金価格とプラチナ価格の逆転現象解消へのきっかけ
更新日:2015年03月04日(水)
1月15日に
NY金相場価格がプラチナ相場価格を上回る逆転現象となって1カ月半が経過しています。この間、2月2日にはその差48.3ドルまで拡大し、3月3日時点では14.8ドルへと急縮小しています。国内価格でも1月16日に逆転現象が発生、2月3日には最大191円まで価格差は拡大し、3月4日時点では83円へと縮小。最近の底値反発傾向の動きにも強弱の関係性も見られ、そろそろ逆転現象解消へと向かいそうな兆しも。
現在のNYプラチナ相場は、
株価と逆相関の関係が強い状態にあり、
NYダウとの相関係数は90日間で-0.61521、30日間では-0.75067となっています。
投資マネーが金やプラチナから株へと流れている状況にあり、とりわけ金よりもプラチナからの流出のほうが大きい状態となっているようです。
しかし、足元では過去最高値や歴史的高値更新などの勢いが続く日米欧株価にも、徐々に高値警戒感も増す状況にあります。ECBの量的緩和がスタートすることによる材料出尽くしでドイツDAXの大幅調整や、米国の利上げ観測の高まりによる米株の調整局面なども予想され、押し目なしで一方的な上昇が続く日本株への警戒感も高まりつつあります。
世界同時株高状態が調整局面入りとなれば、プラチナの反発傾向の流れが強まる可能性も高まりそうです。
金価格とプラチナ価格との逆転現象が一般紙でも報じられるようになったことにより、そろそろセリング・クライマックスを迎え、逆転現象解消へ、という可能性のほうがより高いかもしれません。
3日のNY金相場は0.31%の小幅続落。日本時間午前中には仕掛け的とも思われる売りで1,210ドル手前から1,194.6ドルまで急落する場面もあったものの、1,190ドル台半ばのサポートラインでしっかり反発。NY時間にかけて1,214.4ドルまで上昇も息切れ。結果的に1,215ドル付近に位置する90日移動平均線を超えられない状態が継続。1,230ドル近辺までの反発余地を目指した流れも失速気味。重要イベントを控えて動きにくい状況にもあり、現状水準での揉み合い継続の様相に。
プラチナ相場は前日比-0.3ドルとほぼ横ばい推移状態も5日ぶりの小反落。一時1,196.8ドルまで上昇し、1,200ドル付近の目標水準にほぼ到達した形。短期的には上昇トレンド入りも勢いには欠ける状態。一服後、改めて方向感を見極める状態。
ドル円は4日ぶりの反落で0.33%のドル安円高。午前中の本田内閣官房参与による「ドル円の現状水準からの上昇は持続可能でない」発言報道で120円台から119円60銭付近まで急落すると、2度と120円台に戻すことなく119円台半ばでの揉み合い状態に。先月12日の日銀追加緩和逆効果報道による急落に続き、どうも120円台は当局のけん制警戒水準の様子。121円台前半を目指す流れに暗雲。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/3終値とチャート
4日の国内金価格は0.64%の続落。上昇する90日移動平均線と下落する21日移動平均線との中間付近で水平移動の9日移動平均線4,963円に収束し、レンジ傾向が強まる流れに。4,930円台から5,020円までのレンジでイベント通過を待つ状態。
プラチナは6日ぶりの反落で0.43%安。中期的には横ばい推移の状態にあり、短期上昇トレンド入り後の加速に待った。水平状態の90日移動平均線4,905円付近がやや厚めの抵抗水準に。ここを突破すると上値余地は大幅拡大、中期トレンドの方向性が変わるきっかけとなる可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格3/4とチャート
2015年03月04日(水)時点の相場
国内金:4,965 円 3/4(水)
▼32(
0.64%)
国内プラチナ:4,882 円 3/4(水)
▼21(
0.43%)
NY金:1,204.4 ドル 3/3(火)
▼3.8(
0.31%)
NYプラチナ:1,189.6 ドル 3/3(火)
▼0.3(
0.03%)
ドル円:119.73 円 3/3(火)
▼0.40(
0.33%)
3/3(火)のその他主要マーケット指標
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