中国リスクに振り回される市場
更新日:2014年04月16日(水)
今朝発表された中国の1-3月期GDPは前年同期比7.4%増となり、市場予想の7.3%増を上回りました。同時に発表された3月の小売売上高や鉱工業生産も前月から上昇。国家統計局からの発表値は、よく出来た数字、となっています。中国の景気減速が懸念されるなか、まずまずの数字に主要貿易相手国でもある豪ドルやユーロなどは素直に買いで反応した様子です。金は、特に反応はなさそうな様子です。
しかし、第三者による報道には、金も敏感に反応します。
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によれば、中国では金が資金調達手段として利用されており、
シャドーバンキング対策として政府の取り締まり強化が予想され、金価格の下押し圧力が強まる可能性を指摘しています。この報道が金の急落へと大きく影響した様子。1ヶ月程前に話題となった
中国発の銅価格急落と同様のことが金でも行われている、ということのよう。
中国の金需要も減少傾向にあり、WGCのレポートでは、昨年の反動から2014年通年では前年比横ばい程度の見込みとの報道も影響した模様。(ただし2017年にかけては中国の金需要は25%程度拡大するだろうとの見込みも)
NY市場、金相場は2.05%の大幅反落。昨年12月19日にFRBがテーパリング決定を発表した時以来の下げ幅となり、昨日までの綺麗な上昇トレンドが大きく崩れることに。今週の最重要ポイント1,335ドル手前での急落となり、下値はサポートライン1,280ドル台で下げ止まって反発。1,330ドル辺りがレジスタンスラインに。
ウクライナ情勢を背景としたゴルディロックス状態は中国リスクによってかき乱された格好。やはり、
ゴルディロックスは長くは続かなかったようです。
プラチナ相場も1.55%の大幅下落となり、4日ぶりの反落。上方向への勢いを強めようかという矢先に金の急落に水を刺された形。1,420ドル台のサポートライン手前で反発し、9日移動平均線付近まで戻した形。改めて上値目標水準1,510ドル近辺を目指す展開へ。
ドル円は0.07%と小幅に3日続伸。微妙に下値を切り上げつつも上値は102円ちょうどのラインに押さえられる状態が継続。今朝の102円台乗せの状況がどこまで続くか。100円80銭付近までの下落リスクを抱える状況は継続中。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/15終値とチャート
国内金価格は1.42%の大幅反落。4,620円台の節目上抜け直後の急落でサポートラインの4,580円割れ。上方ブレイクはダマシに終わり上値目標は消滅。やや不安定な状態となり、方向性も定まらない状況。このまま下方向に流れが傾くようなら、下方ブレイクによる下値目標水準4,440円辺りを目指す可能性も。
プラチナも1.55%の大幅反落。5,100円前後の長期レジスタンス水準ではやはり上値も重く、金に連れ安。5,020円台のサポートラインを維持できれば、5,180円の上値目標水準への再トライの可能性も。しかし下方ブレイクなら一段安へ。
※参考:
金プラチナ国内価格4/16とチャート
2014年04月16日(水)時点の相場
国内金:4,575 円 4/16(水)
▼66(
1.42%)
国内プラチナ:5,042 円 4/16(水)
▼61(
1.20%)
NY金:1,300.3 ドル 4/15(火)
▼27.2(
2.05%)
NYプラチナ:1,444.6 ドル 4/15(火)
▼22.8(
1.55%)
ドル円:101.91 円 4/15(火)
▲0.07(
0.07%)
4/15(火)のその他主要マーケット指標
完全雇用と利上げ時期 04/17(木)ウクライナは金のゴルディロックス 04/15(火)三羽烏 04/14(月)今年のトレンドを象徴した週、日経平均に続きドル円も年初来安値へ向かう 04/12(土)
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