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★金プラチナ短期相場観★

相当な期間を経て「相当な期間(considerable time)」削除へ?
更新日:2014年12月11日(木)
次週のFOMCでは声明文から、QE縮小終了後も「相当な期間(considerable time)」低金利継続、という一文が削除され、これに変わって、利上げの時期を「辛抱強く(patient)」待つべき、という表現が採用されるのではないか、との報道もあります。過去の利上げフェーズへの移行期に採用されたFOMC声明文のキーワードに倣っての見解であり、実際にニューヨーク連銀のダドリー総裁は講演などで「辛抱強く(patient)」というキーワードを使い始めています。先週には、フィッシャーFRB副議長も「相当な期間(considerable time)」を削除する時期が近づいている、と発言していました。

その一方で、タカ派でもハト派でもなく、中立派と見られるサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁とアトランタ連銀のロックハート総裁は「相当な期間」は適切な利上げ時期を最も良く表現している、文言削除を急ぐ必要はない、など現状維持を支持する発言をしています。(※両者は今年の投票権なし、2015年投票権あり)

金融政策正常化への過渡期には、ある程度マーケットの混乱は避けられないものの、極力これを抑えたいFRBとしては、足元での米株の大幅調整、ドル独歩高の巻き戻しは絶好の過熱感解消となった可能性もあります。
今年3月のFOMCから採用された「相当な期間(considerable time)」は6カ月?と物議を醸してはや9カ月。10月のQE終了のタイミングでこのキーワードも消えるかとの見方も否定されて2カ月。十分に相当な期間、継続されてきたこのキーワードがそろそろ消える時期が近づいている可能性は高まります。

なお、「相当な期間」が消えて利上げ時期の前倒し観測が台頭するようなら、純粋に金には売り材料、「相当な期間」継続なら安心感がサポート材料に。緩やかな上昇トレンドが続くNY金相場にとっても、重要なキーワードの行方に注目度が高まります。

辛抱強く(patient)利上げの時期を待つフェーズへと移行するのか、はたまた、辛抱強く(patient)、相当な期間(considerable time)が消えるのを待ち続けることになるのか。

NY金・日足チャート 2014/11/10 - 12/1010日のNY金相場は0.21%の小幅反落。前日の大幅上昇からの反落の流れに加え、OPECの原油需要見通し引き下げに伴う原油価格の一段安、NY原油相場も今年最安値更新となる60ドル台まで下落したことも影響。株高ドル高の調整局面継続により、米株とドルの大幅安にもかかわらず金の買いが進まなかったことは、最近の逆相関関係の弱まりを象徴し、底値圏からの反発傾向にあるNY金相場のトレンドの強さを示している可能性も。上値目標1,260ドル近辺、下値サポート1,190ドル。

NYプラチナ・日足チャート 2014/11/10 - 12/10プラチナ相場も0.34%の小幅安。1,250ドル近辺は一目均衡表の雲の下限や遅行線の状況が節目に当たり、過去の高安値も集中し、分岐点となりやすい水準。ここを突破すると地合いは好転、1,260ドルをしっかりと超えることができれば次の目標水準1,300ドル近辺へと加速する可能性。1,210ドル台は下値警戒感が高まる要注意のサポートライン。

ドル円・日足チャート 2014/11/11 - 12/10ドル円は1.57%の大幅安で3日続落。下落率としては昨年6月11日の-2.78%以来の大幅下落。当時はFRBによるQEの縮小示唆によるマーケット混乱期。今、またFOMCを前に市場の警戒感も高まっていることを示している様子。前日安値を下抜け、今朝時点では117円60銭のサポートラインとの攻防も。この水準は10月15日安値105円20銭から12月8日高値121円84銭までの上昇幅に対する23.6%戻しラインとなる117円91銭も位置する重要な節目。ここを抜けると115円台後半から38.2%戻しラインのある115円48銭辺りが次の下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/10終値とチャート

11日の国内金価格は4日ぶりの反落で1.41%の大幅安。円安の大幅巻き戻しとともに、やや一方的に上昇し過ぎたツケが回ってきた形。短期上昇トレンドは終盤となってきた可能性。4,850-4,900円近辺はサポートされやすい水準。目先は一時的な円高動向に追随。

プラチナ価格も1.59%の大幅反落。5,100円の抵抗線に跳ね返されて、しっかりとした調整局面入り。上昇トレンド維持も、やはり円安調整に連動する流れにあり、4,950円近辺がサポート水準候補。4,840円は重要なサポートラインであり、下方向への節目。抜けると下方向へとさらに加速する可能性。
※参考:金プラチナ国内価格12/11とチャート

2014年12月11日(木)時点の相場
国内金:4,968 円 12/11(木) ▼71(1.41%)
国内プラチナ:5,011 円 12/11(木) ▼81(1.59%)
NY金:1,229.4 ドル 12/10(水) ▼2.6(0.21%)
NYプラチナ:1,242.6 ドル 12/10(水) ▼4.2(0.34%)
ドル円:117.81 円 12/10(水) ▼1.88(1.57%)
→12/10(水)のその他主要マーケット指標

←ギリシャの政局不安と日本の政局期待と不安 12/12(金)
→労働市場のたるみは継続、イエレン・ダッシュボード2014年12月版 12/10(水)
→タカ派傾向の政府労働指標をけん制するFRBのLMCI:2014年11月分 12/09(火)
→GDP改定値下振れによる7年4カ月ぶり高値からの調整も限定的か 12/08(月)

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