア連銀製造業景気指数の大幅上昇を受けて1,300ドル割れへと切り下げ、4者会談の共同声明が伝わると1,290ドル台前半へと下落。わずかながらもウクライナ情勢に進展が見られたことで上値の重い状況で流れは下方向。しかしロシアが4者会談の声明に従うかどうかの不透明感も漂い、比較的堅めと見られる1,280ドルのサポートラインが作用する可能性も。もし割れた場合には、1月末水準となる1,230-40ドル近辺が下値ターゲットに。
プラチナ相場は0.63%安で3日続落。金に連れ安となった後、さらに引け後に20ドル近く下落しており1,410ドル近辺に。南ア鉱山の労使交渉において鉱山会社側が大幅賃上げ提案をした模様で事態進展の可能性。しかし長期間続いたストライキによる供給不足は解消できず、一時的なプラチナ相場急落は不可避も中長期的には持ち直しの可能性も。1,420ドル台のサポートライン割れの状態で週明けを迎えることになり、目先は1,400ドルを大きく割り込む流れとなる公算大。
ドル円は0.16%の小幅高で5日続伸。好調な米経済指標や長期金利の上昇を背景に堅調推移となり、今朝時点では102円50銭台まで上値を切り上げる状況。地合いは改善中も目先の上限付近まで上昇したことで、ここから先もさらなる円安進行と順調には行かない可能性も大。未だ円高優勢地合いを抜け切れず、101円割れリスクを抱えつつ、102円台前半を中心とした新たなレンジ形成の可能性。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/17終値とチャート
国内金価格は0.39%の反落。下方向への流れが徐々に強まる傾向となり、4,580円のサポートラインを下抜けたことによる下方ターゲット、3月末安値水準でもある4,440円近辺へと向かう展開へ。
週間ベースでは-36円(-0.78%)となり、3週間ぶりの反落。
プラチナは1.29%の大幅安で3日続落。5,020円台のサポートラインを大きく割り込み、2週間ぶりに21日移動平均線も下抜けて流れは完全に逆転。結局5,100円前後の長期レジスタンス水準が大きく立ちはだかった形。下値目標は3月末水準となる4,850円近辺。右肩上がりの90日移動平均線4,877円付近がサポートライン候補に。
週間では-74円(-1.47%)の続落。
※参考:
金プラチナ国内価格4/18とチャート
2014年04月18日(金)時点の相場
国内金:4,560 円 4/18(金)
▼18(
0.39%)
国内プラチナ:4,967 円 4/18(金)
▼65(
1.29%)
NY金:1,293.9 ドル 4/17(木)
▼9.6(
0.74%)
NYプラチナ:1,428.7 ドル 4/17(木)
▼9.1(
0.63%)
ドル円:102.39 円 4/17(木)
▲0.17(
0.16%)
4/17(木)のその他主要マーケット指標
4月半ば、流れが変わった?株・為替・金 04/19(土)完全雇用と利上げ時期 04/17(木)中国リスクに振り回される市場 04/16(水)ウクライナは金のゴルディロックス 04/15(火)
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