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★金プラチナ短期相場観★

「一時的な影響」が許容される最後の重要指標PCEデフレーター
更新日:2015年05月01日(金)
日米の金融政策を決定する会合が続くことで警戒感も高まっていた4月末を通過し、結果的に市場を動かしたのは経済指標、といった流れとなりつつあるようです。
「一時的な影響」が薄れる4月の指標も発表され始め、週間新規失業保険申請件数や継続需給者数はいずれも15年ぶりの低水準へと改善傾向となり、4月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)も市場予想を上回り、3月の46.3から52.3へと上昇し、好不況の分かれ目となる50を超えてきました。

と同時に、3月分の指標としてはほぼ最終となる重要指標PCEデフレーターが発表されています。
FRBのインフレ目標2%の目安の指標とされるのが、このPCEデフレーターの前年比伸び率で、個人消費関連のインフレ動向を示す重要指標。
PCEデフレーター 2015年3月3月のPCEは0.3%となり、2月から変わらず。昨年5月の1.7%をピークに下降し始め、今年1月の0.2%まで急落して底打ち、反発傾向も3月時点ではもう一つ、という状況です。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコアPCEの3月は1.3%。こちらは昨年半ばにかけて1.5%まで上昇して横ばい推移後、11月に1.4%、12月に1.3%へと低下して以降は横ばい推移が続きます。

3月のFOMCでの予想中央値は以下のとおり。
【PCE】2015年末0.6-0.8%、2016年末1.7-1.9%、2017年末1.9-2.0%、長期見通し2.0%
【コアPCE】2015年末1.3-1.4%、2016年末1.5-1.9%、2017年末1.8-2.0%
コアPCEは現状以上に低下さえしなければ見通しどおりとなりそうですが、PCEについては乖離が大きい状態です。原油安の影響がかなり大きいものと推測されますが、年初来高値を更新して反発基調にある原油相場の影響が4月以降に反映され始めているかどうかが気になるところです。

5月末に発表される4月分のPCEは、4月に47ドル台から59ドル台まで25%超上昇した原油相場に支えられ「一時的な影響」から抜け出し始めているはずです。

NY金・日足チャート 2015/3/31 - 4/3030日のNY金相場は2.28%の大幅続落。1200ドル近辺での小動き状態から、新規失業保険申請件数などの好結果を受けて急落。やや上向きかけていた流れが急速に巻き戻され、気がつけばここ最近の乱高下でレンジ幅を上下に拡大しただけの状態。1170ドルから1210ドル台までの範囲で経済指標の結果に一喜一憂しながら方向感を見いだす展開へ。レンジ下方ブレイクなら今年安値トライ、上方ブレイクなら1250ドル付近を目指す展開も。
月間ベースでは-0.7ドル(-0.06%)とわずかにマイナスとなり、3カ月続落。

NYプラチナ・日足チャート 2015/3/31 - 4/30プラチナ相場は4日ぶりの反落で1.82%の大幅安。上値目標水準1160ドルを超えてさらに上値を伸ばすような勢いはなく、達成感からの反落となったことで4月はゆるやかに上値を切り下げる展開に終始。1120ドルから1160ドルまでのレンジ相場が継続中。下方ブレイクなら今年安値トライ、上方ブレイクなら3月高値1180ドル辺りを目指す展開へ。
月間では-2.2ドル(-0.19%)の小幅安で3カ月続落。

ドル円・日足チャート 2015/4/1 - 4/30ドル円相場は0.31%の続伸。日銀の追加緩和見送りの影響は限定的となり、4月には何度もサポートされた118円50銭台のラインで反発。好調な米経済指標にもサポートされる形で一時119円90銭付近まで上昇。下値トライへと向かいかけた流れは完全に巻き戻され、いったん仕切り直し。118円80銭から120円までのレンジ相場に回帰。4月以降の指標が良ければ素直にドル高、悪ければドル売りの展開で方向感形成へ。
月間ベースでは-0.75円(-0.62%)となり3カ月ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/30終値とチャート

1日の国内金価格は1.16%の大幅反落。円高リスクの代わりにNY金の大幅安の影響で軟調推移。9日移動平均線に沿って上値が切り下がる流れとなりつつあり、4930円近辺での抵抗感が増すことに。突破できれば5000円近辺を目指す流れも。4830円台のサポートラインは3月安値とで最近のダブルボトムを形成し、こちらも底堅さが見られる可能性も。
週間ベースでは-46円(-0.93%)となり、3週続落。

プラチナは3日ぶりの反落で0.42%安。4500円台後半の今年安値水準からの反発基調が継続中。小幅調整で前日の4720円台が抵抗線とはならずに済むようなら反発基調を強める展開も予想され、4800円台前半へと上値を伸ばす可能性も。
週間ベースでは+23円(+0.49%)となり、3週間ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格5/1とチャート

2015年05月01日(金)時点の相場
国内金:4,875 円 5/1(金) ▼57(1.16%)
国内プラチナ:4,702 円 5/1(金) ▼20(0.42%)
NY金:1,182.4 ドル 4/30(木) ▼27.6(2.28%)
NYプラチナ:1,140.4 ドル 4/30(木) ▼21.1(1.82%)
ドル円:119.38 円 4/30(木) ▲0.37(0.31%)
→4/30(木)のその他主要マーケット指標

←4月末の下値トライ失敗から一転、上値トライへ挑む5月のドル円 05/02(土)
→景気減速とともに利上げ見通しにも不透明感拡大 04/30(木)
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