ユーロと原油の反発は23.6%ラインで失速、金は38.2%ライン維持
更新日:2015年02月05日(木)
ギリシャとユーロ圏との債務交渉が進むに連れ、財政緊縮策の見直しを公約に掲げていチプラス新政権は、やはり改革を破棄するのではないかとの見方が台頭し、ギリシャ国債を担保として認める特例措置をECBが解除することを決定、との報道でギリシャの債務不安、デフォルト懸念が再燃。これを受けてユーロは急落しました。
ユーロドルは、12月16日高値1.250ドル台から1月26日安値1.1090ドル台まで急落後、下落値幅の23.6%戻しラインとなる1.1440ドル台まで急反発したところで力尽き、1.1340ドル台へと反落した状態です。
前日まで急反発となっていた原油相場も、同様の流れとなっています。
NY原油相場は、11月21日高値77.80ドル台から1月29日安値43.50ドル台まで急落し、下落幅の23.6%戻しライン、51.60ドル台をわずかに超える水準まで反発したところで失速、今朝には再び50ドルを割れて48ドル台へと反落。
テレビなどでも「原油相場は底入れ、反発に転じました」などと報道されたことが、まるで反落のきっかけとなったかのようです。「マスコミで大きく取り上げられる頃にはトレンド末期」の法則どおり、と言えます。
今回の反発値幅は、ユーロドルは0.035ドル、ドル円換算なら3.5円に相当する大幅反発。原油も8.1ドルもの大幅反発。通常なら、これほどの値動きがあれば、流れが変わった可能性を疑うには十分かもしれません。しかし、今回のユーロも原油もそれまでの下落幅があまりに大きかったことにより、反発比率は23.6%にとどまっています。ここを超えて38.2%ラインも超えるようなら、本格的に流れが変わった可能性も高まります。
そもそも、ECBの量的緩和政策が決定したばかりでユーロが上昇トレンドへと切り替わったのでは、ECBの立場がありません。原油も、上半期中に30ドル台まで下落する可能性を指摘するOPECの関係者もいます。
上昇幅が極端ではなかったNY金相場は、38.2%ラインまでの調整で一服し、23.6%との間での小康状態が続きます。
4日のNY金相場は0.33%の小反発。中国人民銀行が預金準備率を引き下げる金融緩和策を発表し、ギリシャの債務不安が再燃の兆しを見せ始めたことなどが買い材料となり、下値を徐々に切り上げる展開で1,260ドルから1,270ドル台へ。しかし1,250-1,280ドルのレンジ内推移が続き、下降する9日移動平均線と上昇する21日移動平均線とも重なる三角保ち合いのレンジを縮小。ゆるやかな下落トレンド継続も上下どちらかへのレンジブレイクで20ドル程度の急変動の可能性。
プラチナ相場は0.3%の続伸。下落トレンド中の戻り局面での三角持ち合い形成の流れが継続。上方向への節目1,240ドルの上抜けトライも続くなか、90日までの全ての移動平均線がこの水準に集中、レンジブレイク間近のサイン。上抜け成功なら1,260ドル程度までの反発。下限1,220ドル台割れなら1,200ドル近辺へ。
ドル円は0.26%の小幅続落。
ADP雇用統計の結果はそれほど悪くはなく、むしろ好調維持を示しながらも予想を下回ったことから低調と見なされ、上値も限定的に。117円台後半が抵抗線状態となりつつあり、上値を徐々に切り下げる展開に。目先は116円台半ばまでの下落余地。中期スパンでは12月から続く三角保ち合いのレンジが116円から119円付近。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/4終値とチャート
5日の国内金価格は0.61%の反発。上向きの21日移動平均線に支えられるように持ち直しの動きとなったものの、緩やかな下落トレンドはまだ継続中、5,050円台辺りまでの下落リスクも継続。5,170円のレンジスタンス超えなら5,230円近辺までの反発の可能性も。
プラチナは0.46%の続伸。反発傾向継続も、まだ下落トレンド中の戻り局面の範囲内。5,050円付近で水平状態の21日移動平均線辺りから、これをデッドクロスした9日移動平均線の5,030円付近までが抵抗水準となりやすいところ。下方向へは今年安値となった4,956円付近が重要サポート水準。下抜けると最大4,800円台前半までの大幅下落の可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格2/5とチャート
2015年02月05日(木)時点の相場
国内金:5,136 円 2/5(木)
▲31(
0.61%)
国内プラチナ:5,000 円 2/5(木)
▲23(
0.46%)
NY金:1,264.5 ドル 2/4(水)
▲4.2(
0.33%)
NYプラチナ:1,238.9 ドル 2/4(水)
▲3.7(
0.30%)
ドル円:117.26 円 2/4(水)
▼0.31(
0.26%)
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