久々に注目度高まるジャクソンホール
更新日:2014年07月30日(水)
本日は米FOMC2日め。今回は声明文発表のみでイエレン議長の会見がなく、資産買入れ規模の縮小も予定通りと見られることで注目度はやや低下。既に7月9日に公表された
前回分FOMC議事要旨において、10月のFOMCで資産買い入れ完全終了をほぼ合意していることが明確となり、年末に向けて出口戦略に関する市場へのメッセージを検討中とされ、むしろ焦点は後者のほうへと移行中。
米国の利上げ開始時期へのヒントを示す可能性のあるイエレン議長の発言が重要度を増すなか、久々に
ジャクソンホールでの講演が注目を集めることになりそうです。
今年は8月21日開催予定のジャクソンホールの経済政策シンポジウム。
かつて、前FRB議長のバーナンキ氏がここでQE2に関して言及し、その後実際にQE2が行われたことで注目度を高め、毎年、夏場になるとなぜか政策変更や危機対応などの節目を期待する時期と重なり、世界の金融政策に関わる要人達が集う避暑地へのあこがれとともに、その後の政策動向へのヒントを探ろうと、市場の注目度もヒートアップします。
昨年は退任前のバーナンキ前FRB議長が早々に出席見送りを表明し、期待度は低下しましたが、翌月に見込まれていたQE縮小開始も予想外の見送りとなるなど、意外な形でこれを示唆していた可能性もありそうです。
気温の上昇とともに、FRBの出口戦略への注目度も高まるこの夏、避暑地からの情報に市場が反応する可能性も高まります。
29日のNY金相場は0.38%の下落で3営業日ぶりの1,300ドル割れ。EUの対ロシア追加制裁が発表される23時頃まで堅調推移した米株に逆相関となって軟調推移。米コンファレンスボードの7月消費者信頼感指数が2007年10月以来の高水準となったことも売り材料に。上値を少しずつ切り下げる展開が続き、再度1,280ドル近辺の下値目標水準までしっかりと下落する可能性も継続。
プラチナ相場は0.41%安で3営業日ぶりの反落。金に連れ安となり、同じように7月10日以降上値を切り下げ、なだらかな軟調推移が継続。1,470ドルを下限、1,500ドル台を上限とするレンジを形成中。
ドル円は0.26%上昇し8営業日続伸。
関係修復中の日経平均にも追随する格好で日中から堅調推移。終値では7月4日以来の102円台を回復。FOMCや雇用統計などの重要イベントを前に、我慢し切れずに動き始めた感も。特にサプライズはなくとも102円台半ばまでの上値余地が見込めそうな状況。これまで続いた異常な小動き状態からの脱却へと向かい始めるか、もしくはポジティブ・サプライズがあった場合には103円台半ば辺りまでのドル高円安進行の可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/29終値とチャート
30日の国内金価格は前日比3円安となり小幅続落。為替の円安基調にサポートされ、軟調推移が続いた流れも小康状態。7月25日の4,520円台を目先のレンジ下限とし、4,600円を上限とする保ち合い相場への移行の可能性も。何かあれば4,500円近辺までの急落リスクへの警戒感も残る状況。
プラチナはわずかに5円、0.1%の反落。年初から続く中期上昇トレンドをサポートする下値切り上げの形状と、7月上旬から続く短期下落トレンドの抵抗線となる上値切り下げの形状により三角保ち合いを形成中。今年の特徴として、これまで4-5月、6月にも同じようなチャート形状を示し、その度に上抜けてきた経緯があり、今年の中期トレンド継続なら、今回も上抜けの可能性大。しかし、現状では5,100円近辺までの下落リスクも抱え、ここまで下押しすると中期トレンドラインをわずかに下抜けることに。
※参考:
金プラチナ国内価格7/30とチャート
2014年07月30日(水)時点の相場
国内金:4,566 円 7/30(水)
▼3(
0.07%)
国内プラチナ:5,188 円 7/30(水)
▼5(
0.10%)
NY金:1,298.3 ドル 7/29(火)
▼5.0(
0.38%)
NYプラチナ:1,484.5 ドル 7/29(火)
▼6.1(
0.41%)
ドル円:102.12 円 7/29(火)
▲0.26(
0.26%)
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