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米国と対極をなす日欧の金融政策加速へ
更新日:2014年09月05日(金)
日欧の金融政策を決定する会議が行われた日。欧州ユーロ圏の中央銀行、ECBでは大方の予想に反して6月に続く利下げを決定。政策金利は0.15%から0.05%へ、民間銀行が中央銀行に預ける場合の中銀預金金利は-0.1%から-0.2%へ。これで政策金利は下限に達したとするドラギ総裁は次月からのABS(資産担保証券)購入開始も表明。2014年の成長率見通しを前回の+1.0%から+0.9%へ、インフレ見通しも+0.7%から+0.6%へと下方修正し、デフレリスクへの警戒感から、インフレ圧力上昇のために、再び「なんでもやる」態勢を強化。

6月の利下げで1ユーロ=1.35ドルまで下落していたユーロドルは今回の利下げでは1.2930台まで大きく水準を切り下げています。
今後、さらに国債買い入れを含む量的緩和が行われるかどうかは不透明な部分も残りますが、ECBの緩和政策が加速していく状況にはあるようです。

その数時間前には日銀の金融政策決定会合、黒田総裁会見が行われていました。
金融政策は現状維持を決定し、成長率の若干の下振れや消費の弱さも認めながら、「景気は緩やかな回復を続けている」との判断も維持。
また、消費税の追加増税判断時期を年末に控え、予定通り行った場合のリスクは財政政策や金融政策で対応可能だが、先送りした場合のリスクは甚大で対応しようがない、とも。
追加増税決定に伴う景気下振れ対策として、日銀による金融政策では、再び追加緩和待望論が強まることも予想されそうです。

量的緩和終了後の利上げ開始時期、さらにはそのペースは?いつまで?と引き締め政策動向が市場のテーマとなる米国とは対極をなす日本の金融政策を背景にドル高円安傾向も加速、今朝にはようやく今年高値を更新しています。

ゼロ金利解除が近い米ドルが買われ、ゼロ金利が続く円とユーロが売られやすい状態が当面続くことになりそうです。そして、元々金利を産まない金にとっても、軟調推移が続くことになりそうです。

NY金・日足チャート 2014/8/7 - 9/44日のNY市場、金相場は0.3%の小幅反落。米雇用関連指標、ADP雇用者数新規失業保険申請件数はいずれも予想より弱めの数値ながらも好調を維持、予想外のECB利下げなどを受けて1,270ドルを挟んでの乱高下。その後は一方的なユーロ売りに伴うドル買いの流れで金も軟調。1,260ドル近辺では底堅さも見られる状況。1,290ドル台をレジスタンスラインに下落基調が続き、メドは1,250ドル近辺。

NYプラチナ・日足チャート 2014/8/7 - 9/4プラチナ相場も0.3%の反落。金に連れ安となり、再び1,410ドルを割れ、3日連続で安値は目標水準1,400ドル前後を維持し、そろそろ下げ止まりの可能性も示唆。反発した場合のレジスタンスは1,420ドル台。

ドル円・日足チャート 2014/8/8 - 9/4ドル円は0.45%の反発。雇用関連指標のやや物足りない結果に105円割れへと反落後は、ユーロ急落ISM非製造業景況指数の上振れをきっかけに反発。それでも今年高値105.44円が意識される水準では上値を押さえられて高値は105.36円どまり。前日の押し目を挟んで2日の高値も上抜けたことで、ドル高の流れ加速の兆しも。なお、今朝9時前の時点で既に年初来高値を更新、直近の目標水準105円70銭に到達。これは2008年10月3日以来、約6年ぶりの高値水準。目先は104円70銭台をサポートラインとして106円近辺が次の上値目標水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/4終値とチャート

5日の国内金価格は0.31%の反落。4,570円から4,630円までのレンジ内ほぼ下限に到達し、短期的にはやや下方向へと動き出す可能性が高まった状況。このまま4,570円を割れると4,490円辺りまで下値余地拡大。
週間ベースでは-34円(-0.74%)の反落。

プラチナは0.12%の小幅高で3日ぶりの反発。揉み合い傾向の色合いを強めつつも、ゆるやかな短期上昇トレンドへと移行する可能性も維持。その場合には5,150円近辺が当面の目標水準。5,060円台の下値サポートラインへの警戒感も意識される状況。
週間ベースでは+11円(+0.22%)、小幅高となり4週間ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格9/5とチャート

2014年09月05日(金)時点の相場
国内金:4,571 円 9/5(金) ▼14(0.31%)
国内プラチナ:5,091 円 9/5(金) ▲6(0.12%)
NY金:1,266.5 ドル 9/4(木) ▼3.8(0.30%)
NYプラチナ:1,408.3 ドル 9/4(木) ▼4.2(0.30%)
ドル円:105.26 円 9/4(木) ▲0.47(0.45%)
→9/4(木)のその他主要マーケット指標

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