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ウクライナ停戦期待とECB追加緩和見送りでユーロ反発に金も追随?
更新日:2014年09月04日(木)
ウクライナとロシアが恒久的な停戦に合意?との思い切った報道に動揺する市場。そもそもロシアは当事者ではないのだから関知していない、とするプーチン大統領の発言はもっともらしい発言で、真偽のほどは別としても、第三者的立場を貫こうとするこの姿勢が紛争終結を難しくしている面もありそうです。それでも、停戦に向けての協議を続けることには合意しているもようで、8月末に行われたベラルーシの首都ミンスクでの5者協議が再び今週末にも行われる予定とのこと。本格的に終結に近づく可能性も少しづつ高まる様子。もし、紛争状態が来年まで続けば国際通貨基金(IMF)は最大190億ドルの追加支援が必要になると警告しています。疲弊しきったウクライナの為にも、早めの事態収束が望まれるところです。

ロシアとの経済制裁合戦による影響もあり、疲弊するユーロ圏経済にとっても、ウクライナ停戦期待は高まります。とりあえずはこの期待感は市場にも好感され、売られ続けたユーロにも下げ止まり感も見られます。
そして、本日のECB理事会では追加緩和見送りの可能性も高く、いったんユーロは買い戻されるのではないか、と見る向きが優勢のようです。そもそも、売られ過ぎ状態が長らく続くユーロドルは、いつ買い戻されてもおかしくない状況。長期的には軟調推移が続く可能性も高そうですが、ウクライナ情勢やドラギ総裁発言をきっかけに、短期的には買われる可能性も十分にありそうです。

そのユーロドルと金相場の連動性が、最近では高まっています。
30日間の相関係数は0.64856となり、相関関係を示しています。7月以降の推移では、上下の振れ幅に違いはあるものの、概ね同じような軌道で下落しています。
今週末、ユーロの買い戻しに伴い、金も買い戻しが進むことになるのか。

ユーロドルと金相場の相関関係の高まりの背景には、ドル高地合いが進んでいることが大きく影響します。ドルと比較して相対的に弱いユーロと金が売られています。
ユーロの買い戻し度合いが大きく、ドルが大きく売られる流れとなった場合には、金に対しても若干のドル売り売り傾向となる可能性もありますが、ユーロ依存のきっかけで金相場が大きく動く可能性は低そうです。
それよりも、ウクライナの停戦期待がユーロの買い材料となるのに対し、金にとっては売り材料となることの違いのほうが大きく影響します。

NY金・日足チャート 2014/8/6 - 9/33日のNY市場、金相場は5.3ドル、0.42%の反発。22.4ドルの大幅下落となった前日からは23.6%の買い戻し。ウクライナ東部の「停戦合意」報道を受けて一時6月17日以来2カ月半ぶりの安値水準となる1,261.9ドルまで下げた後、「停戦協議への合意」に内容訂正されると10ドルほど反発。7月10日以降の下落トレンド継続中でのわずかな戻りに過ぎず、1,250ドル近辺までの下落余地は継続。直近の上値抵抗線1,290ドル台を超えるとトレンド変化の可能性。

NYプラチナ・日足チャート 2014/8/6 - 9/3プラチナ相場も0.26%の小反発。金に連れての下落局面では1,404ドルまで下げて目標水準1,400ドル前後にようやく到達。しかし、その後の反発力も限定的、9日移動平均線にも届かず、パーフェクトオーダー状態から抜け切れず。売られ過ぎ状態は続くものの、下方向へのエネルギーを吐き出しきれていないかのよう。もう一度1,400ドルの大台ライン前後を試す可能性にも警戒。目先のレジスタンス1,420ドル台、1,430ドル辺りまで反発すると地合い好転への可能性も。

ドル円・日足チャート 2014/8/7 - 9/3ドル円は4日ぶりに0.28%の反落。1月2日につけたザラ場ベースでの今年最高値105.44円に次ぐ、105.31円まで上昇して反落。ウクライナ停戦絡みの情報錯綜で小幅に乱高下する場面もあったものの、基本はドル高基調で底堅く、105円70銭近辺を目指す流れ。結果的には買われ過ぎ状態と今年最高値が意識されての反落も調整の範囲内。本日、明日の状況でもし、ネガティブ・サプライズが発生し、103円70銭のサポートラインを割れるようなことがあれば102円台半ばまで下値余地が拡大。そうなると、年初の105.44円と今回の105.31円とのダブルトップ形成、ネックライン100円台前半が再び意識される、との見方があちこちで浮上することに。そうなる前に、105円44円は早めにクリアしておきたいところだが・・・。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/3終値とチャート

4日の国内金価格は前日から変わらず。NY金の軟調推移中の調整、ドル高円安の流れの調整に伴う膠着状態。しかし、この後、両者のバランスが崩れる可能性は高く、その度合が強い方向へと動き出すことに。現状ではNY金が10ドル下落すると国内金価格は34円の下落、ドル円が1円上昇すると国内金価格は41円上昇する計算。4,570-4,630円のレンジ下限付近に位置する現状からは、この週末から来週に向けて、上限を上抜ける可能性よりは、下限を下抜ける可能性のほうがやや高めか。その場合の下値メドは4,500円割れも。

プラチナは0.24%の小幅続落。反発へと向かい始めた流れも失速し、揉み合い状態へ。5,150円近辺までの反発余地の可能性は残しながらも、下方向への重要なサポートライン5060円台も意識せざるを得ない状況に。ここを下抜けた場合には5,000円の大台割れの可能性も浮上。
※参考:金プラチナ国内価格9/4とチャート

2014年09月04日(木)時点の相場
国内金:4,585 円 9/4(木) +-0(0.00%)
国内プラチナ:5,085 円 9/4(木) ▼12(0.24%)
NY金:1,270.3 ドル 9/3(水) ▲5.3(0.42%)
NYプラチナ:1,412.5 ドル 9/3(水) ▲3.6(0.26%)
ドル円:104.79 円 9/3(水) ▼0.29(0.28%)
→9/3(水)のその他主要マーケット指標

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